健康優良男子が不健康女子に片思い中です。

法花鳥屋銭丸

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中学編

中三・桃の節句③

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 ベッドへ腰掛けているイコの、右足を捧げ持ちくちづける。足首を唇でみ、くるぶしを軽く吸う。壊れそうなつま先が痛々しくて、なおさら愛しくなる。

 足の小指はあまりにも小さく、その爪に至っては、きちんと存在するのさえ奇跡みたいな大きさだ。
 つま先を左手で包み、時折指先でなでながら、唇でふくらはぎをなぞりあげていく。白く滑らかな肌が俺を誘惑する。

 ああ。
 こんなに華奢な足で、いつも立って動いているのかイコ。その華奢な細さ、白さ、小ささを、壊れそうなすべてを、大事に守りたいと思う。床に座り上体を屈めてイコの足を愛撫する俺は、高貴なものを崇拝しぬかづく従者のように見えるだろうか。

 俺は目線をあげてイコを見る。喉元まで桜色に染めて、潤んだ目で俺を見つめるイコを。

「イコ。好きだ」
「う、ん……。私も。岩並君、たぁくん、好き」

 たぁくん。これからはイコだけがそう俺を呼ぶ。目に見えない繋がりが、イコとの間にもうひとつできる。堪らなくなって小さな膝頭へ歯を当てれば、イコが甘い悲鳴をあげた。そのまま横のくぼみを舌でくすぐる。

「ひ、う、んっ。くすぐったい、よぉ……」

 自分の声の甘さに恥ずかしくなったのか、キスが欲しくなったのか、イコは切なげに俺を見ながら自分の指を吸った。ちう、という小さな音に、またひとつ理性を剥ぎ取られる。

 大きく口を開けて内ももに噛みつく。イコの体がビクンと跳ねた。くぐもった悲鳴を聞きながら甘噛みを続け、その柔らかさを味わう。普段運動しないイコは筋肉さえもふわふわと柔らかい。甘い感触に、唇から溶けてしまいそうだ。
 邪魔なスカートを上へ押し上げれば、フリルの付いたペチコートが揺れて俺を誘う。

『私も寂しくなんかならないように、岩並君と繫がりたい。痛くても苦しくても構わないから岩並君が欲しい。体中全部、触れたいし触れてほしい。岩並君が相手なら、ひどいことだってされてみたいの』

 飾らない愛の言葉。
 痩せて小さく病弱で、周囲から優しく守られてきたイコのどこに、この情熱があるのだろう。俺はイコの情熱を受けるにふさわしいだろうか。
 イコ。
 大事な大事な、大好きな俺のお姫様。
 俺のこいびと。

 右の内ももから顔をあげ、今度は左足へ触れる。まだ脱がしていなかった左のレースの靴下へ手を伸ばす。
 片手で先をつまみゆっくりと引き抜けば、愛撫で敏感になってしまったイコが、肌を綿のレースになでられて熱い息を吐いた。
 脱がし終えた靴下を床に落とす。

 ぱさっ。

 それきり部屋は静まりかえり、午後の日差しの中、聞こえるのは明るさとは不似合いにうわずった2人の息づかいと、暴れまわる鼓動だけ。

「イコ」

 俺は体を起こし膝立ちになる。そのまま立ち上がりながら、イコの足の間へ膝をつき、小さな体へゆっくりと覆い被さる。
 ベッドへ上体を沈めたイコは息を詰め、俺の視線から逃れるように横を向く。

 だめだイコ。もう逃がしてやれない。

「イコ、脱がすぞ。こっちを向いて」
「う、ん」

 大人しく言うことを聞いてこちらを向いたイコの唇に吸いつく。
 何度となく角度を変えてキスをむさぼりながら、小さな肩からカーディガンを落としブラウスのボタンへ手をかける。貝ボタンが外しにくい。

「ん、んっ。いわ、なみく……」
「呼び方が違う」

 言い直そうと開かれた唇に舌を差し込む。驚いて震える小さな舌へ舌を絡める。
 はだけたブラウスをカーディガンごと細い腕から外させる。襟ぐりが広く温かそうなインナーの裾へ手を入れて、脇からなで上げながらめくる。

「うう!」

 抗議するようなくぐもった声にキスをやめれば、荒い息の中イコが言う。

「たぁ、くん。脱がすの、手慣れてる」
「そうか?」

 童貞に何を言うかと笑ってしまう。経験なんか一度もない、あるとすれば。

「頭の中で何度も、イコを脱がしたから」
「うわあ、こちらもイメトレ済みですか! エッチ!」
「今からもっとエッチなことになるけどな」
「うー」
「ほら脱がすぞ、ばんざーい」

 インナーを脱がすと、上半身は真っ白な肌に、淡い水色のブラを身に付けただけになる。あばらが浮くほど細いのに、窮屈そうにブラに包まれた胸は谷間を見せている。ふっくらと白く柔らかそうだ。
 ずっと見入っていたいけれど、こちらが先とスカートのホックとファスナーを外して降ろせば、もうイコが身に付けているのは下着しかない。
 細く、白く、壊れそうに華奢な体。夢にまで見た、大好きなイコの体。誰にも渡さない、誰にも触らせない。俺だけの肌にしたい。
 イコが身を縮めた。

「えっと、ブラを外したら谷間マジックが消えるのですがッ」
「問題ない」
「即答! え、えっと、ガリガリで触っても楽しくない、と、思う」
「イコは世界で1番魅力的だ」
「うわあ真顔で最高評価きた!? これ盲目? 恋は盲目!?」
「他に言いたいことは?」
「私ばっかり脱いでる。たぁくんも脱いでよう、大胸筋を! 触らせろ!!」

 言われてみれば確かにそうだ。俺はシャツの首元を緩めると、下着やセーターもひとまとめにして脱ぎ捨て床に落とした。

「ふわあ♡」

 イコはとろけた声をあげ、小さな手のひらをこちらに伸ばして俺の胸元に触れる。

「ふっかふかなんだあ。あ、もう一回力入れて! わあ硬くなった!」

 小さな手、細い指に胸元をまさぐられて堪らなくなる。

「腹筋! 腹筋触ってもいい?」

 みぞおちへ伸ばされた手を掴み、イコの頭の横へ軽く押さえつける。

「あんまりあおるな。優しくしてやれなくなるから……」

 顔を覗き込むと、きょとんとしていたイコの表情が羞恥に染まる。押さえつけていた手を離し、ふわふわの髪をすきながらなでれば、イコは目を閉じて深く息をついた。
 急に饒舌になったのも、はしゃぎはじめたのも、緊張しているせいだろう。俺も同じだ、今すぐイコにむしゃぶりつきたい衝動と、息苦しい緊張に心臓が暴れ通しだ。そのうち俺は発作で死ぬんじゃないか。

「イコが好きだ。イコが本当に嫌なら、やめても構わない。俺はイコの心も体も、全部欲しいんだ」
「嫌じゃない。どきどきしてるだけ……。ねえたぁくん、もっとなでて。たぁくんの手が好き。安心する。あったかくて優しいの」

 まぶたを閉じたまま口にする。
 可愛いおねだりにキスをひとつして、髪をすき、小さく可愛い耳をなぞり、手の甲で頬をなでる。
 イコが目を開き、俺を見つめる。
 虹彩や瞳孔の際さえ目立たないほど、深く深く濃い瞳。いつだって俺が焦がれてやまない眼差し。

「岩並君。たぁくん。大好きだよ」

 イコの両手が、俺の頬を包む。

「触って。全身、残らず。たぁくんの、好きなだけ――――」

 甘い笑顔に、俺ののどがひゅう、と鳴った。
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