恋愛倉庫

菫川ヒイロ

文字の大きさ
276 / 425
芽衣ちゃんは夢を見る

しおりを挟む





「ねえ、話があるんだけどいいかな? 」


 私はそう言って連れ出した彼女は相変わらず動じる事などなく、いつもと変わら
 ない笑顔を私に向けて来る。それだけで揺らぎそうになる心をどうにか落ち着か
 せながら歩く私はの心臓は全速力で走っている時のように脈打っていた。
 
 
 大丈夫だいじょうぶダイジョウブ、私は大丈夫。
 心臓が飛び出そうなくらいではあるが、気持ちだけでも落ち着かせる。
 そして私は彼女に聞くのだ、連れ出した踊り場で。
 
 
「ねえ、彼の事どう思っているの? 」


 率直に聞いた。
 回りくどいのは嫌いだし、私には向いていない。
 だから何も隠さずにノーガード戦法で戦いを挑んだ。
 根性で負ける訳にはいかない。
 
 
「お似合いだと思っているわよ? 」
 

 だからそんな彼女の思ってもいなかった方向からの攻撃に私は戸惑う。
 
 
「貴女と彼はお似合いだと思ってるって言ってるの。ずっとそう思っていたの、
 よかったわ、漸く貴女もその気になってくれたって事でしょ? 私、応援してる
 から頑張って! 」
 
 
 そして応援までされてしまった。
 何がどうなってこうなった?
 
 
「で、どうする? 早い方がいいわよね。今日にする? 」


 話はどんどん進んで行く。
 私が理解する間もなく進んでしまう話の終着点。
 
 
「ねえ、何の話してるの? 」


「告白に決まっているじゃない! こういうのはすぐの方がいいのよ。
 私がセッティングするから安心して、場所はどこか希望があれば言ってね」
 
 
「え、何で? 私が彼に? 今日なの? 」


「そうと決まればさっそく準備しないとね。まあ大丈夫だと思うけど、頑張ってね」


 そう言ってすぐに言ってしまった彼女に私は何も言う事が出来ず、
 放課後に何故か体育館裏に居る私。
 そして彼がゆっくりと歩いてやって来る。首をしきりに触りながら現れた彼に
 私は夢でも見ているのかと思ってしまう。こんな急展開に追いつけない私の頭。
 
 
 でも心は確かに動いていた。
 だから勝手に口に動いたのだ。
 
 
「ああ、待って! 俺から言わせて欲しいんだ。
 こういうのは男から言うべきだろ? 」
 
 
 そんな私の知らない彼の男らしさに惚れ直した。
 
 






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...