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島の話1
しおりを挟む「あの島に行きたいのかい? なら、銀貨一枚だ」
「高いな。普通高くても銅貨5枚じゃないのか?」
「その身なり旅人だろ、地元民なら生活の通行として安くしてやるが、あんな場所……いや、乗るならさっさとしてくれ」
細長い木材で出来た船に足を乗せるとそれだけで船が沈む、このまま乗っても平気なのか? と思いつつも船頭は出発の準備をしている。
ここは大きな湖らしい。海のような見た目で広大で遠目にも島がいくつもあるのが見える。
一番大きな島、というか山に見える所に住民が住んでるという。
ここから島までの距離は、だいたい1km先ぐらい。船頭にもっと大きな船は無いのか? と聞くと、
「はあ。旅人さんよ、大きな船が作れてそれで乗せられるならこっちも苦労してねぇよ。何十年、何百年規模であの島が浮いたり沈んだりするんだ、その時はこの船を量産して住民を避難させなきゃならねぇ」
「この木材が足りないとか? 近くの国から輸入すればいい話では?」
「木材なんて困ってねぇ。コレ、これが足りねぇんだよ」
船頭が指を指した先には、黒い藁? のような物が船の下にある事に気づいた。
首を傾げると、船頭は“女神様の髪”だと言う。
湖には昔、女神様が居てこの湖の中に沈んでは浮き、手足を動かし地形を作った、らしい。
「ほれ、あの部分に女神様の体や頭があるんだ」
と、ぷかぷか揺れる船の上から船頭に言われ見上げても濃い霧によって高い崖は見えるものの誰かが居るとは思えなかった。
何にせよ、ここに来るまでの旅であの島に行くと人生観が変わるからオススメだよ、なんて言われ来てみたもののなかなか船が出発しない。船頭は何かブツブツと呟き、船の先頭にランタンをかけ、船を漕ぎ出した。
「安全祈願でな、1kmほどの距離だが魔物が襲ってこないようにと祈るんだ」
「島付近になると漁業が盛んになる。さっきの所じゃあ何時間釣り糸を垂らしても小魚一匹しか釣れん」
「女神の髪をつけた船ではないとすぐに沈むんじゃ。王都の研究者達が来て調べても分からないらしい。そして、湖の水もその時々で色が変わる。夏は少し下が見える透明度、冬は全く透明じゃなくなる。不思議なもんじゃ……」
「探検家や冒険者もよく来る。じゃが、全く謎は解き明かされないしそれによって死亡者もよく出る。」
船頭の話に耳を傾けるながら遠くを見る。深いモヤの中、何かが跳ねたような気がした。
大昔、女神だけじゃなく男の神も居たらしい。今は代々神島の守り手という種族が近くに住んでるらしく、今までの歴史などを歌や踊りと語り継いでるらしい。
長寿種族と聞いてエルフだと思うがどうだろうか。
エルフは普段森の中に住む美男美女が多い種族で、あまり他の種族と関わらないが、それにこの付近を見渡しても木が少なく、うーむ。いや、森に住む種族では無いかもしれない。
船頭からもあまり人前に出てこないとかで確認するすべは無さそうだ。
「ほら、着いたぞ。また船がいるんだったらそこの明かりを5回つけては消すをしてくれ。」
「分かった。ありがとうございます」
船着き場からすぐに何十段もある急勾配の階段がありこれを登るらしい。手すりがあるだけマシか。
ゼェゼェ、ハアハアと普段あまり運動をしてない事が認識させられる。疲れた。
階段を上がると斜面に小さな家々が建っていてこの霧の中、今が夜なのか、昼間なのか分からないがライトの明かりが見える。
宿屋の看板を見つけきしむ音と共に開けるとロッキングチェアに揺られうたた寝をしている主人がいた。
「すみません、」
「すぅすぅ……」
「あの、すみませーん?」
何度声をかけてもイビキしか返答が無い。カウンターを見ると小さなベルがありチリンと鳴らすと主人が目を擦りながらやっと起きた。
「おや、珍しい客人だ。」
「一部屋空いてますか?」
「ああ、案内しよう」
2階に上がるときも床板のギシギシという音が大きく聞こえる。
「ここで良いかな。この島は何十年か何百年かに浮いたり沈んだりしてねぇ、ここら辺の家々は水に沈むんじゃ。だから浮いてきたときにこうギシギシ音が前よりもするんじゃな。」
自分の思ってた疑問を汲み取って主人が説明してくれた。そういえば、船頭もそんなこと話していたっけ。
+
(. ❛ ᴗ ❛.)意外と話が長くなってしまったので、ここでいったん終わります。
続き書くのかなぁ、未定
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