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少女abc
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しおりを挟む「ご苦労だったね」
何とか依頼をこなした私達にオジサマが労いの言葉をかけてくれる。
私はそれだけで十分だった。オジサマに耳元で囁いてもらうだけで私は満たされ
るのだから、報酬なんてそれだけ……よくはない。
私、どんどん欲張りになっている。
「報酬はいつも通りに、ではまた」
そしてオジサマがそう言うと映像が消えた。
これでしばらくはオジサマと会う事が出来ないのは寂しいと思っているのは
私だけではないはずだ。みんなそう思っているに違いないし、同じ気持ちのはず
だと私は思っていた。
「これでしばらくは自由に出来るわね。疲れたわ今回の依頼は。もっと簡単な依頼
の方がいいんだけどなあ。オジサマはどうしてあんな依頼を受けたのかしら?
もっと気を利かせて欲しいわ」
まさかの発言だった。
バリギリスがそんな事を言うなんて信じられなかった。
みんなオジサマの為なら何だって出来るメンバーだと思っていたのに、そんな
オジサマを悪く言うなんて私はカチンと来たのだ。
「カッチ―ン。何よそれ。オジサマはいつだって私達の事を考えてくれているに
決まっているでしょ! それなのにそんな事、どの口が言っているの! 」
「何よ、面倒臭いな。別に悪くなんて言ってないし、アヴィは一々気にしすぎなの
よ。実際に今回はアヴィも疲れったって言っていたじゃない。少しくらいの愚痴
を言ったっていいぐらいには私達は頑張ったはずでしょ? 」
「だからって言っても良い事と悪い事があるわ。私達の今があるのはオジサマの
おかげなのよ、それなのにこの程度でそんな事をいうなんてありえないわ。
ここにいられなくなってもいいっていうの? 」
「そんな事は言ってない。そもそもアヴィは……はぁ。もういいわよ、これ以上続
けても何の意味もないし、もう止めましょう。それに居られなくなるのだとして
もそれは私だけでしょ? 何の問題があるのよ、アヴィには関係ない話じゃない」
またこの子は、そんな事を言って。
関係ないなんてそんな事はない、そんな寂しい事を言わないで欲しい。
私は今のこの生活を、メンバーを気に入っているのだ。
だからこのままで居たいのだ、ずっと。
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