176 / 605
第2章
73.その頃の大神官たち
しおりを挟む
◆◆◆
「……無事に片が付いたようだな」
アマーリエたちの様子を視ていたアリステルが呟く。愛し子大好きスイッチが入ったフレイムとフロースにより別の問題が発生してはいるが、それに関しては触れない。
『アマーリエの成長速度の著しきこと。リーリアの対処振りも初陣とは思えぬ。今後のさらなる飛躍が楽しみであるな』
ゆるりと唇に弧を描くのは、両腕で肘を抱える姿勢で佇むラミルファ。ただしその姿は、アマーリエが知る白髪灰緑眼とも骸の姿とも異なっていた。
「こちらの仕事はとうに完了していたのに、彼女たちに経験を積ませるために出て行かないとは。他の聖威師たちにもそのようにして欲しいと頼んでまで……」
才能と熱意はあっても経験が不足しているアマーリエと、つい先ほど聖威師になったばかりのリーリア。この二名には重荷だっただろうと、暗に抗議している。
「彼女たちの主神が共におり、万全のサポートが受けられる状況であったことも加味しての判断だろうが。私たちも、万一の時はフォローできるように準備していたしな。だが……お前らしくないスパルタだな、フルード」
一つ一つ順を追って丁寧に教えていくのがお前のやり方なのに、と言われ、アリステルの隣に座っていたフルードは微笑んだ。
その衣の前面は真っ赤に染まっていた。先ほど喀血したためだ。優しい青に熾烈な意思が閃く。
「もう時間がありません。一刻も早く次世代を物にしなくては。神の寵児が聖威師として地上にいられるのは、人間として持っていた寿命の年数期間だけ。私の余生はもう尽きる」
「昇天期限は31歳から5年半延びたのだったな」
「はい。ですが寿命自体は変わっていません」
フルードが人間として持っていた天命は31歳。実親とガルーンに虐待の限りを尽くされ、若い身空で孤独死する定めだった。現在の彼はまさにその年齢だ。既に昇天の時期は来ている。
それでもまだ下界に留まっていられるのは、およそ5年半の月日を、天界にあるフレイムの領域で過ごしていたからだ。上記の期間は地上にいなかったため、特別に昇天期限に追加することになった。
しかし、それでも元々の寿命を過ぎた現在、精巧に擬人化した体には著しい不調が出始めている。本来であれば、この身は既に死んでいるはずだからだ。
――俺はお前を迎えに来たんだ。お兄様と一緒に天に還ろう、セイン
最高神たちからの密命を果たすために降臨したフレイムが、優しく手を差し伸べて言ったあの日が、人間としてのフルードに定められていた命日だった。
あの日を境に、体調は急激に悪化し始めている。
「その調子では、5年半の猶予を満了する前に限界を迎える」
「だから後継の育成を急いでいるのです。オーネリア様たちの寿命も程なく終わります。遠からず、聖威師の数は一気に減るでしょう」
「お前の息子と娘がいるではないか」
「それでも数が十分ではありません。あなたの子も神官になってくれれば良かったのですが」
「それは無理だ。私の子は、我が主神たる鬼神様との間にもうけた子たちだ。生まれながらの神であるため、聖威師にはなれない。今も鬼神様と共に天界にいる」
両親もしくは片親が神格を抑えていない神の場合、子も生え抜きの神として顕現する。そして、生粋の神は『聖威師』という状態になることができない。生まれながらの神なので、神以外の存在――例えば人間など――として持っていた寿命が無いためだ。
「分かっています。言ってみただけですよ」
「そもそも、今の体制が潤沢すぎる。過去を見れば、天威師と聖威師が帝国と皇国に一名ずつしかいなかった時代もあるだろう」
「しかし、現在は仕事が全体的に増え、個々の難易度も格段に上がっています。高位神の神器が頻繁に暴走しますから、通常の聖威師であれば鎮め切れないでしょう」
属国や地方に配備されている、『神器を鎮めるための神器』では対処不能なレベルの物が狂うのだ。必然、聖威師が出なければならない。
「それは目覚めの刻限が近付いているからだ。神威の鳴動に神器も反応している。世界が岐路にぶつかる時は近い」
「ラミ様……その時まで、私の体は保つでしょうか?」
フルードは放っていた峻厳な意思を和らがせ、不安げに問いかけた。兄弟のやり取りを見守っていたラミルファが、常とは異なる色の双眸を向ける。
『際どいところだ。我が神威をもってしても、どちらに転ぶか見極め切れぬ。果たして間に合うか――五分五分と言えような』
気遣いを帯びた邪神の返しに、透き通った碧眼が下を向いた。
「次代に重荷を残して逝くことになるかもしれないとは」
胸中によぎるのは、絶世の美貌を持つ少女のごとき皇国皇帝秀峰。黇死皇と称され、黄白の天威を操る彼は、フルードを密かに指南してくれた神の一柱だ。澄み切った幻惑的な声が蘇る。
――フルード・セイン・レシス。時が来た際にそなたがまだ地上にいるか否か。それが世界の命運を分けるやもしれぬ。焔を宿すそなたの存在なくば、聖威師たちは重みに耐え切れぬであろう
