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そして天使がやってくる
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しおりを挟むトオルは腹が減っていた。だから何か食べたいと思ったが生憎お金がなかった。
ならば自分で作ってしまおうとも考えたが面倒臭くなって止めた。そして思いつ
くのだ、そういえば都合のいい能力があるではないかと! そして想像する事に
したのだ。
想像してごらん あのほっかほっかな食べ物を。
想像してごらん あのジューシーなおかずたちを。
想像してごらん あのおいしそうにかきこんでいる姿を。
想像してごらん あの満面の笑みを。
ほら、世界から憎しみ何て消えてしまっただろ?
違う違う、ついお腹がへり過ぎて世界平和とか考えてしまった。
いけない事だ、集中しなくては!
想像してごらん あの行列を。
想像してごらん あの我が物顔で道を占拠してしまう者達を。
想像してごらん あの待って居る間に間食をしている愚か者を。
想像してごらん あの後から来た友達を列に割り込ませている不届き者を。
ほら、世界が憎しみで溢れているだろ?
違う違う、ついお腹がへり過ぎて美食家の事を考えてしまった。
業突く張りだ、関わってはいけない!
想像してごらん あのほっかほっかな食べ物を。
想像してごらん あのおいしそうに頬張る姿を。
想像してごらん あの丼をおかずに丼を食べる事に罪悪感を感じていない姿を。
想像してごらん あの丼の最後の米粒までかきこんでいる様を。
ほら、丼音頭が始まるよ?
違う違う、ついお腹がへり過ぎて丼太郎の事を考えてしまった。
この物語はフィクションで、実在の人物・団体とは一切関係がない!
このままでは埒が明かないので素晴らしい方法を編み出した。
それは他人に出されたものをバレないように食べるという方法で、姿を見えない
ように出来る俺にはとても都合のいい食べ方で、つまみ食いともいう。
たまたま訪れた村、そこでは大勢での食事が常であり、誰もが食事に集中しては
居なかった。だから簡単につまみ食いが出来たし、自分の食べ物が減っていたと
しても気が付かないような者ばかりの場所だった。だからついつい居心地がよく
なってしまって長居してしまった。やはりトレーニングの後は肉を食べたいのだ。
その日はたまたま太ももの日で、だから逃げるのが遅れてしまったのは仕方がな
い事だった。確かに甘くみていたのかもしれない、この程度の負荷ならば大丈夫
だという過信があった。足が嘘みたいに重く動かなくて捕まってしまった。
「バレてしまっては仕方が無いな。願いを叶えてやろう」
ただの言い逃れでしかなかった。
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