不定期∶王道無糖

加速・D・歩

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本編

67 試練9 光の勇者

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 ケルピー部屋から出て歩くとまたでかい場所に出た。

「あ、ご主人様~っ!」
「お、リジュ大丈夫だったか」
「むう、せっかく主と二人っきりだったのに」

 二人っきりではないだろ、ペラルタをみるとソユラの姿があってホッとしたみたいに笑ってる。あっちはリジュ、メリ、ソユラ、レイラか。ピーチ、メロ、アーニャ、影は別のところに居る反応はあるけどまだ戦闘にはなってないな、まあ影が居るしそのうち合流するだろ。


「そっちはなんかと戦ってただろ」
「うんっ! お魚がいーっぱいいてね!」
「魚?」
「レイラみたいなー「ワタシは人魚ですっ、魚人族がいっぱい出てきただけです!!」

 レイラがプンスコしながら会話に入ってきた。何度言ってもリジュが同じにしてくるから怒ってると。

「メリ、どうした?」
「ううん、お姉ちゃんが心配で……」
「あいつなら平気だろ、ドラゴンになれるし、まぁ影も一緒だしな」
「うん、カゲさんも一緒だから大丈夫……よね、なんか胸がザワザワしてて」

 んー……

「つか、これ何」
「これは、魚人族を倒したら出てきて、私のネックレスとブローチに反応するから試練関連なんだと思っています。みんなが集まってから、ってクロくん?!」
「ま、ハメてみようぜ」

 なんとなしにソユラのネックレスとブローチをくぼみにセットすると日本語が書いてある石碑が光った瞬間──


「あんたさん、誰や?」

 関西弁っぽいやつとその仲間らしき数人が目の前に立ってた。

「僕はクロくん!」
「クロくん……? 変なやっちゃなぁ、んー、なんかあっちが気になるわ」

 じゃ! と関西弁は行ってしまった。しかも結構なスピードで。

「ちょ、ルート! あの人はすぐ勝手に行動するんだから!」
「てか、あんたら誰?」

 ルートってのがさっきの関西弁か。目の前には魔法使い、僧侶、戦士みたいな──

「勇者パーティーのメンツっぽいなぁ」
「そうそう! あたしたち光の勇者のメンバーなの!」

 そういや石碑にも“光の勇者封印”って書いてあったなぁ。試練用に勇者が封印されてるってなんだ?

「ねー、なんで封印されてたのぉ?」
「封印? あたしたちが?」

 リジュが魔法使いにそう聞くと彼女はハテ、と首を傾げる。

「ええ、ここにあるこの石碑に私のネックレスとブローチをくぼみにはめたら貴女達が出てきて、」
「んじゃあ、オレ達と戦うんじゃね?」
「まーたあんたらは!」
「シンプルだろ? ま、戦うのはアイツが戻ってきたらで良いんじゃね」

 まー、そうなるよ、なぁ……現地民の事を勇者と呼び、召喚されるのは英雄と呼ぶ。
 あのルートってやつは関西弁、なんか違和感あるよなぁ。

「あのルートってやつ、もしかして日本人?」
「ニホン知ってるの? 貴方も勇者?」
「いや、僕は英雄だけど……」
「英雄? 歴代の勇者の話は聞いたけど英雄は聞かないわね」
「ソユラ、どーなってるの?」
「私にも、サッパリで……」

 勇者の仲間は日本を知ってるならあのルートもそういうことなんだろ。英雄知らないってどういう事? って僧侶に話を聞くと、

「結局、私達が封印されてたのが今から千年ほど前、なんですね」
「そんなに時が経ってたなんて……信じられない!」
「千年前は召喚された人達も勇者と呼ばれてたんですね、でも聖典にはそんな事……」
「つーか、ここって王家の試練で寄る所だろ?」
「それが……ペラルタに聞いたところ……」


