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ヴぁんぱいあ
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しおりを挟む日差しがやかましい。
そんなに照らしてくれなくてもいいのにと思った所で、無駄なおせっかいをして
来るだけなので日傘をさす事にした訳だが、とろけてしまっている指先では
なかなかに上手くさす事が出来ず、悪循環が始まろうとしていた。
「こうやって私は終わって行くのね」
独りごちながら日傘と格闘する私に焦りはない。
「あのう、大丈夫ですか? 」
こうやって声を掛けられる事を私は知っているから。
まあ当然と言えば当然の事ではある。
だって私の様な美人を放っておく男がいるなんて、そんな世界は存在しない。
だから私は当然のようにその男を使う。
まるでそうする事が当たり前のように日傘を持たせるのだ。
そのまだ名前も知らないその男を連れて私は待ち合わせ場所へと向かう。
男もそんな私に付き従い、太陽から私を守るという大役を務めあげた。
「貴方はここで待っておきなさい」
「はい」
その覇気の無い返事が返ってきても私は何も無かったように頷いた。
店に入ると店員が寄って来たが彼が手を上げて私を呼んだので店員は引き下がる。
従順な子は嫌いではないのでウインクをしてあげた。
「彼は? 」
彼の位置からも見えたのだろう、私はその問いに答える。
「気にしなくてもいいわ」
そう彼が気にするような事では無いので私はきっぱりと言う。
「そうなのか……まあそうだな。何か頼むかい? 」
彼はもう次の事に意識を向けた。
私の意思が伝わってなによりである。
「いいわ、それよりも用ってなになの? 」
彼がわざわざ店にまで私を呼び出した理由を知りたかったのだ。
そして、早く、すぐに、さっさと、終わらして私は帰りたいのだ。
まあ、予想はついているのだが。
「急いでいるのかい? なら別の日でも」
「変わらない。今日でも明日でも明後日でも何も変わりはしないわ。
だから早く言いなさいよ、ほら」
そして彼は私に言った。
戸惑いながら、訝しがりながら、口にする。
「俺と結婚してくれ」
「嫌」
即答だった。
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