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しおりを挟む「何だピコ? お前は……、まだ居たのかピコ」
ギロミはそいつの事を思い出すのに少し時間がかかったが思い出した。
そいつはギロミの計画の中で唯一のイレギュラーであった。
計画では召喚するのは5人のはずだったが、何故か6人が召喚された。
だからそれぞれの適性を調べさせれば、5人は望んだ通りだったが、コイツだけ
は眠るというよく分からない適正であった。ギロミは自分が何か失敗したのかと
気にはなったが、結局はこいつを使っての召喚者を強くすつ計画はうまく行った。
だから、召喚者達を送り出してしまえばもはや興味がなくなってしまっていたし、
それにもうとっくに処分されたと思っていたので、まだ居た事を今知る事となっ
てしまった。
放っておいても何か害がある訳でもないが、何か使える事があるのかと聞かれる
とこれと言って何も思いつかなかった。
「面倒だが、始末するピコ」
ギロミはそう決めて次の事を考えようとしていたが、それは叶わなかった。
ムロの攻撃によってギロミはもう死んでしまったからだ。
ただ、本人はその事に気づいていたのかはもう分からないが……
*****
まさに瞬殺であった。
相手が油断していたという事情もあるが、ギロミはそもそもそこまで強い魔族
ではなかったからだ。
「お見事! よくやったぞムロ! 」
グルコは褒めてくれたが、ムロにはその実感がない。
あまりにもあっけない最後にムロは本当にギロミが死んだのかが分からず
もう一撃加えようとするとグレコに止められた。
「待て待て待て待て。何をしようとしているんだムロ。そいつはもう死んだぞ?
これ以上は必要ないし、これ以上やったら肉体が無くなってしまう。止めろ」
ムロは何だかもやもやしていた。
こいつの所為で自分がどれだけ苦しんで来たのかを思うと、こんな事ぐらいでは
満足できなかった。
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