「…………」
苦しげな表情で眉を寄せ、口元に手を当てたフルードが咳き込む。唇から滴り落ちて手のひらに溢れる赤い血潮。
『我が宝玉』
ラミルファがそっと背をさすると、海面の瞳が海底の眼を見つめた。
「アリステル。あなたは育ての親への復讐を行うために地上に留まっていたはず。報復が終わったならば、天に昇るのですか?」
「そのつもりだ。早く妻子とシスの元に行きたい」
人間としての寿命を使い切る前に、さっさと昇天する聖威師もいる。その場合、一度天に上った時点で、再び聖威師になることはできなくなる。例え寿命が残っていてもだ。ただし、神から天に招かれた時は例外で、用事が終われば地上に戻れる。だが、聖威師が自分の意思と判断で昇天したならば、再び戻っては来られない。
「……そこを曲げて、あともう少しだけ残留してはもらえませんか? 私たちと共に、次代を導いてくれませんか」
アリステルが無言で目を逸らした。拒絶ではない。宙を見て考え込んでいる。
「――検討しないこともない。だが私の寿命とて、後半年も残っていない。お前同様、虐待の果てに三十路前半で息絶える運命だった。地上に残るとしても、僅かな期間しかいられない」
「それでも良いのです。どうか……」
「……考えておく」
憂いを含んだ二種類の青が視線を絡ませ合い、すぐに離れる。
『狼神様は還られたか。愛し子の現状はお分かりのはず。気が気ではないものの、地上に留まれば逸る気持ちのまま強硬手段に出てしまうと自重なさったようだ。……セイン、この後はアマーリエたちの元に戻るのであろう。血痕を消しておかねばならぬ』
フルードの顔や衣を神威で綺麗にしてやりながら、ラミルファは微かな声で呟いた。
『近く目覚める。古の神々と――人間嫌いの神々が。怒りと共に目を閉じた神々は、定めし機嫌が悪かろう』
「……無事に片が付いたようだな」
アマーリエたちの様子を視ていたアリステルが呟く。愛し子大好きスイッチが入ったフレイムとフロースにより別の問題が発生してはいるが、それに関しては触れない。
『アマーリエの成長速度の著しきこと。リーリアの対処振りも初陣とは思えぬ。今後のさらなる飛躍が楽しみであるな』
ゆるりと唇に弧を描くのは、両腕で肘を抱える姿勢で佇むラミルファ。ただしその姿は、アマーリエが知る白髪灰緑眼とも骸の姿とも異なっていた。
「こちらの仕事はとうに完了していたのに、彼女たちに経験を積ませるために出て行かないとは。他の聖威師たちにもそのようにして欲しいと頼んでまで……」
才能と熱意はあっても経験が不足しているアマーリエと、つい先ほど聖威師になったばかりのリーリア。この二名には重荷だっただろうと、暗に抗議している。
「彼女たちの主神が共におり、万全のサポートが受けられる状況であったことも加味しての判断だろうが。私たちも、万一の時はフォローできるように準備していたしな。だが……お前らしくないスパルタだな、フルード」
一つ一つ順を追って丁寧に教えていくのがお前のやり方なのに、と言われ、アリステルの隣に座っていたフルードは微笑んだ。
その衣の前面は真っ赤に染まっていた。先ほど喀血したためだ。優しい青に熾烈な意思が閃く。
「もう時間がありません。一刻も早く次世代を物にしなくては。神の寵児が聖威師として地上にいられるのは、人間として持っていた寿命の年数期間だけ。私の余生はもう尽きる」
「昇天期限は31歳から5年半延びたのだったな」
「はい。ですが寿命自体は変わっていません」
フルードが人間として持っていた天命は31歳。実親とガルーンに虐待の限りを尽くされ、若い身空で孤独死する定めだった。現在の彼はまさにその年齢だ。既に昇天の時期は来ている。
それでもまだ下界に留まっていられるのは、およそ5年半の月日を、天界にあるフレイムの領域で過ごしていたからだ。上記の期間は地上にいなかったため、特別に昇天期限に追加することになった。
しかし、それでも元々の寿命を過ぎた現在、精巧に擬人化した体には著しい不調が出始めている。本来であれば、この身は既に死んでいるはずだからだ。
――俺はお前を迎えに来たんだ。お兄様と一緒に天に還ろう、セイン
最高神たちからの密命を果たすために降臨したフレイムが、優しく手を差し伸べて言ったあの日が、人間としてのフルードに定められていた命日だった。
あの日を境に、体調は急激に悪化し始めている。
「その調子では、5年半の猶予を満了する前に限界を迎える」
「だから後継の育成を急いでいるのです。オーネリア様たちの寿命も程なく終わります。遠からず、聖威師の数は一気に減るでしょう」
「お前の息子と娘がいるではないか」
「それでも数が十分ではありません。あなたの子も神官になってくれれば良かったのですが」
「それは無理だ。私の子は、我が主神たる鬼神様との間にもうけた子たちだ。生まれながらの神であるため、聖威師にはなれない。今も鬼神様と共に天界にいる」
