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僕の彼女は勇者
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しおりを挟む勇者とのデートに心弾ませる聖職者。
こんなにも幸せでいいのだろうか? なんて場をわきまえずに思ってしまった。
こんなにも可愛い彼女が側にいると言うだけなのに、それだけでいいと思えて
しまえるのが不思議だった。
「どうしました? 」
勇者が首を傾げてこちらを見てくるそのしぐさのなんと可愛いことか?
嗚呼、好きだと再認識してはまた繰り返す。あとどれだけこれを繰り返せば僕は
満足するのだろうか?
「好きだよ」
だからそんな言葉が自然と出てしまう。
でもきっと満足何てする事なんかないのだろうとも思う。
思いはどんどん強くなって行くばかりだ。
「私も好きですよ」
勇者のその言葉が、そんな返事が返って来るここは僕達二人だけの世界だった
「何だ? バカップルがどうしてこんな所に居るんだ? 嗚呼、だから馬鹿なのか」
その言葉を聞くまでは確かにそのはずだったのに……世界は急に崩れて行った。
「まあいいか。とりあえず死んどけよ、戦場にお前らは必要ないんだから」
突然の暴力によって。
「おっと、どういうつもりかは知りませんが、
指一本触れさせたりはしませんよ? 私の聖職者には」
そして世界は勇者によって守られるのだ。
*****
東海林は認識を改める。
こいつらがただのバカップルじゃないと。
まあ少し考えれば分かる事ではあったのだ、こんな所をうろつく一般人が
居るなんて事がおかいしいって事は。
それなら心置きなく殺そうと思う。
お互い覚悟は出来ているのなら問題はないだろう。
戦場で出会ったのだ、生きるか死ぬかだけでそれ以外のものは全てが必要がない
場所なのだここは。
振るう剛腕、受ける相手。
東海林は笑う。
戦闘狂の本能がうずくのだ。
多少は楽しませて欲しいものだと考え事をしながらも、身体は既に動いていた。
ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドス。
頑丈な事は良い事だと思う。
この拳よりも固ければ尚更にいい。
それを壊せた時の達成感は格別なのだ。
ただ一方的に殴るのも張り合いがない。
「どうした? 受けてばかりか? 」
その問いの答えは突然の衝撃。
後ろからの攻撃は東海林には予想外で足がぐらついた。
「これでも死なないのか、タフだね。殴り合いならオレの方が得意だぜ? 」
どうやらもう一人居たようだ。
やはり索敵は苦手だけど、それでも何も問題はない。
一人増えた所で何の問題があるというのだろうか?
この程度でやられるほどヤワな鍛え方はしていない。
「そうか、そいつは嬉しいね。殴ってばかりも飽きてたんだ」
身体を目一杯捻ってから打ち出す拳は一撃で相手のガードした両腕を粉砕して
吹き飛ばした。この感触なら確実だろうと経験から察知する。
さあこれからだ、これから始まるのだ命のやり取りが。だからまだ死ぬなよと
傲慢に考えていた東海林は足を一歩踏み出そうとしたのに、動かない。
「魔法? 」
この身体の違和感は魔法による何らかの攻撃である。
それがどんなものなのかは分からないが……
「やっとかかった危ない危ない。聖職者、戦士の手当てをしてやってくれ。
後は頼んだよ勇者」
話す相手を睨みつけながら東海林は悟った。
「勇者だと? 」
ここで自分が終わるという事実に。
最後がこんな無様な終わり方なのはきっと自分が弱いからだと悔いた。
「はい、もちろん。聖職者に回復してもらいましたから万全です。
それではさようなら、え~と名前はいいですかね」
東海林は自分の首が飛ぶ寸前まで考えていたのは真緒に成りたかったという
子供の頃からの夢だった。
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