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2章 学園編
36話「身体全体に力を漲らせろ。」
しおりを挟むカルマ兄さん。
一体どうしたんだ?
確かに入学してからというものの、会話は減ったような気はしていたけど、それ程までに思い詰めていたのか?
どちらにせよ、今のままだと俺も気を引き締めないと身が持たない。
身体中に魔力を巡回させる。
「行くぞアル!」
まただ!カルマ兄さんの姿が消えた。
俺はその瞬時にその場から飛び退く。
だが今度は真上にじゃなく足が付く位置で。
するとカルマ兄さんの姿が飛び退いた場所に現れる。
その間は1秒と弱。
やっぱりだ。何らかの魔法で瞬時に移動してる。
またカルマ兄さんの姿が消える。
それが分かれば話しは早い。
またその場を飛び退くと、カルマ兄さんがその場に現れる。それと同時に俺は前に踏み込み、カルマ兄さんに拳を打ち込んだ。
バシィ!!
またもやカルマ兄さんに片手で受け止められる。
「流石No. 1と言われるだけあって頭の回転が速い。もうカラクリに気づくとはなっ!!」
カルマ兄さんはフックを繰り出してらきたが俺は身体を屈めそれを避けると、今度はアッパーが飛んでくる。
それを俺は仰け反り避け、そのままバク転するかの様に足を蹴り上げる。
だがそれはカルマ兄さんも仰け反る事で交わし、一度俺とカルマ兄さんの間が開いた。
この魔力を身に纏った状態でも五分?いや攻撃を受けられているからカルマ兄さんの方が少し上か。
「アル。スピードは大したものだが、動きは素人のそれに近いな。」
分かってますよ。場数に関してもカルマ兄さんの方が断とつ上だ。
「だけど、同じリングで戦う必要は俺のには無い。」
魔力を更に身体全体に張り巡らせる。
今の魔力量で足りなければもっと上昇させればいい。
やった事は無いけど、何もしないよりはマシだ。
「うおぉぉ!」
全身に力を漲らせる。
するとブオウ!!!と身体から闘気のような波動が巻き上がり バチバチと自分の周りで気が雷の様に弾ける。
イメージでいえば、かの有名なドラゴ◯ンボールみたいな状態だ。
実際、魔力を更に注げばそんな感じになるかもと思っていたが案の定、近い物になった。
まぁでも髪は金髪にはなってないけどね。
「どこまでも、天才ってやつは‥。」
カルマ兄さんは呆れる様な表情をしたが、また姿を消し、瞬時に俺の真後ろに現れた。だがそれと同時ともいえる速度で俺は地を蹴り、またその場を離れ様とすると、
思った以上のスピードで身体が動き、あっという間にカルマ兄さんから50メートル程離れてしまった。
それに加えてカルマ兄さんは俺の速度を認識出来ておらず、まるで姿を見失ったかの様に辺りを見渡した。
そして俺を確認するとすぐに歯を食い縛りまた突っ込んで来て消えた。
何の魔法かは知らないけど、原則として、移動できる距離も20メートル圏内だろうか?
これまでの戦いで、頭を回転させながら戦う事が徐々に慣れて来ていた。
そしてまたカルマ兄さんが消えたと同時に俺はその場遠くを離れ、カルマ兄さんが現れたと同時に後ろへと周り込んだ。
その間は瞬き程の速さだ。
カルマ兄さんは俺が背後に回った事に反応しようとしたが、俺がカルマ兄さんの背にダガーを突きつける方が早かった。
カルマ兄さんはフッと笑い、手を挙げた。
「‥降参だ。」
===== ====== ====== ====== ===
こんな感じの展開になりました。
ですが次回はまた展開を動かしていきます。
次回もカルマ兄さんが出ますので引き続きお楽しみ頂ければとても嬉しく思います。
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