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しおりを挟むギロミは自分が弱い事を知っていた。
強さこそが全てのこの世界で、自分の立ち位置が上でない事に納得はしていな
かったが、理解はしていた。
だからギロミはどうにか折り合いをつけてやってはいたが、残念ながらそれは
続かなかった。
ギロミはずっと考えていたのだ、子供の頃からずっと。
強者に潰され、付き従いながらも自分がどうすれば上に立てるのかを、
そのてっぺんである魔王になる方法を。
子供なら誰もが憧れ、夢を見る。
自分が魔王になったのならという夢を、そしてそれは簡単に打ち砕けるのだ。
確かに強さは素晴らしい。
それに魅了されない魔族などいないだろう。
誰もが憧れるその場所にどうにかして自分は立てないものかと考える。
そして諦めるのだ、自身よりも強い者に出会ってあっけなく潰える。
それが一般的な魔族の人生であり、生き方だ。
そうして一握りの魔族だけが魔王になる事を許される。
でもギロミは諦めなかった。
確かに自分は弱い。でもだからといって自分よりも強い奴らより自分が劣って
いるとは思えない。要はやり方だ。やり方しだいで自分も魔王になれる。
ギロミは何故かそう確信していた。
そんな思い込みのようなものがギロミを魔王へと導く。
自分が強くなるのはもう限界が見えている。でもそれでいい。奴らが強く成ろう
している間にギロミはどうやって強い奴らを自分の駒にするのかを考えた。
そんなギロミの目に使役している魔物が写る。
要はこの魔物のように出来ればいいのだと考え方が、召喚するという方法へと
変わり、それを可能にする為の研究を始めたギロミは正解を出す。
戦いに敗れた魔族との契約による召喚。
そうして自身は戦わずとも魔王へと成る。
夢を叶えたギロミの次の夢は世界征服。
まだどの魔王も成し遂げた事のないそれさえも成し遂げてしまった。
「はははははは。あっけないものだピコ。次は何をするピコ? 」
ギロミが次の夢を考えている所へ誰かがやって来た。
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