バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

99 やり直し条件

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 あれから、彼とは何度も身体を重ねた。
 行き来が楽になったから、仕事も大変だろうに俺の所に来ては寝に来る。
 本当はこの【小屋】から引っ越して【街】へ行くのが良いんだろうけど、でも、まだ心配で……

 エルフ以外の事でも戦争は起きるから、か? ・・・何か見落としてる、マルの記憶、あれ、見れない。いつもなら見れるのに。前に劇物摂取したせいか? あれぐらいしか心当たりがない。
 はあ、……マルの記憶はこの【世界】と彼の何度もやり直した情報が見れたから頼りになったのに。
 こうなるって知ってたら薬に手を出さなかった。


 自分で《模倣体》を使ってひとり、ひとり運ぶ。
 とある【宝石商】の所で紫色の石、アメジストだろうけどを貰って加工。簡単な[ネックレス]を作ってメョンミくんが来たときに渡したら喜んでくれた。
 
「俺にとっては、お守りだ。」
「そんな効果は無いけど、そう思ってくれるのは嬉しいな」
「それで、家族の件で3日後ぐらいなら時間が取れるってさ。忙しくて悪いな」
「ううん。俺の方も忙しいから頑張って仕事を終わらすって言ってたよ。」

 貴族は【領地】やら色々と多忙で、彼の家族は醸造もやってるらしくなかなか手が離せないらしい。
 3日後って事でその間は毎日、彼が【家】に来ては【家の外】にある【簡易的な風呂】に一緒に入っては身体を磨き上げ、俺を寝かす。
 隈も無いし髪もサラサラ肌もツルツルピカピカ。

「改めてみて綺麗だ」
「めっちゃ、恥ずかしい……」

 身体をシーツで隠すとそれを剥ぎ取られてそのまま押し倒されながらキスをした。
 首筋にキスされながら匂いを嗅がれる。

「なに、」
「すげー、いい匂いがする。石鹸は同じなのに」

 匂いを嗅がれて舐められてしゃぶられて、愛撫される。

──条件解除されました。

 ん? な、に……?

 なんか聴こえた気がしたんだけど、《スキル》タブ見ても変わらず、そのまま快楽に──




「初めまして、ワィーレ・マルゥメと言います。」
「ネゥ゙ーナ・メョンミです、マルゥメくんと婚約した事をこういった形で報告させてもらいます」

 立派な庭が見える【高級食事処】でマルの家族とメョンミくんの家族が顔を合わせる。
 こっちは、両親と姉、兄、俺、弟、妹の7人。
 あっちは、両親と兄、兄、メョンミくんの5人。

 席に着くと[コース料理]が運ばれてきて和やかな雰囲気で、談笑しながら、出会いは、いつから、どんな所が好きかなんて色々聞かれながら答えていく。

 会食は無事に終わり、彼の両親や兄弟達からも「アイツのことをよろしくね」と言われ、ほっとする。
 彼もマルの家族から受け入れてもらってニコニコ笑ってた。








「どうしても、行かないと行けないんだよな、」
「ああ。心配しなくて良い、無事に帰ってくる。」

 あの日から5年後、俺達は30代になった。
 子供はなかなか作れず、彼の仕事も忙しいからとなあなあにしてしまってた。
 そのツケが彼、メョンミくんが隊長となって軍を動かす為数カ月間離れ離れになる。
【この国】ではないものの、戦争が起こってしまってそれの関連で【国境】の防衛をする為だとか。

 その日の夜も身体を重ねたけど、きっと妊娠してない。この【世界】で同性同士で妊娠するには条件が必要でただヤルだけじゃ妊娠しない。
 もっと楽に妊娠出来たら良いのに、一応そういう薬も作ってるけどまだそこまでの効果も発揮できてない。


 心配で《模倣体》5人を彼のサポートとして陰ながらつけたのに──

 彼は帰ってきた。亡骸として。
《模倣体》は全滅、彼を護ろうとして全て《炎》に焼かれて消された。

 手に[ネックレス]を乗せる。このルートではマルは幸せになれない、って事……? 
【国境】でそんな事があるなら、すぐにでも攻めてくる? そしたら──……悪夢が蘇る、彼はもう居ないのに……


──《任意やり直し・スタート》

 ん? 説明のタブが開いてそこを見るといつもと違う文言が書いてあった。

──強制∶オメガバース
──条件∶トィン・ヌルィニ・ワグーッツンと番になる事

 ワーチャンと? マルだから相手としては違和感ないけど、てかオメガバースってなんだっけ。って思ったらその説明が出る。
 
──性別以外にも、アルファ、ベータ、オメガとあり──……

 3つの第2の性がある。【世界】によって様々らしいけど、このオメガバースのオメガって言うのになれば同性同士でも妊娠がしやすいと。ああ、コレ今回欲しかったよ。

 で、ベータは一般的でアルファはチート系の人達かつオメガを妊娠させれる。オメガは定期的にヒートっていう発情期に悩まされるから私生活がしづらくて社会的に差別を受けがちとか。でもアルファの子を産める可能性が高いから貴族のアルファには嫁候補になるとか。
 ふんふん。なるほど。

 まあ、このままじゃ親しい人達が苦しむ姿を見るだけだから、可能性があるなら──……

《任意やり直し・スタート》を使った。
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