恋愛倉庫

菫川ヒイロ

文字の大きさ
382 / 425
お前しかいない

33

しおりを挟む





 あれ? 何か違うぞ? 俺が思っていたのとまったく違うぞ?
 もっとこう俺を褒めてくれていんだぜ? 俺の演技は最高だろ? 
 
 
「さすが演劇部で主役張ってただけの事はある! 」


 とか言って、もっともてはやしてくれていいのに
 どうして誰も何も言わないのか?
 何だその目線は止めてくれ、俺をそんな目で見るな!
 俺に向けるべきはもっと称賛や憧れの眼差しだろ?
 
 
 なにどうしてこうなったんだ、こんなはずじゃあ無かったのに!
 
 
 
 
 *****
 
 
 
 
 その日、俺はある噂を耳にしたのだ。
 何でも映像部が役者を探しているというのだ。
 あれほどの役者がいるにも関わず、どうして今更と思ったが
 映像部には男の役者が居らず、次の作品には必要らしい
 
 
 そして、
 
 
 渡辺千里に負けないくらいの演技が出来る事が条件だという。
 それを聞いた時、俺は運命だと思った。
 なにせ、俺はちょうど演劇部を辞めた直後だったからだ。
 
 
 やる気のない部長に嫌気がさした俺は演劇部を辞める事にして
 映像部へ入ろうと思っていた所にこの話が舞い込んで来たのだ。
 これは運命としか言いようがないだろう。
 
 
 この次世代のスター、小暮洋しかその役目を果たせる者はいない。
 だから俺はその情報元をたどって行った。
 そして、三田村という男に行き当たる。
 
 
 三田村は色黒で関西弁を話すやつで、正直苦手な部類の奴ではあったが
 ここは仕方がない、神が俺を導いたのだから。
 
 
「三田村君、映像部が役者を探してるって聞いたんだけど、本当? 」


「ん? 嗚呼、ほんまやで。なんや君、ええ人知ってるんか?
 知ってるんやったら教えてくれへんか? 」
 
 
 三田村はそんな感じで、まるで昔からの知り合いのように話しかけて来た
 ので、俺もついついそんな気になってしまう。
 
 
「俺だよ、俺。元演劇部の小暮洋が適役でしょ」


「なんや君かいな、そうかそうか。小暮君言うんか、で、実績は? 」


 三田村は俺を値踏みしてくる。


「一応、この前の舞台は主役をやったよ」


「そうかいな、それはすごいな。でもなんで映像部なんや?
 演劇部で主役張ってたんなら映像部に行く必要はないとちゃう? 」
 
 
「それは、まあ、あれだよ。もっとうまく成りたいからだよ。
 最近の演劇部は生ぬるくてね」
 
 
 俺はそれらしい理由を言ってみた。
 
 
「じゃあちょっと映像部の人を呼んでくるから、待っといてな」


 三田村はそういうと何処かへ行ってしまった。
 
 




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...