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恋愛評論家
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しおりを挟む「貴女の恋愛は30点ですね、そんな事では結婚なんて無理。夢のまた夢です」
テレビをつければ恋愛評論家なる人物が他人の恋愛にあーだこーだと勝手に点数
をつけていた。すべて自分の価値観なのだろうが、それを有難がっている人達が
いるのもまた事実だし、そのおかげで私達の所へ人が来るのだがらまあ強ち間違
っていなのだろうと思う、この恋愛評論家なる人物の価値観は。
「あ、すいません。今準備しますね」
今日はビリアンカ先輩と私の家で宅飲みする事になったのだが、ついついテレビ
を見てしまっていた。
「別に適当でいいわよ? どうせ二人だけなんだし」
先輩はそう言ってくれるが、流石に買って来たものをそのまま出すなんて事を
出来る訳もない。私は丁度いいお皿を探していた。こういう時に限ってなかなか
みつからない、邪魔だからと何処かにしまった事は覚えているがそれがどこなの
かが分からないという始末だ。
誘ったのは私だが、正直本当に来てくれるなんて思っていなかったのだ。
だってうちで一番の稼ぎ頭、エースオブエースのビリアンカ先輩がまさかこんな
ぺいぺいの後輩の誘いに乗ってくれるなんて思っていなかった。いつも仕事が
終わるとすぐに帰ってしまうし、近寄りがたい雰囲気を感じていたけど意外と
気さくな人なのかもしれない。
「すいません、お待たせしました」
私が料理を持って行くと先輩はテレビをじっと見ていた。
やはりこういうのはチェックしているのだろうか?
「ありがとう。じゃあ乾杯! 」
「はい、乾杯! 」
グビグビと先輩は一気にグラスの半分くらいを飲み干す。どうやらお酒も強い
ようだった。
「どうぞ先輩、どんどん食べちゃってください」
「うん、頂くわ」
先輩は手羽先をワイルドに食す。何だか思っていたイメージと大分違う人だな
と思ったが、それは悪い意味ではない。それにしてもさっきからずっとテレビを
みているのがちょっと気になった。
「先輩はこういう番組とかはよくチェックしてるんですか? 」
「いや、全然。私、テレビとか見ないのよね。だから興味とかないのだけど、
このさっきから映っている人って有名な人なの? 」
「はい、そうですよ。最近はよく見ますね、恋愛評論家の人です。結構人気がある
人ですよ? 」
「へえ、そうなんだ。でもよくこんな他人に恥ずかしげもなく点数なんてつけられ
るわよね。自分は婚約破棄されてるのに、アドバイスだとか言われても説得力が
ないじゃないねえ? 」
「え? この人、婚約破棄されてるんですか? 」
「ええ、そうよ。だって今日文句を言いに来た20万の人よ、この人」
まさかの事実に私はテレビを凝視する。
恋愛相談の火付け役と言われるこの人がまさか婚約破棄されてるなんて、きっと
まだ誰も知らない事なのだろうけど、バレたらきっと大騒ぎになるのだろうな
と思った。
そしてまたその火の粉がこちらへ飛んで来る事もあり得る。
結局またこの人が火付け役なのかと思ったら世の中上手く出来ているんだなと
少し笑えた。でもまた新しい仕事を探さないといけないのは嫌だなと思う。
折角見つけたいい仕事だと思ったのに……
「ねえ、何してるの? 」
「転職先を探しています」
「え! 貴女、転職するの? 今日はそういう飲み会だったの! 」
意外な反応をする先輩に私は驚く。
別に悪い意味ではない。
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