不定期∶ごっちゃもろもろ

加速・D・歩

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・【完結】ラブドールをゲットした話

1 小倉

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「ごめんなんだけど、明後日の朝に入ってくれないかな?!」
「あ、はい、予定は無かったので大丈夫ですよ」
「助かる! 他の子にも声をかけたんだけど」
「まあ、朝ですからね」

 その日は3つバイトをしてる1つの【ファミレス】の朝の仕事を店長から頼まれる。なんでも、当日の子がバイク事故を起こして軽い怪我ではあったものの安静にって事で。
 他の人達にも朝に入るよう話したけど朝からってはハードルが高いみたいで俺に話が来た。
 明後日は、仕事は入ってなかったけど、長年付き合ってる彼女と夕方から【デート】をする日だった。

 普段は昼頃に【ファミレス】のバイトをしててこの仕事も5、6年ぐらいやってるのかな。店長からはよく『正社員になる気はないのか?』なんて誘いも来てるんだけど……
 彼女と結婚したら【彼女の実家】の仕事が、商店をやっててそこで跡を継ごうと思ってて……まぁだからバイトで日々お金を稼いでる。
 それと、俺の両親は俺が中学生の頃に亡くなって、その頃は一応親戚が親代わりに最低限の世話をしてくれた。
【高校】で今の彼女と出会って、そのまま彼女の両親にも俺の状況を分かって親切に接してくれた。だから彼女の家の家業を継ぎたいと思った。

 でまぁ、こんなに良くしてくれてるのに、結婚資金やその後の生活にかかる費用をおんぶに抱っこなんて情けないからちゃんと、彼女──ミサを苦労しないぐらい養えるぐらいの貯金は貯めないと。
 って事で朝から仕事をする事になった。




「あら、小倉くんこんな時間に珍しいわね」
「ほんとほんと、いつも昼間よね?」
佐藤さとうくんが事故ってそれの代わりに」
「あ~それねぇ。ほんと、貴方も気をつけるのよ!」
「あ、はい。」

 朝の同僚はおばちゃん方が多くて、俺の少し年上の馬場ばばさんと一緒にウェイターを担当する事になった。

 と言っても朝の時間は非常にまったりしてる。夜勤や朝帰りのお客様や、[モーニング]を食べに来た人達が[ドリンクバー]を頼み各々過ごしていた。
【ドア】が開く音が聴こえ接客する為に向かう。
 
「おはようございます。何名様でしょうか?」
「ひとり」
「はい、では【こちら側の席】にどうぞ。注文がお決まりになったら、そこのベルでお願いしますね」

【一人用の席】にお客様を案内して他の【テーブル】やまたやって来たお客様を案内しながら接客する。


「小倉、少し休んどけ」
「え、」
「この時間慣れてないんだろ、顔色悪いぞ。数十分で良いから裏に行ってろ」
「分かりました」

 馬場さんに言われて、オデコに手の甲を当てる。自分では特に……でも同僚に言われたら、そうなのかもしれない。俺は少しだけ休む為に【スタッフルーム】に向かった。


「あら、小倉くんどうしたの?」
「馬場さんから数十分だけ休んどけって」
「あらまあ! じゃあ【ココ】に座ってて、飲み物持ってくるわねー!」
「あ、ありがとうございます」

 さっきのおばちゃんの1人に気を使わせてしまった。と思いつつ彼女が「座って」と言った【椅子】に座る。
 寝ると言っても──と思い、[ロッカー]から最近読んでる[小説]を取り出そうと【椅子】から立ち上がって歩き出す瞬間──


「ぎゃああああッ゙!」

 俺はお尻を押さえながら前へ倒れた。
 何が起こったのか、それは誰も分からなかった。
 膝をつき、悶絶する俺。俺の叫び声に同僚達が集まってくる。


「が、あああ……ひっ、ナにっ゙?!」
「小倉くんッ、大丈夫?!」
「何があったの?! 貴方、働きすぎよ! ヤバかったら救急車呼ぼうか??」
「だ、大丈夫れす、ぐっ……」

【床】に転がり腹を押さえながら悶え続ける。
 周りの人の心配そうな声になんとか、なんとか、「大丈夫」とだけ応える。まったく大丈夫じゃない。けど、突然の腹痛に、こんな事で救急車は大げさ、だと思ってしまったからだ。
 なんとか波が治まって、「【トイレ】に行く」とだけ言って、早足で駆け込む。
【店内】は俺の絶叫でざわめいてたけど、俺は冷や汗が止まらなくて、【便器】に座るとその瞬間また──

