異世界騒動記。「さて、一丁やる気だしますかね‥。」

桂木 鏡夜

文字の大きさ
6 / 15
一章

五話「頭をフル回転させろ!」

しおりを挟む
 手始めに俺は入り口付近に向かう。

 そこでテントを抑える為の木で出来た杭に巻きついた紐を急ぎ取り、設置。

 そして俺は先程風通し窓から見たミド僧の位置を確認し、僅かに逆光の為、自分の影がテントに映らない様距離を置き、ミド僧が居るであろう場所に槍を投げつけた。

「ギュエ!!!」

 テントは薄い布で作られていて軽く貫通は出来ると予想はしていたが、本当に綺麗に槍は布を貫いた。

 この槍は当たれば良しと言う思考だったが、中の騒ぎ様からして見事ミド僧を貫いた様だ。

「ギャギャギャキー!!」

 親玉中年親父が他のミド僧に指示を出し、思った通りミド僧が表に出ようとしたが、俺はその瞬間に入り口の横で杭に繋いだロープを引く。

 先頭に出てきたミド僧がそれに足を取られ、前に勢い良く倒れ込む。

 その隙に俺は倒れ込むミド僧を踏み無限収納インベントリから取り出した錆びた剣を二番目に出て来ようとしたミド僧の顔目掛けてバットを振るかの如く叩きつける。

「グキャ!!」

 紫色の血が飛び散り、やはり切断は出来なかったが、そのままめり込んだ剣を無限収納インベントリに収納した。次に先程ミド僧から回収した、もう一つの槍を取り出し、踏み付けたミド僧の蔵が有ろう場所に的確に突き刺す。

 「グキャァ!」

 ここで終わたい所だが、二番目が残っている。剣で突き刺すのも良いが3番目が迫ってくると厄介だ。再び槍を無限収納インベントリに収め、素早く取り出し真正面のミド僧目掛けて突き刺した。

「グキャー!!」

  その流れでミド僧を貫いたまま中に押し入り、槍を無限収納インベントリに収納。そして真横で倒れるミド僧に突き刺さった先程の槍を回収して、親玉中年親父目掛けて地を蹴った。

 親玉中年親父は直ぐに剣を抜き取り、俺の槍を弾いた。

 やはり他のミド僧とは違い、体格もある所為か動きは早い。

 だが、ここで物怖じしたら此方が殺され兼ねない。

 弾かれたと同時にもう一本の槍を無限収納インベントリから取りだし片方の手で、親玉中年親父の身体を貫いた。

「グギ!」

 だが身体を捻られたのか、貫いたのは肩だ。まだ致命打には至らない。

 俺は突き刺さる槍を手放し、弾かれた槍を再度収納。
 そして飛び上がり今度は錆びた剣を取りだし親玉中年親父の真上から振り落とす。

 だが親玉中年親父は片手に持つ剣で俺の攻撃を防ぐ。

 ガキィィン!!

 その衝撃で俺の錆びた剣は折れ、俺の状態は親玉中年親父の真下に潜り込む形になる。

 5日間だが愛用していた為、愛着も湧いていたがそれも計算の内だ。

 再び俺は槍を取り出し、真下から親玉中年親父の身体目掛け槍を突き立てた。

 ザシュ!!!

 親玉中年親父は流れる様に崩れ落ちる間際に俺は驚き目を見開いた。

「ば、‥バカナ。話ガ‥チガ‥ウ」

 喋れたのか!?

 ドサッと親玉中年親父は地に倒れ込んだ。


===== ====== ====== =========

もう少しで一章が終わります。

 お付き合い下さい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...