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しおりを挟むいつからだ?
全く気が付かなかった。
どうして誰もいないのか、さっきまで確かに他人が居たはずなのに、何がどうし
てこうなったのかが分からないからアキラ少年に話しかけた。
「なあ、何なんだここは? 」
「わかりません」
とりあえず不安を消したくて話しかけたのに、帰って来た言葉は余計に不安に
なる答えだった。
「僕もいつの間にかこんな所に来てしまって、人がいないだけじゃなくて帰れない
んです。帰ろうとすると道が分からなくなるんです。僕はどうしたらいいですか?
どうしたら帰れますか? 教えてください! 」
そんな事を聞かれたって俺がそんな事知っている訳がない。どうしてここんな所
に居るのかさえ分からないのに、何を知っているというのか? こっちが教えて
欲しいぐらいなのだ。
「お前の家はここから近いのか? 」
「そのはずなんですが、どうしても家に辿りつかなくて……早く帰らないとママに
叱られるのに。こんなに何日も、連絡もなしとか絶対に叱られる」
どうしてそうなるのかは分からないが、こいつはこいつで大変なようだ。
大抵の親なら叱ったりなんかしないと思うが、そういう親ではないのだろう。
「帰らなくてもいいんじゃないか? そんな親の所へ帰らないといけない事なんて
ないだろ? 」
そんな言葉が出てしまったのは自分の気持ちが混ざってしまったからだろう。
こんな子供に言うべき言葉ではなかったかもしれない。
「どうしてそんな事言うの? 僕は帰りたいんだ。早く帰りたいんだよ! 」
だからそう泣き喚くのも理解出来る。
「それなら帰ればいいさ。今なら帰れるから帰ってみればいい」
でも理解出来ない事もあった。
「お前がそれを選んだんだから文句はいうなよガキ、これから起こる事は全部お前
の責任だからな! 」
「誰? 」
そう、突然現れたこの男がどうしてこんなにもこの子にキツく当たるのかが
理解できなかった。
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