「い゙っ゙、がああ……ひ、ひぃ、……な、なんなんだよ、もうッ゙」

 さっきよりも、やば、いぃぃい……?!
 腹を両手で押さえて耐える。
 涙が溢れる大人なのにこんな事でぇ、痛みを例えるとしたら[鉄バット]をいきなりお尻の穴に入れる──想像してキュウウ……と穴が震えた。
 その後も、何度もお尻の中はゴロゴロギュルギュル音を鳴らし、【隣の個室】に誰かが入ってるのを見たけど、声が抑えられなくて、必死だった。

「小倉、今日はいい。【救急車】が嫌なら【タクシー】呼んだから【家】に帰って安静にな、後で【病院】に行けよ」
「ハ、はい……っ」

 声からして馬場さんが【ドア】の前でそう言う。
 情けなさに声は小さく出た。
 また波が来ないうちに【タクシー】に乗り込んで、【家】に着いた。
[鍵穴]に[鍵]をいれるのすら、手が震える。焦るな、俺。

 なんとか、【部屋】に入って、[携帯]を取り出して彼女、ミサに[メッセージ]を送る。
 
『仕事中に腹痛で倒れて、もしかしたら【今日のデート】無理かもしれない。ごめん、』

 謎の腹痛を抱えたまま彼女に会うのが申し訳なさすぎて、謝る。今、仕事中だからすぐに返信は来ないだろうと寝ようと目を閉じようとしたら通知音が来て。

『ほんと? 大丈夫? 後でお見舞いに行くね! プリンとか食べれそうな物買っていくから!』
『ああ、ありがとう。そんな、大したこと無いんだけどね。【デート】の日はまた改めて』
『うん、まこと仕事し過ぎだし、無理しちゃだめよ』

 彼女の優しい返信に顔が綻ぶ。
 彼女と会う時にはだいぶ良くなってれば良いな、と思ってた。




「本当に大丈夫?」
「うん、寝たらさめっちゃ良くなったし……ミサの顔見たら元気出たよ」
「もー、仕事中に倒れたなんて聞いたから……でも顔色は良くなったね。うんうん。本調子じゃない時に【デート】しても良くないんだから、ちゃんと万全になった時にしようね!」
「うん。ミサ愛してるよ」
「ふふ、あたしもよ」

 寝てると彼女が来た事を知らせるチャイムが鳴った。
【ベッド】から這い上がりながら、壁を伝って【玄関】に向かった。
 彼女を見ると心配そうな顔で、買ってきた物が入った袋を俺に見せてくる。
 彼女は「俺の顔を見ただけ」とすぐ帰ってしまった。
 風邪じゃない筈だから少し一緒に居たかったけど、俺を気遣っての気持ちは嬉しかった。
 袋の中身は[おかゆ][スポドリ][プリン][薬]等が入っててありがたく受け取った。


 それからあの激痛は嘘のように──一応【病院】にも行ったけど特に無かったし腹痛もなく、また【バイトの日々】を送ってた。【ファミレス】の同僚には凄く心配されて、念の為みんな【病院】に検査しに行ったらしく申し訳ない。
 でも口々に「「具合が良くなって良かった」」と言ってくれて。

「にしても、小倉くんの腹痛の日に、ねぇ聴いた?」
「近所の小学生の話?」
「それも騒ぎになったけどー、ネット上ではアイドルグループもだって!」

 おばちゃん達の井戸端会議の内容が俺が腹痛になった、数十分、数時間ごとに起こった事らしい。
 お客様の会話から聴いた話も合わせて、小さい子だと小学生ぐらい~……近所の自分よりも歳上の男性にも謎の腹痛に襲われ、【病院】に駆け込んでも特に症状はなかった、らしい。

 一番話題になったのは新人アイドルグループ、話に聴くと8人ぐらいのグループが朝の情報番組で生歌を披露中に全員同時にではなく、一人一人お腹やお尻を押さえて悶絶しながら倒れて、【スタジオ】は騒然、ネット上ではそれを観てた視聴者やファン達が大騒ぎになったらしい。
 こっちも原因不明……そんなのが俺に起こったのが信じられなくて、でもあの痛みは本物だった。

 あれから何も起こってない。お医者さんにも異常なしと言われた。なら、大丈夫だ。心配はするな。
 ミサともまた【デートの約束】をしてるし。
 この日の仕事は何も起こらずに1日が終わってホッとした。




「今日は晴れて良かったよね」
「ああ、それで、今日は【アウトレット】に行く予定で良いんだよね」
「そうそう、[ウェディングドレス]も試着出来るみたいだし!」

【電車】で【アウトレット】へ向かう。
 俺達は結婚を前提に付き合ってるから、もうそろそろ資金も貯まるし意識しても良いかなって事で、小物や式に必要な諸々や、[ドレス]もあると聴いて。
 結婚式で着る[ドレス]はちゃんと新品にするけど、色んな形とかデザインがあるから、時間をかけて試着したいと彼女が言ったので足を運んだ。




