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ドリーマー
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しおりを挟む「結局こうなるのよね」
私は手紙の封を切った。
中から取り出した便箋の一枚目は適当に読み飛ばし、本題の二枚目に目を通すと
そこには予想通りの言葉があった。
婚約破棄を告げるその一文を見て私は自分が立ったまま手紙を見ていたという
事実に気付いてとりあえずベットの上に座った。
「ふう」
少し落ち着いた私は天井を見上げた。
分かっていた事ではあったが流石にもう何度目だっただろうか?
こればかりは何度経験しても慣れないのものだと思う。
それでこれから私はどうするべきなのだろうか?
確か手続きがあったはずではあるが流石にそんな気分にもなれないから気分を
変える為にタバコに火を付けた。
一服。
確かに頭はスッキリした感じがしないでもない。
だからといって動く気にもなれなかったが煙がだんだん部屋の中を満たして行く
ので窓を開けた。
「あっ! 」
「よっ! 」
丁度外を歩いていた幼馴染と鉢合わせする。
どうやら彼を家に迎え入れないといけないらしい事は分かったので私は仕方なく
彼を家へ上げた。
「暑いよな~」
彼はそう言いながら勝手に冷蔵庫を開けて中を覗き込み、勝手に取り出して
ジュースを飲む。最初のうちは文句を言っていたがそれに何の意味もないという
事が分かってからは何も言っていない。別に省いてもいいのだ。
「それで、何があったんだ? 」
彼の質問に私は仕方なく答えるのは省く事が出来ないからだ。
説明しない事には物事は進まないのである。そもそも物分かりがいい方ではない
彼だからこそ省けないのだけど、正直面倒だとは思っている。
そもそもこうやって私が説明していても既に興味を失くしている相手に話続ける
というのはどうにも疲れる作業なのだ。そう、これは作業である、だから私は
不意を突かれたのだ。
「じゃあ俺と結婚するか? 」
なんだそれは? そんなの今まで聞いた事がなかった台詞だぞ?
もしかして……ついに当りを引いたのだろうか?
今までにない展開に私は心を躍らす。
これでやっとここから抜け出せるかもしれない。
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