142 / 425
これが恋だとか愛だとかではないのだとして
2
しおりを挟む感情の起伏なんてものが私にもあって、それで一番の覚えているのは子供の時に
行った遊園地だった。今までそんな場所になんて行った事がなかった私にとって
のその場所は本当に夢の国みたいな所で、ただその場に居るだけで何故だか心が
弾んだ。
いろんな乗り物に乗ったし、あの時に食べたあのよく分からない塊は何か分から
なかったけど美味しかった。それは特別な時間だったのだ私にとっては。
「いいの? 」
「いいよ。買って来るからちょっとここで待っててね」
そう言って母親がアイスクリームを買いに行き、待っている間私は次に何に乗る
のかをいろいろ想像していた。想像は膨らみ大きくなって行くのは特別な事では
なくて、今まで抑圧されていたからこそだったのだろう。
本来ならこんな所へ来るような家族では無かった。
当たり前のように生きて来たが自分が他と比べて決して裕福ではないという事が
当時の私にも理解出来ていたし、だからと言って自分ではどう仕様もないから
母親に強請ったって歪な顔をされるだけだった。
だから自分のやりたい事が何でも出来て叶ってしまうそんな今日があまりにも
嬉しくて嬉しくて私の頭の中のドーパミンが溢れかえっている状態だったから
ずっと気付けなかったのだ、おかしい事に。
こんな事があるはずがないのだ。
私はずっと待っていた。
ずっとずっと待っていたが母親が戻って来る事はなく、夢の時間の終わりは
知らない大人に告げられた。
「一人? 親はどうしたの? 」
そんな事を言われたって私には意味が分からない。
ここで待っていればアイスクリームを持って母親が戻ってくるはずだった。
それからまだ他の乗り物にも乗って、そんな夢の時間が続くはずだったのだ。
だから私は何も答える事が出来なかった。
唯一の家族に捨てられた私が人を信じるなんて事が出来るようになる訳もない。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる