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・本編完結
14 昼めし
しおりを挟む「吐きそう……」
「死ぬかと思った」
「えー? そうかなぁ?」
「「三半規管どうなってるの」」
「とりあえず昼頃だし飯にするか」
「この後絶叫系パスするわ」
「遠野が嫌って相当だな」
グロッキーな2人を気にかけつつ少し歩いてフードコート内に行く。とりあえず2人には取った席で休んでもらってフミフミと俺、冬馬で昼メシを買いに行く。
「ハンバーガーとかいいよね。」
「これ、セットで頼んどこ。足りなかったら好きに買いに行ってもらえばいいし」
「だな、俺はうどん食べたいから行ってくるわ」
「自由だな、守屋は」
トレーに買った昼メシを乗せて冬馬方はドリンクを乗せて席に戻った。
「テキトーに買ってきたから食べれそうなのつまんで。」
「あと足りなかったら各々ってことで!」
「うどん食べるの久々!」
手を合わせていただきます! をしてからダブルチーズハンバーガーを食べる。作りたてで肉汁が溢れ濃い味のチーズと合ってマジで美味い!
「このカリカリ系のポテトも美味いんだよな」
「俺は普通のハンバーガーだったけどそっちど?」
「おいしーよ、ほらこの部分肉とチーズが、「一口貰っていい?」! う、うんっ! いいよ、はい」
冬馬に俺が買ってきたハンバーガーの話をしたら一口って言うからビックリしちゃった。え、普通なのかな? でも好きな人が欲しいって言ったら……それにこれ間接あわわっ! と脳内がパニックになりつつも冷静に対応する。
「うん、美味し。ありがと」
「でしょ! マジ肉とチーズしか勝たん!」
「俺の頼んだ和風の食べる?」
「! いいの?」
「はい!」
「はむっ! こっちも大根おろしのソースがかかってて美味し! へへっ」
「ラブラブだねぇ」
「ほんと、心配して損したよ」
「……っ」
「ちょっと俺らトイレ。尾形くんもおいで?」
フミフミが変な事言い出して遠野さんもなにか心配してた……? あれかな、初見で会って遊ぶの。俺も人見知りしちゃうし仲良くなれたかなー? って、相変わらず尾形さんの眼光鋭いけどもしかしてデフォ? 3人は連れションに行ってしまった。
あー、顔熱い。飲み物飲んで冷たくなった手を頬に当てた。
「遥どうした? 熱でも?」
「ちょ、あのっ!」
ひんやりしてたら冬馬が覗き込んできてオデコを当てる。また至近距離──ッ!! もしかして冬馬の癖? 首筋からいい匂いがして──
「遥、っ、擽ったいよ?」
「ぁ、あっ! ごめんっ、いい匂いだったからつい……」
「香水かな、今日の為に付けてみたんだけど、」
無意識に彼の首に鼻を近づけてたみたいで、また一人でパニくる俺。香水、言われてみれば確かにシトラス系? の爽やかな、彼にピッタリな匂い。
「普段付けないからさちょっとどれぐらい付けるか迷った」
「ふふ、そうなんだ、俺もなんかつけてみようかなあ?」
「遥は、そのままでもいい匂いがするからなぁ」
花の匂い、なんだっけ。自分では分からないんだけど。そんな会話をしてたら3人が帰ってきてフミフミ以外の2人の目がショボショボしてる。
「二人とも“急に”眠くなっちゃったらしくてさ! 俺送ってくわ!」
「へ? そうなんだ、気をつけてね!」
「今日は楽しかった、ありがと!」
「観覧車の風景が良いらしいから乗ってけよ! じゃっ!」
フミフミの両側から2人がもたれてて本当に眠そう、まぁ確かに絶叫とか乗って疲れたしなぁ。
観覧車か、少し丘になってる所にあるんだよな。
「ちょっとトイレ行ってくるわ」
「あ、うん。いってら~!」
いっトイレ! って言おうか迷ったけど冬馬がトイレに行った間なんとなしに香水のことを調べてたら【女子ウケ香水レビュー】っていう記事があって読むとさっきのシトラス系が載ってた。やっぱ、恋人に会うためにあれかなぁ……と少し落ち込むけど、遊園地では2人っきりだし! と恋人さんに悪いけど俺は勝手に冬馬と“デート”を楽しむことにした。
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