本編完結:淫魔の好きな人

加速・D・歩

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・本編完結

15 遊園地デート

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 フードコートから出ると道沿いにお客さんが集まってワイワイガヤガヤしているのを見かけて二人で近づく。

「なんの集まりだろ?」
「イベントかな?」

『当遊園地のキャラクターNくんとYくんです!』
「「わー!」」
『今日は彼らには的あての的になってお客さんにこのダーツを投げてもらいましょう! 柔らかいダーツなので大丈夫ですよ!』

 ステージの上にはNとYの着ぐるみキャラ2人が的あての為に壁に貼り付けにされている。壁はルーレットにもなってて回るらしい。参加者は楽しそうにダーツを投げてる子供たち。当たった部位で景品が貰えるみたい。

「へぇ、なんか名物らしいよ。これ、他にも色んなパターンがあるみたいだ」
「景品が貰えるの良いよね」

『おっーと! 大当たり! 景品は“いい子にしてたら来世は選べるドン”ちゃん人形でーす!』
 
 変な名前の人形を貰った小さな子はそれでも嬉しそうに人形を抱いてステージから降りていった。


「メリーゴーランドなついなぁ!」
「今って馬以外もあるんだ」
「これ乗ろうぜ!」

 どれに乗るか迷う。前にデュラハンさんに会った時は黒い馬見せてくれたけど、あの人達頭ないけど女性の人達なんだよねぇ。服も鎧だしよく勘違いされるって言ってたなぁ。

「早く決めないと!」
「んじゃ、これ」

 なんとなく紫に塗装されてる馬に跨った。冬馬は白馬に、なんか似合う、爽やか王子様──っっ!! 
 また一人勝手にはわわしつつ何回転して終わって、回ってる途中冬馬が振り返って手振るからもう、写真に撮りたいっ! って思ったし、これから彼女がこういう場面を見ることになるんだろうなぁって一人落ち込んだ。


「ポップコーン買ってくるわ」
「うん!」

 ベンチに座って少し待つ間目の前を通る家族や恋人、グループ、一人で楽しんでる人それぞれを眺める。夕方になってきて少しづつ暗くなってきてるけど人が多くて寂しい気分にならないのがいい。

「キャラメル味もあったから、普通のと食べようぜ、飲み物もはい」
「結構な量だったね、俺も一緒に行けばよかった」
「いやいや、大丈夫。イルミネーション凄いらしいし観覧車はその時でいい?」
「うん! へへ、キャラメル味のポップコーンって画期的だよね、もう結構経ってるけど。」
「な、今は色んな種類の味出てるけど小さい時に見た衝撃っつたら」

 少し懐かしい話をしながら、休憩してるといつの間にか建物やオブジェクトにライトが付き始めてキラキラと光っていく。

「お、イルミネーション」
「そろそろ、観覧車に向かうか」

 少し坂を登ると家族連れ以外はほとんど恋人達が並んでて少し気まずい……けど、これで最後……俺はこの恋をやめないと──

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