この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku

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93台所市場

この国の王都の台所市場は実に豊かだった。
様々な生鮮食料品が国内はおろか海外からも送られてくる。アドラスはその活気に満ちた様子をあじわうのが大好きであった。生きているって実に実感するのである。それは無論いい意味であった。
アドラスの足は一軒の果物の屋台の前で止まった。

「いらっしゃい!」
元気な掛け声の挨拶がアドラスを出迎える。
年のころはアドラスとそう変わらないこの店の看板娘ロキシーが、今日も元気にアドラスに挨拶する。

「 おや、またジャムづくりかい、アドラスちゃん」
店の女将ロキシーの母リリーがアドラスに声をかける。

「うん、そう、何かこの季節に適したジャムにできる果物はないかな」

「そうだね、このリンゴはお勧めなんだが、リンゴはこの前作ったから他のを希望しているんだね?このマルーネもなかなかジャムづくりにはお勧めだよ、この時期においしい柑橘系でね、南部の辺境領で作られている果物だよ、甘酸っぱい味でなかなかお勧めだよ。
今年はマルーネが豊作とかでお値段も安いよ、どうだい、おいしくて懐にも優しいマルーネで一つジャムを作ってみちゃ。」

「作り方は難しいの?僕マルーネでジャムを作ったことがないんだ。」

「それなら心配いらないよ。ほら、ジャムづくりを書いたパンフレットをつけるからね、」

「パンフレットいくら?」

「無料だよ、サービスだよ」

「わー、おばさんふとっぱらー」

「あははは、おだてたってなにもでないよ、でもね、マルーネの実は一つサービスにつけようかね、これからも家をひいきにしておくれよ」

「はい!」

「毎度ありー!」
元気なロキシーの掛け声にアドラスは手を振ってこたえた。 
買い物袋に山盛りとなったマルーネの実を抱え込み、アドラスはマルーネを袋ごと空間バッグにほうりこんだ。アドラスは他に買うものはないかと市場を見て歩く。
「そういえば・・・・・・・」
アドラスはふと気づいた。
前世日本では昔懐かしい干し芋って転生してから見てないな。
さつまいもはあるのに干し芋がない。
「なぜだ?ただ芋を蒸してスライスして風に干して作るだけなのに、なぜ干し芋がないんだ?」

<なければ余計食べたくなるのが人情というもの・・・・・作るか?となるとサツマイモが必要になるな>
アドラスは野菜を売っている店で、丸々と肥え太ったおいしそうなサツマイモをドサッと買い、これも空間バッグに放り込んで、足取り軽くその日家路についたのだった。




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