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ドリーマー
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しおりを挟む何度も同じ日を繰り返していると気が付いた時は驚いた。
でも別にそれを不便には思わなかったのだ、俺は。
だって毎日がそんなに目まぐるしく変わる人生を歩んでいなかったから。
今までと何も変わりはしない。
毎日同じことの繰り返しである。
それに飽きるとかそんな感情は存在しない。
だってそんなものだろ? 人生なんて。
だからずっと同じ事を繰り返していた。
何も考える事などなく、ただ同じ事をする毎日に俺は不満などなかった。
そのはずだったのにどうして俺はあんな事を言ってしまったのだろうか?
確かに幼馴染である彼女との未来を思い描いた事はあったが、それは子供が見る
夢の話そのものだった。それは叶わないものであって叶ってはいけない事だった
のだ、俺にとっては。
自分で自分のした事が理解出来ない事なんてあるのかと一番驚いたのは自分自身
で、動揺していた。だから行動の何もかもが遅れた。
そして彼女の返事はノーだった。
『そうか、ならこのままでいいや』
そう考えが至ったら世界はまた今日を繰り返した。
きっと俺は何かを間違えたのだろう。
彼女と結婚なんて出来る訳もないのに、そんな夢みたいな事をしようとして
しまったら当然のようにまた戻されるに決まっているではないか。
なんというミス。なんというドジ。
でもこれで俺がもう間違える事なんてない。
夢を思い描いたりなんてしない。
あんな恥ずかしい事なんて一回だけで十分だった。
今日も俺はまた彼女の家に行って彼女が婚約破棄をされたという話を聞き、
そして何も言わずにただジュースを飲んで帰って来るのだ。それが俺のここでの
役割なのだと思っていた。
「ねえ、私と結婚する気ある? 」
だからそんな事を彼女の口から聞けた時、俺はこれが夢なんじゃないかと思った
のだ。それならばすぐにこの夢から覚めないといけない。
「もちろんあるさ」
そして俺は夢から覚める呪文を唱えたんだ。
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