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おめでたい人
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しおりを挟むトゥクトゥクトゥクトゥク
彼女のカラになったグラスに酒を注いだ俺は言う。
「もう一杯どう? 」
「別にいいわよ」
でも彼女の反応はいまいちだった。
たまになら羽目を外すのもいいと俺は思うのだが、彼女の真面目さがなかなか
そうはさせてくれないようだ。
彼女と付き合う事になってからどれくらいの月日が経っただろうか?
見た目からして生真面目な感じがしていた彼女とちゃらんぽらんな俺が付き合う
なんて事があるとは誰も想像しなかっただろうし、それは俺だってそうなのだか
ら案外デコボコが上手くハマったという事なのだろうか?
でも本当の彼女はその見た目とは裏腹に大胆だったし、俺と気が合うのは確かで
だからこそこうして付き合って居られるのだ。周りが意外そうに俺達の事を見て
いるのは知ってはいるがそんな事はどうでもよくなるほど俺達の相性はいいと
言える。
ただ不満があると言えばまあこういう所だろうな。
他人前だとそうそう自分をさらけ出すなんて事をしないのだ。
何がそこまで彼女を意固地にさせるのかは分からないが、まあ育ちとかそういう
のが原因なのかもしれない。
家柄とかがいいとそれなりに気にしないといけないというのも分からなくはない
のだが、でもそれって息苦しくないのか? なんて思ってしまうのは俺が庶民
だからなのだろうか? でもそんなものをぶっ飛ばしてしまって、結局は同じ
人間な訳だし、ありのままの自分で、彼女で居てくれればと願ってしまう。
一度きりの人生だ。
さらけ出して生きて行くべきだろう。
そんな彼女を俺は愛していける自信はあるのだ、例え周りがどう言おうとも
彼女へのこの気持ちは変わったりはしない。だから、
「今日ぐらいはいいんじゃない? 何も気にする事はないよ」
俺は彼女に酒を勧めるのだ。
「何よ、何が目的なの? 私がこれ以上飲んだらどうなるか分かってるでしょ! 」
もちろん分かっている。でもそんな事などどうとでもなるだろう。
俺が付いている訳だし、何も気にする事なんてない。
「それにこんなおめでたい席で私が暴れ回ったら大惨事でしょうが! 一生に一度
なのよ、披露宴だからって何でもありな訳ないだからね! 」
相変わらずの真面目な彼女の代わりに俺は酒を呷った。
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