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お前しかいない
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しおりを挟むあれ? 何か違うぞ? 俺が思っていたのとまったく違うぞ?
もっとこう俺を褒めてくれていんだぜ? 俺の演技は最高だろ?
「さすが演劇部で主役張ってただけの事はある! 」
とか言って、もっともてはやしてくれていいのに
どうして誰も何も言わないのか?
何だその目線は止めてくれ、俺をそんな目で見るな!
俺に向けるべきはもっと称賛や憧れの眼差しだろ?
なにどうしてこうなったんだ、こんなはずじゃあ無かったのに!
*****
その日、俺はある噂を耳にしたのだ。
何でも映像部が役者を探しているというのだ。
あれほどの役者がいるにも関わず、どうして今更と思ったが
映像部には男の役者が居らず、次の作品には必要らしい
そして、
渡辺千里に負けないくらいの演技が出来る事が条件だという。
それを聞いた時、俺は運命だと思った。
なにせ、俺はちょうど演劇部を辞めた直後だったからだ。
やる気のない部長に嫌気がさした俺は演劇部を辞める事にして
映像部へ入ろうと思っていた所にこの話が舞い込んで来たのだ。
これは運命としか言いようがないだろう。
この次世代のスター、小暮洋しかその役目を果たせる者はいない。
だから俺はその情報元をたどって行った。
そして、三田村という男に行き当たる。
三田村は色黒で関西弁を話すやつで、正直苦手な部類の奴ではあったが
ここは仕方がない、神が俺を導いたのだから。
「三田村君、映像部が役者を探してるって聞いたんだけど、本当? 」
「ん? 嗚呼、ほんまやで。なんや君、ええ人知ってるんか?
知ってるんやったら教えてくれへんか? 」
三田村はそんな感じで、まるで昔からの知り合いのように話しかけて来た
ので、俺もついついそんな気になってしまう。
「俺だよ、俺。元演劇部の小暮洋が適役でしょ」
「なんや君かいな、そうかそうか。小暮君言うんか、で、実績は? 」
三田村は俺を値踏みしてくる。
「一応、この前の舞台は主役をやったよ」
「そうかいな、それはすごいな。でもなんで映像部なんや?
演劇部で主役張ってたんなら映像部に行く必要はないとちゃう? 」
「それは、まあ、あれだよ。もっとうまく成りたいからだよ。
最近の演劇部は生ぬるくてね」
俺はそれらしい理由を言ってみた。
「じゃあちょっと映像部の人を呼んでくるから、待っといてな」
三田村はそういうと何処かへ行ってしまった。
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