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・本編完結
16 観覧車の夜景
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「よいしょっと、やっと乗れたね」
「やっぱこの時間は並ぶんだね。あ! あっち凄い!」
やっと長蛇の列のあと、自分たちの番が来て係の人がドアを開けて乗り込むと向かい合いながら、少し照れて、窓の外を見るとさっきまで自分たちが居た場所や少し離れた場所が色とりどりのイルミネーションで彩られてるのが視えた。
「フミフミが言ってたとおりだ、きれい……」
「あのさ、……そっち座っていい?」
「うん、?」
「・・・俺遥に嫌なことした?」
「えっ?! なんで?」
「連絡全然来なくて落ち込んだし、俺もさっさとすれば良かったけど……あれだったし」
大きな観覧車だからゆっくり上がっていく中で、隣に座った冬馬の顔がしゅんとしょげてるのが薄暗い中見える。
だって、それは──
ヒュー──…… ドンッ!
花火の音と多分観覧車が真上に来た時──冬馬にキスされた。自分の後ろでは凄い打ち上がってる音がするけど、口の中に彼の舌が入ってきてビックリして両手で彼の胸を押し返す。
「やっぱり──「とうまっ、恋人が居るならダメなんだよ?!」うわき」
「「うん……?」」
「うわき? 浮気はトラブルになるからダメ!」って冬馬に言ったら彼は首を傾げて「何言ってるの?」と言われてなんか変な状態……? と少し落ち着いてから話してみた。
「えっと、遥は、俺の恋人だよな?」
「えっ?! い、いつ?! 俺、好きとは言ったけど、でも会社の廊下で聞いちゃったし、えっ、」
「いや、この前シタ時に言ってたじゃん。てか廊下って?」
「『恋人が連絡くれない』って話してたの聞いちゃったんだ、だからあのあとすぐに新しい人が出来て……俺ショックで」
「降りてくださーい」
・・・一周して係の人にドアを開けられたので一旦外に出る。少し歩いた先にベンチがあったから2人で座って変な状況になってる話を整理しようとした。
「あの後から恋人は遥の事だったよ。そっか、はは、早とちりしてた……ごめん」
「んん、ビックリした。アレってなんだったの、」
「あれ?」
「さっき言いかけた、」
「連絡がなかなか来ないから【壁尻店】に行ったり、そしたらホテル街で遥と女性が一緒にホテルに入ってく所見ちゃって」
「え、」
「すごいショックだった。でも──「冬馬、ごめん。」」
俺、最悪だ。
冬馬の立ち位置からしたら最悪な事しかしてない。
早く連絡取ればよかった、ちゃんと会って話せばよかった。女性の事も……
冬馬の両手を俺は持ち、彼の目を見る。
「ごめん、俺。冬馬に聞かなかったから、あの日冬馬と身体を重ねられて凄く嬉しかった。でも俺、淫魔だから……穢らわしい身体で、いつも劣等感があった。それでも小さい時から“誰か”の精液無しじゃ生きられなくて、」
だから普通の人みたいに一丁前に恋愛してその度にバカだな、冬馬に好かれるなんてあり得ないって思ってた。だからあの日もセックスして“最後で最高の日”って思って。連絡交換できて“またね”があって嬉しかったけど、自分が夢みたいだと緊張で連絡取らなかったせいでもあるし、バッタリ冬馬が話してるの聞いてショックって勘違いして過ごして、本当に、本当にバカだった。
うまいこと言えなくて支離滅裂になってる言葉をずーっと聞いてくれてる。
「でも、俺ずーっと好きだった。冬馬にだれか、恋人が出来ても諦めきれなくて、でも今日で最後にしようと思ってたから、っ」
「遥。あらためて、俺の彼氏になってください」
「うんっ! うれしい……っ」
「俺も、嬉しいよ、遥」
嬉しくて涙が出る。本当に? 夢じゃない……?
