本編完結:淫魔の好きな人

加速・D・歩

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・本編完結

9 落ち込む

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「大山暗いぞー?」
「そう、すっかね」
「んだな、どうした寝違えたか?」
「はは、そんなんで落ち込まんでしょ」

 普通に雑用の業務をこなしてたら同僚から励まされた。それぐらい人によっては分かるぐらいの落ち込みだったって事……?
 
「ほぼ毎日居るんだから分かるだろそりゃ」
「あはは、すっかね?」
「で、いつ行く?」
「?」
「大山の励まし会だよ!」
「それただ単純に飲み会行きたいだけでしょ」
「バレた?」

「で、何時頃行くー?」と今日の仕事終わりに行くことになって、いつもの鳥貴に行くことに。同僚10人で、なんかいつもより多くね? と思いつつ。




 ワイワイガヤガヤ、だいたい2時間ちょっと飲みつつ喋ってまた違う人と喋って。
 いつも同じ部署の人でも喋る人と全然喋らない人とか居るからこういうのって新鮮だなぁ。
 楽しい。来てよかった。

「な、楽しいだろ」
「はい、気分も上がりました!」
「なら良かった。あ、良かったついでにあそこの子、フラフラしてんだろ、先に送ったれ」
「あー、ですね。結構酔ってるっぽいし、行ってきます」
「おー、サンキューな」

 種族関係あるのか、無いのか酒は強いかな。結構飲んだけどみんなみたいにフラフラしないし全然平気。座りつつ壁にぐて~っとしてる女性に声をかける。

「大丈夫? 先に帰ろうか」
「はい……っ」

 立つのもやっとな彼女に手を差し伸べつつ同僚に声をかけて店を出る。同僚はホッとした表情をしてたからかなり心配してたんだろ。まぁあの飲み会の幹事はあの人だから手が空いてる俺が任されたんだろ。

「そこ、段差あるから」
「はい、んんっ、風が……気持ちいいですね」
「あ~確かに涼しい。タクシー捕まえるので──」
「あの! 少し歩きません?」

 店を出ると女性が俺の肩に寄りかかる。そよぐ風が心地いいと、確かに涼しくて分かるなぁと思いつつずーっとそこにいる訳には行かないからタクシーを呼んでこようと道路側に行こうとしたら、呼び止められた。酔ってるから顔真っ赤になってるし、俺に寄りかかるぐらいなんだから、歩くって、無理するなよ……と思いつつも彼女が俺の腕にギュッと自身の腕を絡まして歩き始めるからそのままついて行く事に──……

「あ~あそこの服屋さん可愛い服が多いんですよ!」
「ここのカフェのスイーツも美味しくてぇ」
「よくこのお店にお昼で来て同僚の子とランチするんですよぉ」

 会社に近い所だったから行きつけのお店がいっぱいあるらしくて彼女は上機嫌で指をさす。って言っても夜だからやってる店がなくて入れないけど「へー、そうなんだ」と相槌を打つしかない。


「大山くん、ねぇ。いっぱい歩いて疲れちゃったから……ココで休憩しよっか」
「ここって、」

 いつの間にかピンク色のラブホの前に居た。休憩、ねぇ。彼女の俺の手を引く力が強い。んんーこれってそういう事だったのかなぁ……

「えーっと、相澤あいざわさんは……」
「ぁ、名前知ってたんだ。カナで良いよ?」
「カナさんは付き合ってる人とか、居ない?」
「ふふ、居ないよ~超フリー!」
「……」
「ねえ、早くはいろっ!」

 付き合ってる人の確認は大事。特に淫魔は。カナさんは誰とも付き合ってないって事で彼女に手を引かれながらホテルに入った。

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