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しおりを挟む「それで、聖女様になるには私はどうしたらいいの? 」
聖女になる事に決めた私は二人にどうするべきかを聞く。
当然、私にそんな知識なんてものがある訳はないのだ。
「そうですね、では私のおばさんの所へ行って聞いてみましょう。
きっと何か分かるはずですから」
「あんたのおばさんって一体誰よ? 」
ミシェルがマルに聞く。
「私のおばさんは修道女をしてまして、そっち関係には詳しいはずなんですよ。
だからまずおばさんの所に行ってどうすれば聖女様になれるのかを聞きましょう」
マルにそう言われてしまえば、行くあてのない私達は向かうしかなく
マルのおばさんがいる修道院へと向かった。
*****
修道院に着くと私達は大きな部屋へと案内され、そこでマルのおばさん
と対面する事となった。
「よく来たわね、マルグリット。貴女が来たって聞いて、一瞬耳を疑ったわよ。
それにしても立派になったわね、いつぶりかしら貴女の会うのは」
おばさんが一気に話してくるが、マルはさして反応をみせず
「ロコロンおばさん、聖女様になるにはどうしたらいいの? 」
さっそく本題へと移った。
「聖女様ね、まさかこんな日がくるなんて私、思ってもみなかったわ」
しみじみと言うおばさんはそこから何故か昔話を始めた。
*****
マルグリット・エヴァ・マリウスそれがマルの本当の名前である。
彼女の家系は代々、神に祈りを捧げて来た家系ではあったが彼女の家は
分家であったので、比較的自由に育った。
その為かマルの素行は非常によろしく無かった。
いくら何でも自由すぎたのだ、そんなマイペースな彼女に周りは
生ぬるい目を向けていたため、彼女がバーモス家へと奉公に行く事は
もめる事なく決まった。
*****
散々、昔のマルの悪行を語ったロコロンは言う。
「分かりました、これも神のお導きでしょう。
ついて来なさい、貴女が聖女になれるかどうか見てみましょう」
そうして私達は別の部屋へと行くとさっそく儀式が始まった。
何をしているのかさっぱり分からないが、これも必要なものなのだろう。
儀式が終わると、マルは水晶に手をかざした。
すると水晶の中から光が溢れ出したのだ
「腐っても分家ね。マルグリット、貴女は今日から聖女です。
これから、聖女として皆に尽くす事を誓いますか? 」
「はい! 」
高らかに響き渡るマルの返事。
こうしてマルはみごと聖女となったのだ。
そして私はミシェルに聞いた。
「ねえ、私は? 」
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