 千年前、ねぇ。聖典にも現地民は勇者、召喚されたのが英雄と書いてるらしい。書いたのはエルフ族らしいが……彼女らの憶測では、どっちも勇者と言われてややこしかったからじゃとか言ってたな。まぁ、なんでもいいけど、ソユラにここ【海底神殿】に毎回寄るんなら分かることなんじゃ? って思ったらペラルタが歴代の英雄がどこのルートで魔王を倒していったのかを調べたところここは寄られないというか存在に気づいてもなかった。


「そういや、この封印を解くのにはネックレスと“ブローチ”が必要でそれを手に入れるにはコロシアムで優勝が条件……なんだよね」
「あー、隠しイベント的な」

 なんほどね? 隠しルートイベントなら放置されまくる、か。つーか、報酬なんだろうな。これでまた関節の一部とかだったら世界を滅ぼすレベルなんだけど。



 
 ドゴオォォォン──!!

 突然の防音と地響きにここに居る全員が、ビックリする。影達の方でも戦闘になったか、そういや光の勇者もあっちの方に行ったよなぁ。


──はあ、はあ!
──光が見えた、もうすぐだ!!

「ソユラ姉さま!! メロが!!」
「メロを回復してくださいっ!」

 傷だらけになったメロを介護抱っこするアーニャとその横にいたピーチが叫びながらやってきた。呼ばれたソユラは驚きながらも回復をかけると、光の仲間の僧侶も手伝う。

「あ、れ……あたし……っ、」
「お姉ちゃんっ! よ、良かった……ソユラ様、ありがとうございます!!」
「本当に良かった……あんなにボロボロになったから心配したのよ」

「てか、影は?」
「カゲさんはアタシ達を逃がしてくれて」
「逃がす?」

 敵の反応はもうないけど、確かに影は誰かと戦ってるな。とりま、こっちに呼ぶか。

「んで、影誰と戦ってたんだ?」
『光の勇者って名乗ってた』
「あー、さっきのやつか」

 僕の足元から出てきた影に聞くと、やっぱさっき走っていったルートってやつだった。ま、そいつも──

「気配がいきなり消えたと思うたら瞬間移動かいな」
「キミも速いね」
「そらおおきに」

 影が来てからすぐに戻ってきた光の勇者はまた影に笑いながら攻撃をする。
 突然現れた2人に、僕の仲間と相手の仲間は戸惑ってる。

「「え、えっ、えー!?」」
「ちょちょちょ、なんであんた戦ってるのよ!」
「んー? なんか楽しくなっちゃって?」
「もー! あんたはすぐ暴走するんだからァー!」

「クロくん、どうしましょう」
「こっちも! 戦うって事で良いよな、まあ数は同じでいいか。メロ達はあのスミに固まって」

 ま、こっち全員でやるのが早いけど……

 影とレイラ、ペラルタ、リジュ、ヴァルシュに決まった。本当は僕が出ようと思ったら『ぼくが行く!』『じゃあ我も行く!』と2人が出ることになって……んー、バランスが悪い気がするんだよなぁ、せめて回復ぐらい……まぁ、英雄の僕が途中参加することに落ち着いた。



+メモ
【海底神殿】
リジュ、メリ、ソユラ、レイラ、
ヴァルシュ、ペラルタ、クロくん、
ピーチ、メロ、アーニャ、カゲ


名前:光の勇者ルート
種族:人間
見た目:茶髪オレンジ目男性
一人称:オレ
二人称:自分、あんたさん
背:174
歳:20代前半
武器:刀
《雷魔法》《一閃》



名前:ルーナ
種族:人間
見た目:金髪青目女性
一人称:私
二人称:あなた
背:157
歳:20代後半
武器:銃
《聖魔法》



名前:アストラ
種族:人間
見た目:紺髪紫緑目女性
一人称:あたし
二人称:あんた
背:155
歳:20代前半
武器:杖
《星魔法》



名前:ジュウラ
種族:狼獣人族
見た目:薄い青髪緑目男性
一人称:オレ
二人称:あんた
背:188
歳:見た目30代前半
武器:片手斧2つ
《身体強化》《獣化》

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