本編完結:淫魔の好きな人

加速・D・歩

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・本編完結

13 ジェットコースター

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 ついにジェットコースターの順番が来た。列に並んでる時は、フミフミ、遠野さん、冬馬、尾形さん、俺の順で、2、2、1俺は別のお客さんと座ることになるのかな? と思ってたら、1、2、2で、フミフミの方が別のお客さんと座ることになってた。

「……っ」
「尾形くん、大丈夫? 震えてない?」
「大丈夫」

 隣でカタカタ震える尾形くんに声をかけると長めの前髪からジッと見られる。睨んでる様にも見えるけど、いやいや緊張して顔がこわばってるだけ。だよな。

「はやく乗ろ」
「う、うん。そうだね」

 安全バーを係りの人にやってもらって出発の合図と同時にめっちゃスピードが出るッッ!!
 
「うわー! たのしー!」
「ゔわぁぁああ!!」
「ヤベー!」

 みんな思い思いに叫んで楽しんでる。ふと見ると青ざめてる尾形くんに気づいて手を握る。少しでも落ち着くかな、ってまわるまわるッッ


「ぜえ、ぜえ」
「はあ、はあっ、」
「さすがに、……休憩しようぜ」

「えー? 楽しかったのにー!」
「バケモンかよ」

 ジェットコースター終わり近くのベンチで俺達はのびた。フミフミだけケロリとしてて、「飲み物買ってくるー!」と冬馬と行ってしまった。

「なぁ、守屋とはどういう関係なんだ?」
「どーいう関係って言われても……小さい時に知り合って腐れ縁?」

 冬馬だけなら同じ淫魔だと説明できるけど遠野さんたちがいる所では、腐れ縁って事にしとこ。にしても関係が気になったのはなんでだろ。

「ふうん。あとさっきジーって見つめられたんだけど癖?」
「あー、たまにそういうのあるかも。目フェチなんだってさ!」

 ちょ! フミフミ何やってんの?! それ絶対《魅了》かけてんじゃんっ! 咄嗟に目フェチってよく分からない誤魔化し方になったけど!


「飲み物買ってきたー! ってハル引っ張るなって!」
 
 戻ってきたフミフミに問いただそうと皆に飲み物を渡したあとの彼を少し離れた所に呼ぶ。

「俺が冬馬好きなの知っててなんで《魅了》かけんだよ!」
「んー? 確認?」
「はあ? 確認って……」
「残念ながらかからなかったよ。てか、めっちゃ好きな人居るね彼は」
「そりゃ、恋人が居るんだもん。つーかかかってトラブルになったらどうするんだよ!」
「んなの解除して記憶を消したら良いだけでしょ。」
「フミフミのバカ!」

「おーい、何やってんだ~次行くぞ!」

 面白半分でそう言うことしてトラブルになっても知らないんだから! と俺はフミフミに怒るけど当の本人はあっけらかんとしてる。
 遠野さんから呼ばれて行くと次何に乗るか迷ってるらしい。

「次、近いところ攻めるか、誰か行きたいところに行く?」
「んー、次はあ、あれ! あれ乗ろうよ!」
 
 グー、チョキ、パーで分かれてアトラクションに乗ることに。俺がチョキで、遠野さんとフミフミがパー、冬馬と尾形さんがグーで俺は他のお客さんと相乗りでヒコーキの形をした乗り物に乗って何周かグルグルと回る、上下移動もできてちょっと怖い。
 前の尾形さんと冬馬が見える。尾形さんさっきまで具合が悪くて顔色も良くなかったけど冬馬と楽しそうに笑い合ってる。


「次は~コーヒーカップ!」
「えー! 絶対酔う!」

 行こう行こうと引っ張られ、グッパーで分かれると遠野さんとフミフミと尾形さん、冬馬と俺になった。

「「ギャアァァァアア!!」」
「アハハハ! アハハハ!」

 うわぁ……フミフミこういうアトラクションも好きだったのか。あっちはいきなりフルスロットルでフミフミが回転操作して2人が絶叫してそれを見た周りが引いてる……

「あっちじゃなくて良かった」
「俺も。」


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