恋愛倉庫

三原色

３

「それじゃあ私はここで」


「うん、じゃあね。楽しんできてね」


「嗚呼、もちろん。どうせなら二人も一緒に行かないか？　」


「いいよ私達は。荷物もあるしさ、じゃあまたね」


　そう言って食事を終えた私達は店の前でマリと別れた。
　私達は今日の戦果を持って帰宅、マリはこれからお気に入りがいるホストクラブ
　へと行くのだ。
　
　
「本当によく行くわよね？　何がいいのか私には全然わからないけど」


　二人の帰り道、きらりはそう言うが私はそこまで否定的ではないのだ。
　
　
「だって聞いた？　ちょっとつぎ込みすぎじゃない？　明らかに貢がされている
　わよあれは。そういう場所なのよホストクラブなんてさ、結局お金の為なら何で
　もやるようなやつらの集まりなのに、気持ち悪くならないのかしら？　」
　
　
「マリだって分かってて行ってるのよ」

　
　言いたい事も分かるがそれでもいいと思えるのなら仕方がない。


「でもさ、実際に自分の目の前で嘘をついている人間が居るのよ？　そんなのに
　耐えられる？　寧ろこっちが迷惑料を貰いたいぐらいよ」
　
　
　きらりにはマリの行動が理解できないのである。
　
　
「嘘つきと一緒にいて、しかもお金まで要求されてさそんなので何が楽しいって
　思えるのかがさっぱり分からないわ。嘘でも嬉しいとかさ、それが嘘じゃない。
　そんな訳ないわよ絶対。平気な顔して嘘を吐くような生き物に魅力なんてない
　し、気持ち悪いだけでしょそんなの。あんなのでよくイケるわよね」
　
　
　まあその辺の事は私はよく知らないし、個人の自由ではないだろうか？
　私的にはそれはそれで羨ましくも思えるのだ。それはある意味理想ではあるの
　だから。
　
　
「いいじゃない、本気なら問題ないんじゃない？　」


「どう考えたって問題しかないわよ！　本気とかヤバすぎよ」


　きらりはそう言うが、恋なんてものは大体そういうものではないだろうか。