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温泉が好き!
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しおりを挟む「クロヲがやられただと! 」
そこは魔王城の一室。
幹部たちが集まっていたその場へ入って来たロミダカルドの報告に私は驚きを隠
せなかったが、幹部達の反応は違ったものであった。
「何それ、偉そうに出て行ったくせに。全然大した事ないじゃない」
サティは皮肉をいい。
「まあその程度だったって事でしょ。大して強くもないくせに出しゃばるからこう
なる。簡単な答え合わせじゃない」
ロバ―はオーバーなリアクションを取って煽る。
「じゃあ次は俺が行くって事でいいよな? 多少は遊べそうだし」
スミスは自分の事にしか興味がなかった。
「はあ? 私が行くに決まってるでしょ! 馬鹿は休み休み言いなさいよ」
テーブルをはさみ、好き勝手に言う幹部達は当然のように椅子の座り方も自由で
あり、これが会議をしている光景だとはとても思えないような有様である。だか
らと言ってそれを咎める者も居ないのだ。
今はそういう所が面倒な時代であったがそんな事よりもこれから事を話し合う場
面であるから私は話を進める事を選択したというまでのこと。
決してクロヲが弱かったと私は思っていなかったし、今回も先陣を切ったのはあ
いつなりのアピールであった事は確かだが、そもそも私が選んだのだ。見ての通
りとりあえず文句をいうのが当たり前になっていて、その事を何とも思っていな
い世代のこいつらを私は信用していない。
それなりの家の出であり、能力も申し分ないこいつらではあるがどうも信用しき
れなかった。これも世代の違いが関係しているのかもしれないが、こうも違うも
のなのかとあまりのギャップに驚かされることも多かった。きっとこいつらにと
って私は大した存在ではないのだ、それが魔王なのだとしても。
「それで、勇者は何処まで侵攻してきている? 」
「勇者は死にました」
相打ちという事なのだろう、それならばそう言えばいいのに。どうしてクロヲが
死んだ事をまず言うのだろうか? 順番がおかしいくはないだろうか。そういえ
ばこいつも世代が違っていたかもしれない。
「何だ、相打ちか。多少の役には立ったという事だろうな」
「まあ最低限はやったって感じでしょう。でも死んじゃあねえ」
「もうどうでもいいわ、死んだやつの事なんて」
確かにどうでもいい、こんな会話に何の意味もないのだから。
さっさと次の奴を決めてしまえばこの無意味な時間も終わるのなら決めてしまっ
た方がいい。この中なら別に誰だっていいのだが、まあ順番的にはサティにして
おくのがいいだろ。
「サティ、次はお前だ」
「やった! ほらね、私が先だったでしょ? 分かってる~」
そしてこの反応に私が怒らない理由はないのだが、間が悪い事にロミダカルドは
このタイミング情報を付け足した。
「あと、その場には変わった建造物が出現しましたのでお気をつけください」
「おい、変わった建物とはなんだ? 」
今はそっちの方が気になった。
「見た事のない様式の建物でした、流石に私ではどう仕様も出来ません」
そんなに堂々と言われても困るのだが、そう言う事を調べるのがお前の役割とい
うものだろうに。引き際を弁えているからなのか、やっつけ仕事なのか判断しず
らいのがいやらしい。
「他に情報はないのか? 」
だからせめて何か役に立つような事があればいいなと期待したのに、見事に裏切
られる。
「ありません」
なので現場でどうにかするしかなさそうだが、どうなる事やら。
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