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例えば、コーヒーを飲むように
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しおりを挟む「落としましたよ? 」
きっかけは手帳だった。
「お茶でもご一緒しませんか? 」
そんなナンパ師みたいな台詞に
「ええ、構いませんよ」
簡単に引っかかった尻軽女みたいな対応で始まったのだ俺達の関係は。
だからお互いの事を詳しくなんて知りはしないけど、それで十分だったのだ。
実際にそれで困った事などは何一つとしてない。
「そう言う事なら一度見てみますか? 」
そんな誘いに乗って俺がやって来た場所では既に男が棒に括りつけられていた。
*****
「どこでああいうのは覚えるんだ? 」
食事をしながらタマキに聞く。
「独学かな? まあ感覚的に分る部分もあるけど、結局は自分でやってみないと
分からない事の方が多いから、手探りでやっていくしかないんだ。まあそれが楽
しいんだけどね」
タマキは何でもないようにそんな事を言う。
「なるほどね」
俺はタマキの意見に賛同する。
何だってそうだとは思うけど、自分でやってみて新しい発見があった時の感動は
何とも言えない高揚感だ。そういう感覚があるからこそハマるのだろう。
明らかに手慣れていたし、今までどれだけ試して来たのだろうか? その研鑽
された結果があの無駄のない動きになっているのだろう事はよく分かった。
汚く汚す事なく壊したあれは実に見事だった。あれを見れた事はラッキーだった
と言うべきか、それともアンラッキーだったのか?
タマキの技術に魅了されてしまっていたのだ俺は。
「次の予定はあるのか? 」
だからそんなはしたない事を聞いてしまった。
「ははは。次か……まあその内に連絡するよ。いろいろと準備をしないといけない
ものだからね」
無計画にあんな事が出来る者なんて居るはずもない。
お預けをくらった気分ではあるけど、それでもタマキからの連絡を楽しみに
している自分がそこには居た。
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