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しおりを挟む高校を選ぶ時の基準はもちろん制服である。
なのでブレザーを採用している学校を選んだが、それ以外の要素にさして興味を
もつ事が出来なかったので出来るだけ近所にした。遠すぎるとそれだけで登校す
る気がなくらなりそうだったからだ。
正直、学校なんてものに行きたくはない。
でもだからって社会に出るなんて事はもっと嫌だった。
どう考えたって怖すぎるだろ? その感覚を紛らわす為に学校へ行くのだ。
学校ってそういう人間をつくる為に存在するのだから、免疫をつけておく事に
したのだが……無理だった。
人はそもそも変わったりはしない。
三つ子の魂百までということわざが俺にはしっかりと当てはまっているのだ。
そしてそれは俺以外にも当てはまる、だから結局何処へ行こうとも変わりはしな
いのだ。地域が広がっても高校生になろうとも何もあの頃から何も変わりはせず
に俺はただ絶望を味わった。
お先真っ暗である。
とぼとぼと歩く帰り道、もうどうすればいいのか分からなかった。
「あの、お兄さんは何処の人ですか? 」
そんな時に声をかけて来た謎の少年。
今はかまってあげる余裕など俺には無かったからとりあえず聞こえないふりを
してやり過ごす事にした。まあ誰かが相手をしてくれるだろう、それが俺では
ないというだけの事だった。
「僕、アキラって言います。帰り道が分からないんです」
アキラ少年は俺のブレザーの裾を掴んでそんな事を言った。
面倒臭い事になってしまった。これでは俺が相手をしてあげなければいけない
ではないか。ここから警察まではどれくらいの距離があったかを考えだす俺とは
裏腹にアキラ少年はいう。
「僕を家まで連れて行ってください」
絶対に嫌だった。
どうして俺が今会ったばかりの見ず知らずの少年を家まで送り届けなければいけ
ないのか理解に苦しむ。どう考えたっておかしいだろ? どうしてそんな事にな
るのかを俺に説明して欲しい。
「やっと人に出会えたんです。もう三日も帰れていない、だからお願いします。
僕は家に帰りたいんです」
そんな無茶苦茶な理由で納得なんて出来る訳がない。
やっと会えたって何だ? そこら辺に誰でも居る、じゃない、か?
周りを見渡した結果、本当に誰も居なかった。
ここにはアキラ少年と俺だけしか居なかった。
たまたま人通りが少ないという訳ではなく、本当に俺達だけしかここには存在し
ていないという事実に俺は恐怖した。
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