「うーん……こっちも可愛いけどぉ、こっちも捨てがたいよね」
「だなぁ。ミサは何着ても似合うからなぁ。白色は確定でお色直しの[ドレス]も決めないと、だし」
「そうなのよね~~っ!」

 王道のプリンセスラインって[ドレス]や細身のスレンダーラインって[ドレス]で悩み続け、お色直しの[ドレス]も……と、彼女は「長時間悩むと思うから、そこで座ってていいよ」と言ってくれたのでありがたく【椅子】に座りながら彼女の選ぶ姿を眺めてた。




 結局、今のところマーメイドラインって[ドレス]を第一候補にしつつ、さっきの2つを後日悩む事にしたらしい。
 お色直しのカラーも「緑色にしようかな、」と言ってた。

【アウトレット】で昼を食べ、[ピッザァ]と[パスタ]が食べれるお店で[マルゲリータ][海鮮ピッザァ][ボンゴレ・ビアンコ]をシェアしながら少し[ワイン]も飲んで。

「んー! 美味しかったね!」
「だな、【観光地】でもあるからか他のお店も美味しそうだったな」
「ね! また来ようね!」
「うん!」

 帰りも【電車】で帰って、俺の住んでる【マンション】へ帰ってきた。

「ん~、疲れたぁ」
「お疲れ様。はい、良さそうなのが見つかって参考になったね」
「だね~、でもまた決める時に悩んじゃうかもぉ」
「いいよ、ミサの大事な式なんだし」
「ふたりの、でしょ~!」
「あはは、そうだね」

 こうやって、笑い合える彼女と出逢えて本当に幸せだ。
 未来永劫、ミサと暮らしたい。数年前まではまだ貯金なんてほとんど無かったから、無理だったけど、今なら──


【ベッド】で彼女と身体を重ねる。優しくキスして、髪を撫でる。付き合った頃からずーっと彼女一筋で、彼女しか知らないけど、でも、それで良い。
 俺は──、い?!
 
 さっきから身体に虫が這うような感覚があったけど、無視してきた。なのに、今、はっきりと両乳首が──

「いいぃぃい゙いイイ゙いいいあ?!!!」
「え、どうしたの?!」

 乳首が強い力ですり潰される感覚に彼女に挿れっぱなしの身体が、背中が後ろに折れるように反り返った。
 あまりの絶叫に下に居る彼女は戸惑いながら俺をみる。
 俺は、冷や汗と共に声を出そうとするのに、また!
 口の中に何かが入って来る感覚に吐きそうになるのを堪える。口の中では何かが蠢き、それから逃げようと舌を動かしてるとそれに捕まりあまりの気持ち悪さに、駄目だ、耐えられない。
 彼女から離れて【ベッドの上】から【床】に吐いた。

「本当に大丈夫、[お水]持ってくるから!」
「あ、り……ひっ、」

【部屋】から出ていく彼女に声をかける前に、俺のちんこは何かに掴まれる感覚にお化けか何かを想像してゾッとする。ひとりでにちんこがブルンブルンと回転したかと思うと放尿するぐらいの勢いで、精液が[シーツ]を汚した。
 それから根本が痛くなったかと思えば、ちんこの先っぽに何か、刺さる感覚に目を見開き絶叫。

「な、どうしたのよっ!」
「み、ミサ、俺おかしく……ああ、何が、ひっ!」
「【病院】、【救急車】呼ぶわよ!」

[コップ]を持った彼女が戻ってくると、駆け寄る。
 それより、本当にお化けの仕業なら彼女が危ない! 
 俺は出来る限りの力を振り絞って彼女に「今日は楽しかった、大丈夫だから、ごめんっ!」と服を着させて追い出した。
[鍵]をかけると、【ドア】を叩く音と彼女の心配そうな声が聴こえたあと、俺は【リビング】まで戻ってきて、【ベッド】まであと少し、と言うところで膝をついた。
 
 身体が動かない──やっぱり金縛り?!

 あの時と同じ[鉄バット]をいきなり挿れられたような衝撃に息が詰まる。
 そして、ズコズコとそれが激しく入ったり出たりする感覚に目をつぶって耐えてると、尻タブを叩かれる衝撃まで増える。
 尻叩き──子供の頃に親戚にされた思い出が蘇る。
 なのに、あの時と違って……ひ、ひぃ……

 お尻を突き上げる形で顔は[カーペット]に埋もれる。涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔。
 20代になって大人なのに、みっともない。

 いきなり頭を持ち上げられる感覚に目の前にあった[姿見]に写る顔は酷かった。
[鉄バット]が口に入ってくるような衝撃と、胃の中に熱湯を流し込まれる様な感覚に気を失った。
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