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菫川ヒイロ

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ヒーローになった日

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 世界なんていつでも滅べばいいと思っていた。
 でも実際にはそんな事が起きる訳がない事を知っているから、
 必死に現実逃避しているんだ。
 
 
 一体、何がそんなにいいのかが分からない。
 こんな貧相な身体の何がいいのか?
 私に何を求めているのかも分からない。
 もう、何の感情もなかった。
 
 
 母親が連れて来た新しい男は一体どの時点で私の身内になるのかが
 私にはまったく分からなくて、いつまでたってもずっと異物でしかなかったし、
 人として認識する事すらも苦痛だった。
 
 
 母親が早く出かける日はいつだってそうだったから、前日からちゃんと薬を飲む
 ようにしていた。私に出来る事なんてそれくらいしかなかったのだ。
 
 
 私にとってはただの他人の男が同じ家の中に居るという現状が周りからは全く
 不自然だとは誰も思わないこの世界の仕組みは実にうまく出来ていると感心させ
 られるばかりで、きっと私の身に起きている事は世界が認めているのだと思って
 いる。
 
 
「これは当然の事なんだよ」


 男が私の耳元でそんな言葉をつぶやく。
 だから私もそう思う事にしただけだ。
 それくらい許されるでしょ? 
 そうじゃないと辛すぎるから。
 
 
 何もかもを無抵抗に受け入れているなんて事は絶対にないけど、
 それでもアナタ達にはそう見えるのでしょうね?
 
 
 これ以上私に戦えというアナタは今、何処に立っていますか?
 その安全な場所から何をしようとしていますか?
 私は今、犯されています。
 
 
 






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