終∶スライム様はとりこみたい

加速・D・歩

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・2章 ほかのひと

2 無口病

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「トンローヴ伯爵が帰ってきてないだと……?」

 手紙を届けに行った部下の話だと数日前にトンローヴ伯爵は部下を連れ屋敷を出たらしい。普段ならすぐに帰って来る筈なのにもう結構な日にちが経ってるのにと屋敷の者達が心配していたと。

「メイヴェール様!」
「次は何だ」
「そのトンローヴ伯爵が【例の村】で姿を見たと報告が!」
「何、……ふむ」

 【例の村】でか。彼も“無口”になってしまったという事か? まあそもそもその無口がなんなのか分からない。病気由来なのか、はたまた……何にせよ自分の目で見てみるしかないか。

【魔物の森】に行くことになるから数十人の兵と自分自身も武具を付ける事になる。部下にそう伝える明日の朝出発する事にした。




「準備出来てるか、では【魔物の森】へ向けて出発するぞ」
「「はっ!」」

 自馬に乗り兵士達を乗せた馬車の後ろを走る。自分の領が遠くなっていく……前方に見える【山】【ニィーラカーォ大地に続く道々山脈】の一部だったと思う。まだ遠くで見える範囲だが、今日はあの山の入り口付近で野営にするか。
 馬も休めなければ山越えもキツイだろう。




「今日はこの辺りで野営をする、各々準備しろ」
「「はっ」」

 簡易寝床を準備する者、近くの林から食材調達する者、馬の世話など各自が動く。

「メイヴェール様、」
「なんだ」
「先に【例の森】に入っていった者たちとの連絡が……」
「そうか、魔物の仕業か不明だな」
「はい。」
「明日の朝にはここを発つ、皆のもの警戒して進めと伝えるように」
「はっ!」


 自分用のテントの中で息を吐く。こうも部下、それなりに長い時間を鍛錬してきた者たちが行方不明だと……一体何が起こってるんだ。どっちにしろトンローヴ伯爵を見つけ出し話を聞かねばならないし、自分の領地が近い以上無視できるものではない。
 



「朝だ。皆のもの起きたか」
「はい、準備は出来てます」
「では【山】を越えるぞ」
「はっ!」


 まだ薄暗く遠くから朝日が昇る頃、我々は目の前の【山】を通過する為出発した。ゴロゴロガタゴトと馬車の走る音と馬の呼吸音と足音だけが薄暗い【山】の中に響く──

「妙だな、普段ならもっと生物の鳴き声がするものだろ」
「ええ、そうだと思います。鳥の声すら聴こえませんね……」
「無口病なのか、それとも……」

 坂を登り、開けた場所を抜けまた下る。
 トンローヴ伯爵領地の【村々】が遠くに見えあそこの住人は無事なのか気になるところだが今回は【例の森】へ向かう為寄りはしないだろう。


【山】を下り出る頃には夕方になっていて日が沈み始めてた。今日はここで野営する。
 


+メモ

ニィーラカーォ大地に続く道々山脈】…【大陸】を縦に横断するような感じで山が連なってる、一番高い山には神が住んでると近辺の民から信仰されてる。

今回の同行の兵士達は30人程度
レベルは40あたり種族は人間が多く、一部ハーフエルフも居る。

ハーフエルフ…大昔に人間とエルフが子を作りその子孫たちと言われてる。
エルフより長生きではないが人間よりも長生きする。
だけど血が不安定でエルフ寄りのハーフエルフ、人間寄りのハーフエルフが居る。
耳もエルフより短耳で少し尖ったぐらいの為地域によっては魔族と間違われ迫害対象になる事もある。

メイヴェール領主では本人がハーフエルフの為住みやすいと集まりがち
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