そんな俺に気づいて、冬馬がぎゅっと抱きしめてくれた。
「やっぱこの時間は並ぶんだね。あ! あっち凄い!」
やっと長蛇の列のあと、自分たちの番が来て係の人がドアを開けて乗り込むと向かい合いながら、少し照れて、窓の外を見るとさっきまで自分たちが居た場所や少し離れた場所が色とりどりのイルミネーションで彩られてるのが視えた。
「フミフミが言ってたとおりだ、きれい……」
「あのさ、……そっち座っていい?」
「うん、?」
「・・・俺遥に嫌なことした?」
「えっ?! なんで?」
「連絡全然来なくて落ち込んだし、俺もさっさとすれば良かったけど……あれだったし」
大きな観覧車だからゆっくり上がっていく中で、隣に座った冬馬の顔がしゅんとしょげてるのが薄暗い中見える。
だって、それは──
ヒュー──…… ドンッ!
花火の音と多分観覧車が真上に来た時──冬馬にキスされた。自分の後ろでは凄い打ち上がってる音がするけど、口の中に彼の舌が入ってきてビックリして両手で彼の胸を押し返す。
「やっぱり──「とうまっ、恋人が居るならダメなんだよ?!」うわき」
「「うん……?」」
「うわき? 浮気はトラブルになるからダメ!」って冬馬に言ったら彼は首を傾げて「何言ってるの?」と言われてなんか変な状態……? と少し落ち着いてから話してみた。
「えっと、遥は、俺の恋人だよな?」
「えっ?! い、いつ?! 俺、好きとは言ったけど、でも会社の廊下で聞いちゃったし、えっ、」
「いや、この前シタ時に言ってたじゃん。てか廊下って?」
「『恋人が連絡くれない』って話してたの聞いちゃったんだ、だからあのあとすぐに新しい人が出来て……俺ショックで」
「降りてくださーい」
・・・一周して係の人にドアを開けられたので一旦外に出る。少し歩いた先にベンチがあったから2人で座って変な状況になってる話を整理しようとした。
「あの後から恋人は遥の事だったよ。そっか、はは、早とちりしてた……ごめん」
「んん、ビックリした。アレってなんだったの、」
「あれ?」
「さっき言いかけた、」
「連絡がなかなか来ないから【壁尻店】に行ったり、そしたらホテル街で遥と女性が一緒にホテルに入ってく所見ちゃって」
「え、」
「すごいショックだった。でも──「冬馬、ごめん。」」
俺、最悪だ。
冬馬の立ち位置からしたら最悪な事しかしてない。
早く連絡取ればよかった、ちゃんと会って話せばよかった。女性の事も……
冬馬の両手を俺は持ち、彼の目を見る。
「ごめん、俺。冬馬に聞かなかったから、あの日冬馬と身体を重ねられて凄く嬉しかった。でも俺、淫魔だから……穢らわしい身体で、いつも劣等感があった。それでも小さい時から“誰か”の精液無しじゃ生きられなくて、」
だから普通の人みたいに一丁前に恋愛してその度にバカだな、冬馬に好かれるなんてあり得ないって思ってた。だからあの日もセックスして“最後で最高の日”って思って。連絡交換できて“またね”があって嬉しかったけど、自分が夢みたいだと緊張で連絡取らなかったせいでもあるし、バッタリ冬馬が話してるの聞いてショックって勘違いして過ごして、本当に、本当にバカだった。
うまいこと言えなくて支離滅裂になってる言葉をずーっと聞いてくれてる。
「でも、俺ずーっと好きだった。冬馬にだれか、恋人が出来ても諦めきれなくて、でも今日で最後にしようと思ってたから、っ」
「遥。あらためて、俺の彼氏になってください」
「うんっ! うれしい……っ」
「俺も、嬉しいよ、遥」
嬉しくて涙が出る。本当に? 夢じゃない……?
そんな俺に気づいて、冬馬がぎゅっと抱きしめてくれた。
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