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悠々ライフ
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しおりを挟む「これ以上私に教える事はございません」
そう言って一週間もしない内に帰ってしまったミリオン。魔法の基礎知識は
教わったので俺的には別に大した問題ではないと思っていたが、そういう訳にも
いかなかった。
「どういう事だ? あれは優秀な魔法使いだという話であったはずなのだがな、
どうしてもう帰ってしまったのだ? 子供相手にそんなにすぐに音を上げるなど
大した事がなかったのではないのか? もしかして私達が何も知らないからと
馬鹿にしているのではあるまいな」
「そうなの? うちのシリアンを馬鹿にするなんてあり得ない! 」
怒り心頭の両親。
「父様、母様、僕は大丈夫です。先生はちゃんと魔法を教えて下さいましたし、
僕はこれで満足しています」
そう、後は全て応用である。基礎が分かればいくらでもこの先を発展させていく
事は出来る。寧ろ今はそっちの実験がしたくてたまらないのだ。早くこの力を
自分のものにしたいという願望が沸々と湧き上がっている。
「だがな、シリアン。こういう事は我が家に対する軽視につながりかねないのだ。
主張すべきはしておかないと後々面倒になる事もある」
貴族の仕来たりなどは俺には一切分からない事であり、父様がそう言うのであれ
ばそれはそうなのだろう。
「そうね、ちゃんと言っておきましょう。うちのシリアンを馬鹿にするなと! 」
そういう事は大人に任せ、俺はとりあえず魔法の実験に明け暮れた。
*****
あり得ないあり得ないあり得ないあり得ない。
あんな奴が存在するなんてあり得ないのだ!
いとも簡単に魔法を行使してしまうというあれが天才という奴なのか?
いいや、そんなはずはない。
だって天才とは俺のような者を言うのであって、あんな訳のわからない子供が
たった一度教えただけで出来るようになるなんて、魔法とはそんなに簡単なもの
ではないのだ。もっと崇高なものであるはずだ。
そもそもなんだ、あの魔力量は?
どう考えたっておかしいではないか、休憩すら真面に取らずにずっと魔法を
行使し続けるという異常性。疲れた様子さえも見えなかった。あんなのがこの世
に存在していいはずがないのだ。
そう、あれは異端である!
「なんだミリオンじゃないか、珍しい。こんな所に何か用でもあるのか? 」
俺は正直こいつらは苦手なのだ。一体何を考えているのかがまったく分からない
こいつらのような異端審問官という者達とは関わり合いにはなりたくはなかった
のだが、今回ばかりはそうは言ってられない。
「嗚呼、そうだ。異端者を見つけたんだ」
「ほう、話を聞こうじゃないか」
そう言って何かの実験をしていた男は手を止めて、嬉しそうにこちらへ歩み寄っ
て来た。その姿はあまりにも不気味すぎて身の危険を感じる程である。
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