両親もしくは片親が神格を抑えていない神の場合、子も生え抜きの神として顕現する。そして、生粋の神は『聖威師』という状態になることができない。生まれながらの神なので、神以外の存在――例えば人間など――として持っていた寿命が無いためだ。
「分かっています。言ってみただけですよ」
「そもそも、今の体制が潤沢すぎる。過去を見れば、天威師と聖威師が帝国と皇国に一名ずつしかいなかった時代もあるだろう」
「しかし、現在は仕事が全体的に増え、個々の難易度も格段に上がっています。高位神の神器が頻繁に暴走しますから、通常の聖威師であれば鎮め切れないでしょう」
属国や地方に配備されている、『神器を鎮めるための神器』では対処不能なレベルの物が狂うのだ。必然、聖威師が出なければならない。
「それは目覚めの刻限が近付いているからだ。神威の鳴動に神器も反応している。世界が岐路にぶつかる時は近い」
「ラミ様……その時まで、私の体は保つでしょうか?」
フルードは放っていた峻厳な意思を和らがせ、不安げに問いかけた。兄弟のやり取りを見守っていたラミルファが、常とは異なる色の双眸を向ける。
『際どいところだ。我が神威をもってしても、どちらに転ぶか見極め切れぬ。果たして間に合うか――五分五分と言えような』
気遣いを帯びた邪神の返しに、透き通った碧眼が下を向いた。
「次代に重荷を残して逝くことになるかもしれないとは」
胸中によぎるのは、絶世の美貌を持つ少女のごとき皇国皇帝秀峰。黇死皇と称され、黄白の天威を操る彼は、フルードを密かに指南してくれた神の一柱だ。澄み切った幻惑的な声が蘇る。
――フルード・セイン・レシス。時が来た際にそなたがまだ地上にいるか否か。それが世界の命運を分けるやもしれぬ。焔を宿すそなたの存在なくば、聖威師たちは重みに耐え切れぬであろう
「…………」
苦しげな表情で眉を寄せ、口元に手を当てたフルードが咳き込む。唇から滴り落ちて手のひらに溢れる赤い血潮。
『我が宝玉』
ラミルファがそっと背をさすると、海面の瞳が海底の眼を見つめた。
「アリステル。あなたは育ての親への復讐を行うために地上に留まっていたはず。報復が終わったならば、天に昇るのですか?」
「そのつもりだ。早く妻子とシスの元に行きたい」
人間としての寿命を使い切る前に、さっさと昇天する聖威師もいる。その場合、一度天に上った時点で、再び聖威師になることはできなくなる。例え寿命が残っていてもだ。ただし、神から天に招かれた時は例外で、用事が終われば地上に戻れる。だが、聖威師が自分の意思と判断で昇天したならば、再び戻っては来られない。
「……そこを曲げて、あともう少しだけ残留してはもらえませんか? 私たちと共に、次代を導いてくれませんか」
アリステルが無言で目を逸らした。拒絶ではない。宙を見て考え込んでいる。
「――検討しないこともない。だが私の寿命とて、後半年も残っていない。お前同様、虐待の果てに三十路前半で息絶える運命だった。地上に残るとしても、僅かな期間しかいられない」
「それでも良いのです。どうか……」
「……考えておく」
憂いを含んだ二種類の青が視線を絡ませ合い、すぐに離れる。
『狼神様は還られたか。愛し子の現状はお分かりのはず。気が気ではないものの、地上に留まれば逸る気持ちのまま強硬手段に出てしまうと自重なさったようだ。……セイン、この後はアマーリエたちの元に戻るのであろう。血痕を消しておかねばならぬ』
フルードの顔や衣を神威で綺麗にしてやりながら、ラミルファは微かな声で呟いた。
『近く目覚める。古の神々と――人間嫌いの神々が。怒りと共に目を閉じた神々は、定めし機嫌が悪かろう』
13
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。
第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。
生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。
その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。
「加護縫い」
(縫った布に強力な祝福を込められる)
「嘘のほころびを見抜く力」
(相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする)
を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。
さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王太子が近付いて来て……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる