終:魔力暴走がある世界の魔石屋さん:番外編

加速・D・歩

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本編

11 67,492文字数になったけどね。

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(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)書いてる途中で6万超えたけどここやって終わりかな。
一応、にゃんこが戦うので嫌な人はスルーしてください。
側がにゃんこなだけなんだかどね。

+




『へぇ。いいよ、じゃあ……【──】で待ってるわ』

《記憶改変》にお前を倒す! と宣言した《コピー》に【組織内】にテレポートする。《転移》? とロイくんを見ると横に頭を振る。《記憶改変》がしたようだ。
この世界を作った《記憶改変》、能力やスキルがどれぐらいあるか分からないけど──


「魔石を、使うぞ」
「「割るんだよね……」」
「ごめん、みんな……」

 人型の魔石を粉々にして1匹に戻った《コピー》に与えていく。普通の成猫サイズから与えていくうちに脚が太くなり、体も頭も、ドンドン太っていくのではなく本当に目に見えて大型魔物ぐらいの大きさになった。口元から見える鋭い牙、魔石のせいで心拍数も上がってるのだろう、毛は逆立ち爪は地面に食い込んでる。

「まだあるけど……」
「ねこちゃん大丈夫?」
「まだにゃ! 全部やるにゃ!!」








『んじゃまあ戦いの場所へ。あんたらはそこで見てな』

《記憶改変》が精霊王達を作った場所に《コピー》と飛んでいった。私達の目の前にはあの時と同じく映像が流れる。

 ズシンッ
 猫の着地とは思えないほど重量感がある。木々が揺れて地面や川の水も震えていた。

『んー、戦ってみるか』
「にゃ、」

《記憶改変》は持ってたナイフで《コピー》を斬りつけた。それを避ける《コピー》どっちも素速い動きで目に追えない。《コピー》もタイミングを狙って爪で攻撃するけど当たらず《コピー》は空高く大きくジャンプして着地すると────
 



 ドンッ──!!
 爪をたてたまま《ストンプ》をして地面は土や草が舞い、衝撃で近くの木々がなぎ倒される。その瞬間《コピー》は複数に増えて攻撃するタイミングをズラして時間差攻撃を仕掛けた。

『多勢に無勢ひきょうだー! ブーブー!』
「何いってんだにゃお前は!」

 確かに《記憶改変》も複数人になれる筈。なのに、それをしないでナイフ一本で多段攻撃をしのいでいる。

「もっとマジメに戦ったらどうにゃんにゃ?」
『あはは、思ってた展開とは違うけど1人だから楽しいんじゃねぇか』


────『だって一瞬で相手を殺しちゃうからね』

 な、に?《記憶改変》から聴こえてきた言葉に固まる。動きだけ見たら《コピー》優勢に見えるのに、でも決定打を与えられてないのも事実。でも、一瞬でって……?


《記憶改変》がナイフを右手から左手に持ち替え、右手人差し指を迫ってくる《コピー》の首元を空で横棒ーを引くように動かした──




「「ねこちゃん!!」」
「嘘──っ!」

 ゴロリと地面に転がる《コピー》の首。続けて体が重量感のある音をたててぶつかり横倒しになった。

『ね。まぁ今のはモーションアリだったけど。はい、続きやろうね《記憶改変》せっかく遊んでくれるっていうんだから、いっぱい遊ぼう♪』

 倒れて死んだ筈の《コピー》が殺られる前の姿で居た。本人も意識の処理が追いついてないみたいで固まってるけど、私達も《コピー》が復活したのは喜びたいが……でも現状は変わってないし、一瞬にして殺されるかもしれない恐怖……!

 
「っ、負けないにゃ!」
『てかさ、いつまで猫のフリしてんの?』
「は? ニャンのことかにゃ!」

 10体の《コピー》がそれぞれ《記憶改変》を攻撃する。

「ちょこまかとにゃ……! にゃっ!」
『またなんか思われてもアレだしなぁ。まあいいやへんしーん!』

 《コピー》の足元から同じサイズの黒い狼が出てきた。《記憶改変》は? 私達も姿を探してると、

『いやいや、目の前にいるでしょうが!』
「にゃあ! お前が《記憶改変》か!」

 お互いの首元を狙って噛みつき攻撃や爪で相手を押さえつけて倒そうとしてる。ドッタンバッタン砂煙が舞う。


「あの狼の毛並み……なんか変」
「「なんか動いてる……?」」
「無数の黒い手?!」


 あの狼の毛らしきモノが無数の手で《コピー》の体を掴み始めた。
《コピー》はもがき、なんとかそこから抜け出そうとするが──複数体も次々と殺られていく。


『にゃあん』


「《コピー》?! なんでここに」
『静かにするにゃん、《魔石生成》これをお主に渡すにゃん。それを使って“彼の者”を喚んで欲しいにゃ』

 ここに居るはずのない《コピー》が現れた。最初の複数体を出した時に一匹こっちに向かってたらしい。首をはねられたのは複製体と説明された。でもまさか一瞬で殺されるとは思わなかったと。


《コピー》から渡されたのは黄色い宝石と眠っているチュンだった。子供の時に一緒にいたあの鳥さん──?! なんで、と思ったけど《コピー》からこの日が来るまでこの鳥を封印してたと──意味が分からない、でもチュンを媒体に《召喚》しろと言われる。

「チュンを媒体になんて」
『やらねば『やつら』にこの星は喰われるぞ。《魔石生成》彼を《召喚》るんだ』

 
 映像を観るとあっちで戦ってる《コピー》達の数が少なくなってる。手のひらの上で温かい幼い頃の知り合いを私は──




「フェンさんいいの?」
「フェンさん、無理しなくても、」
「大丈夫、です。」

《召喚》は別の次元に居る“英雄”を呼び出すモノらしい。


【彼の者へ『バケモノ』を討伐する英雄よ次元の門を開きここへ招く《召喚:ルト》】

《コピー》に渡された詠唱を読み上げ、チュンと渡された黄色い宝石を手のひらに置き詠唱すると私たちの目の前に白く美しい金色の装飾がついた両開きの扉から、白銀色の鎧を身に纏った美しい男性が居た。


「ここに──私を喚んだ者は」
「自分ですけど、貴方を指名したのは《コピー》で」
「にゃ」

 貴方は誰ですか──と聞こうとしたけど彼は《コピー》を一度見ただけでその瞬間には私たちの目の前から消えた。

「え、さっきの人はッ?」
「ちょ、これ観て──!」

 赤さんが指を差したのは、浮かぶ映像だった。そこには複数体の《コピー》に絡みつき噛みついてる狼型の《記憶改変》そこにさっき召喚した──

「あの人誰だったの?!」
「あれはレウスと沙世の息子のルトだにゃ」

 ルトと言う彼は持ってた剣で《記憶改変》を斬った。




『おっと。お前さんか。随分懐かしい、本当に俺を殺す気だな……まあ、そうでもしないと、か。』
「……」
『レウスは元気かー? おお、睨むなよ。怖いなぁ』

 噛みついてた《コピー》を投げ捨てルトと向き合う《記憶改変》は狼姿をやめ再びよく知る少年の姿に戻った。

『さて、やるかー』
「・・・」

 そこからは《コピー》と戦ってた《記憶改変》とは違い、ルトと戦う『バケモノ』じみた戦いになった。近くにいるはずの《コピー》すら助太刀が出来ないほど激しくしかし的確に攻撃を当てていくルト。《記憶改変》の方は腕を斬られ体から離れた所に飛ばされ、どんどん惨い姿になっていく、いっときは【組織】の仲間だった彼だけど《記憶改変》がやってきた事は──許されることではない、筈だ。


『あー、あ。ヤラレチャッタ。まあいいや』

 ルトは何かを呟きながら剣をそのまま《記憶改変》に突き刺し倒した。その瞬間、場に合わないファンファーレが鳴り響き小さな花火が打ち上がる。

「「なになに?!」」
「なんだこれ!」

【てってれー!『バケモノ』1体を討伐おめでとう! 倒した彼の者には──能力3つプレゼント! また他の世界に居る『バケモノ』討伐頑張ってね!!】

 ルトの頭上に表示される文字、その瞬間彼はその場から消えていった。








 あれから数ヶ月後──《記憶改変》の事をリーダーに話すと全く覚えてなかった。良いように全ての出来事に辻褄が合うようになっていた。魔力暴走自体はあるもののよほどのマナが溜まってる対象にしか起こらない、そしてその者自体ではなくマナだけを抽出して魔石にする方法が出来た為、前ほど【組織】の集まりは無くなった。だから──


「いらっしゃいませ!」
「フェンさんは居ますかの」
「はーい、フェンさん! お客さんですよ!」
「はいはい。ロイくんは彼女の仕事手伝ってくれる」
「うん! 行ってきます!」
「おやおや、元気でいいね」
「そうですね、皆さんから可愛がられてますよ」


《転移》ことロイくんはそのまま私のお店、魔石屋の看板店員さんになり、大人達から可愛がられてる。今はドリャさんがやってる品出しの手伝いを。

「おー、やってるか」
「ユナさん」
「またしばらくあの双子と旅に行ってくるぜ」
「次はどちらに?」
「西の温泉に行きたいんだとよ」
「ああ、あそこはいいお湯でしたからユナさんもノンビリしてくださいね。」

 温泉かぁ、また入りに行きたいなぁ。休みとってロイくん誘おうかな。
 なんなら、【組織】の慰安旅行でも計画を立てて……そんな事を考えつつ仕事をする日になった。

「チュン」
「チュンも一緒にな。」



+メモ
秘密結社【プラムプトゥリィ】
先読み:サキ:車椅子の女の子
時止め:トキ:車椅子側近の眼鏡をかけた女性
転移:弓:ロイ:フードを被った無口な少年
魔石生成:ハンマー:フェン:仮面を付けた青年
記憶操作:手脚火:赤:赤い髪の少女(双子の姉)
認識操作:扇子水:青:青い髪の少女(双子の妹)
記憶改変:クロくん:黒髪黒目の少年
コピー:爪:人語を話す黒猫
変化:大剣:ユナ:50代のおっさん

ルト…レウスと沙世の息子。水色髪目の20代ぐらいの男性
『バケモノ』絶対殺すマン

その後
リーダー…普段は田舎で農作業をしてる独り身。あんまり暴走が起こらなくなって本格的に小さな宿経営とか作ってお客さんを呼んだり作った野菜料理を振る舞う。村の女性達から人気、【組織】の集まりも何度か。
先読み…リーダーの宿の看板娘兼話し相手
時止め…先読みの世話を焼いてるか先読みからリーダーとくっつけようとされて困ってる
転移…フェンの魔石屋さんで働く看板店員大人達から可愛がられてる
魔石生成…続、魔石屋さん普段と変わっちゃいない
記憶操作…ユナと一緒に旅をしてる
認識操作…〃 3人で。
記憶改変…ルトに討伐
コピー…黒猫として気軽に街に住んでる。
変化…ずっと女性冒険者の見た目をしてたけど表でも男性の格好が多くなった。

チュン…フェンの小さい時に居た小鳥が魔物化になり色々あって使役状態になって飼われている。
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