神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました

土広真丘

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第1章

49.邪神の事情②

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『初めは僕も納得していた。霊威が弱ければ無能扱いされてもおかしくはない。だが……段々と違和感を感じ始めた。確かにこの世界は霊威至上主義だが、神が全面的に認める気を持つ者に対して、さすがに侮蔑が過ぎるのではないかと』

 悪神にすらはっきりと言われ、ダライとネイーシャは今にも倒れそうになっている。フレイムがそら見たことかと言わんばかりにふんと鼻を鳴らした。

『それに、神使選定では被選定者の精神や人格も考慮されるから、気が美しいというのは大きな加点要素になる。なのに姉は、お前など神使に選ばれるはずがないと何度も言われていた。判を押したように霊威が弱いと繰り返されているばかりで、気が綺麗だという話題は欠片も出ない。おかしいと思ったよ』

 聖威師たちの目が険しい。フルードが普段と打って変わって冷ややかな目で、ダライたちを睨んでいる。

『どういうことだろうと、色々な可能性を考えた。そして、その中の一つとしてある推測を出した。もしかしたら、

 ……実際はそれ以前の問題で、神託そのものが届いていなかったわけだが。
 黙って聞いていたフレイムが言った。

「つまり……アマーリエを他の神に会わせて気がどう見えるかを確認してないから、その美しさに気付いてないんじゃないかってことか?」
『ああ。もしそうなら、僕の基準が他の神と違っていることも分からないから、僕たちが悪神だとは気付いていないだろう。……といっても、この推測は数ある可能性の一つに過ぎない。もう少し調べてみようかと思った』
「何でわざわざ調べるんだよ。神威で過去を視れば一発じゃねえか」

 ラミルファはフレイムのように神格を抑制しているわけではない。色々と憶測を巡らせずとも、過去視をしてしまえば何がどうなって今の状況になったのか分かるはずだ。だが、返事は否だった。

『天界も今はピリピリしている。神々とて良い神使を確保したいからね。神同士は結束が強いから、大きな問題までは起きていないが……ちょっとした小競り合いは発生し始めている。それもあり、天界では神威の使用をなるべく控えるようにという通達が最高神から出た。君が地上に降りた後のことだ』

 そして、ラミルファが本格的にサード家の面々に疑問を持つようになったのも、通達が出た後だったのだという。

「は? マジか……。神使選定の開催は失敗だったんじゃねえか。神使の割り当てで色んな神がぎゃあぎゃあ言うから、最高神たちがイラッとして、じゃあ自分たちで決めろって言い出したのが最初だったよな」

 フレイムが天を仰いで言い、それを聞いたアマーリエも遠い目になった。どうやら、神々の世界も色々とあるようだ。

『まだ初回だ。今後改善していく余地はある。……まあそういうわけで、余計な神威は使わない方がいいと思ったのだよ。だから過去視はせず、レフィーとその周辺を遠視するだけに留めていた。それに、せっかく見付けた愛し子を早く手に入れたいという思いもあった。だから機を見てレフィーに接触し、仮誓約を結んだ。姿は見せず声だけを下ろして』

 ミリエーナがラミルファの容姿を伝え聞いており、かつ悪神ではないかということに思い至っていることを想定し、姿を見せなかったのだろう。無用な心配だった訳だが。

『結果は上々だったよ。我が愛し子は何の疑いもなくコロリとこの手に転がり込んで来てくれた。これで聖威師も手が出せない』
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