本編完結:淫魔の好きな人

加速・D・歩

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・本編完結

12 遊園地

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『突然ごめん、連絡交換したのにスタンプとか送ってなかった。』

 彼、冬馬さんから連絡が来てビックリして一回手からスマホが落ちた。あ、スタンプ、俺も送ろうと思ってた……

『こんばんは、俺もスタンプ送ろうと思ってて、あと今日冬馬さんに連絡しようと思ってて! すごいタイミング!』

 デフォルトで入ってるビックリした表情のスタンプをポチッとする。
 すぐに冬馬さんから連絡が来て少し会話をする。

『ん、何か用があったの?』
『俺の知り合いが遊園地に遊びに行こうって言ってて、どうですか?』
『こっちでも知り合い呼んでいい?』
『はい! もちろんです!』

 楽しそうなスタンプをポチッと。フミフミが遊園地って言ったわけじゃないけど、あとでそれも伝えとこ。
 その後はトントン拍子にフミフミにも日程とかどこの遊園地とか連絡して──……




「良い天気で良かったよ!」
「本当ですね」

「こんにちは俺、ハルの友達の守屋もりやふみです」
「フミフミ、怖そうだけどバンドマンなだけだから」
「ハルぅ、怖そって言うなよぉ~!」

「おお、派手ですね、俺は遠野とおのさとしこっちは尾形おがた博信ひろのぶ
「よろしく」

 一通り自己紹介をして、フミフミの見た目が結構派手で、遠野さんは平気そうだったけど尾形さんがちょっと引いてたのでバンドマンしてるんだよ~とフォローしといた。
 銀髪のウルフカットで耳以外にも鼻とか唇、舌、ボディピアスとかしてるから……本人曰くセフレの数とか言ってたな、本当かは知らないけど。
 ま、気がいい奴だから。うん。

 遠野さんは声からして冬馬さんの相談相手のあの、体育会系の人かな。尾形さんは同僚にこんな人居たっけ?

「遠野は同じ部署で働いてて、尾形は大学の時からの親友なんだ。遊ぶっていったら是非って」
「そうだったんだ、よろしくね」
「……よろしく」
「人見知りなんだ、遥は良い人だから」
「・・・」

 尾形さん人見知りなのか。にしてもめっちゃジィ──と見られてるような、うーん、遊んでれば仲良くなれるかな?

「とりま、ジェットコースターしょ!」
「いきなり過ぎね?!」
「ゴーゴー!」
「フミフミ、走っていくなっ!」
「遥、守屋さんと仲いいな、てかさん付けしなくても良いんだけど」
「あ、なんか悪いかなって思って、へへ冬馬って呼ぶね。フミフミは同じ──「置いてくぞー!」ま、待ってよ!」

 フミフミは絶叫系とかお化けとか好きなんだよなぁ。遊園地に来たら誰よりも少年のようにキラキラした表情で楽しんでる。それが人気の秘訣なのかなぁ。


 開園時間で入ったのにもう長蛇の列、流石に何時間待ちではないんだけど……

「ポップコーン買ってきた! 食べようぜ!」
「朝から元気だなあ」
「数十分は並びそう……」
「遥、今日もいい匂いだな」
「え、ほんと?」

 好きな人からスンスンされる。わー、俺顔真っ赤になってない?! 顔が熱い! 至近距離、キス出来そう……わっ、

「大山くん、先進むよ」
「あ、うん! 教えてくれてありがと尾形くんっ」

 服をチョイと引っ張られて少し下を見ると尾形くんが進んでるって教えてくれた。こんな人が多いところでしかも恋人がいる人にキスとか何考えてんだ俺は!

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