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修行
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タオの“修行”という言葉に、目を大きく見開く2人。
「えぇと、もうちょっとのんびりしない?」
「そうだな。今日はもう遅い。今日のところはタオ殿もゆっくり休まれて、修行は明日でも良いのではないかな?」
そんなことを言う二人に、
「何を言ってるかなぁ。外はまだ全然明るいよ。ここには修行するために来たんだから、二人ともさっさと外に出る!」
タオの一喝に、慌てて外に飛び出していく二人。
その背中を見て、タオは小さくため息を吐く。
「主様、これは仕方のないことです。ふつうの人間にとって、ここの気は抗い難い快楽となります。
人の世で穢れた肉体が、無意識のうちに清浄な気を求めるのはいわば本能です。
決して、主様が連れて来られた方々が特別に怠惰というわけではございませんよ」
そう言う素貞に、そういうものかと納得するタオ。
でも、そういうことなら、なおさら厳しい修行をさせてあげないといけないね。
こうして始まったタオの壺中天での修行は、レイアとアンドレの二人にとっては想像を絶するもので……。
「もっと体内に流れる気を意識して! 大周天は無理でも小周天くらいは会得できないと、勝負にならないよ!」
「レイアお姉さんの気の量だと、いくら頑張っても普通の獅子を締め殺す程度がせいぜいだからね。そんなんじゃ話にならないよ。だから、お姉さんはもっと気の流れを繊細にコントロールして……」
「アンドレさんは頭で考え過ぎなの。もっと周囲の状況を素直に感じるようにしなくちゃ! そんなんじゃ、避けられないよ」
タオが取り出した札の束に呪をかけると、それは全て拳ほどもある巨大な蜂にその姿を変える。
「大丈夫、毒はないから。刺されると、めちゃくちゃ痛いけどね」
タオの指示に従い、レイアとアンドレを取り囲む蜂たち。
「レイアお姉さんは、とにかく自分の中を流れる気が外に漏れないように意識すること。
蜂はお姉さんの身体から漏れ出た気でお姉さんの位置を感知するから、気さえ漏らさなければ襲われることはないよ」
「アンドレさんは、自分の剣の間合いに己の気を満たすように。あとはひたすら無心だよ。そうすれば、自分の間合いに入ってくる存在にすぐ気づけるようになるからね」
攻撃を避けきれず、蜂に刺されるたびに悲鳴をあげるレイアとアンドレに、事もなげにそんなアドバイスをするタオ。
己の生者としての気配を完全に消し去り、悪鬼羅刹の蔓延る地獄の中を歩かされる修行を当たり前にしてきたタオにとって、この程度の修行は初歩の初歩。
簡単にできて当たり前だったりする。
かの南華老仙にその才能を見出され、一流どころの神仙がこぞってその才能を慈しみ育ててきた少女の基準は、月まで届くほどに高い。
なまじ周囲が周囲だっただけに、自分が普通だと思っているタオにとって、レイアやアンドレの悲鳴も「大袈裟だなぁ」くらいにしか感じられないもので……。
「主様、初めからあのように多くの蜂に攻められては、気の集中もままなりません。
まずは、一匹、ニ匹の蜂を差し向け、慣れてきたら徐々に増やしていくのがよろしいかと」
そんな拷問とも思える修行風景に、見かねた素貞が口を挟む。
「そう? 下界に詳しい素貞が言うならそうなのかなぁ……なんか、まどろっこしい感じがしちゃうけど」
そんなどこか納得がいかない様子のタオに、
「主様、一夏しか生きられぬ蝉と千年を生きる亀の尺度が違うように、主様とご友人の尺度も違うのですよ。
人の生きる速さは人それぞれですから、のんびり見守られるのが良いと思いますよ」
そう言う素貞は千年を生きる蛇だ。
師匠もそうだけど、仙と呼ばれる者たちは総じて気が長い。
そのくせ、物覚えがいいからと、本来数百年かかるボクの修行は、たったの十数年で終わらせちゃうんだから……。
ほんと、訳がわからないよ。
ともあれ、ボクが下界の事も人の事もよくわかっていないのもまた事実。
ここは、素直に素貞のアドバイスに従うことにしよう。
どうせ、壺中天の中なら、いくら時間がかかっても関係ないしね。
…………
一体、どれほどの時間が流れたのか。
初めこそただひたすらに悲鳴を上げるだけだった二人も、少しずつ自分の中の気の扱いに慣れていき、今では己を取り囲む無数の蜂の攻撃もなんのその。
いくら接近しても無反応の蜂に素早く一撃を加えるレイア。
背後から襲い来る蜂を、まるで背中に目があるかのような動きで次々に切り伏せていくアンドレ。
(これなら、いい勝負ができそうかな)
二人の成長に満足したタオは、修行の終了を宣言する。
「はい、ここまで」
その瞬間、レイアとアンドレを囲んでいた無数の蜂は全て札へと変わり、ひらひらとタオの手の中に収まっていく。
それを暫し呆然と眺めていた二人は、まるで夢から醒めたかのように感情を取り戻す。
「終わったぁ!」
「やり遂げた、のか……?」
忘れていた感情が、二人のうちから溢れ出す。
一体、どれほどの時間、修行させられたのか……?
途中からは時間の感覚も彼我の区別も曖昧になり、ただ無心に剣を振り続けた。
まさに、無念無想。
ただ、そこにあるものを切る。
それをひたすらに繰り返す時間。
気がつけば、辺りは薄闇に包まれている。
地面にへたり込んだ二人は、お互いの姿を見て苦笑い。
「お互い、ぼろぼろですね」
「こんなのは、父に連れられて初めて出た戦場以来ですよ」
「ちょっと、稽古をつけてもらうだけのつもりだったのですが……」
「まぁ、タオ殿の修行ですから……」
「そうですね、タオちゃんですしね……」
この場所の空気のせいか、心地良い疲労感はあるものの、嫌な感じの倦怠感はない。
厳しい修行を乗り切った二人の間には、まるで戦友のような連帯感が生まれていた。
「二人ともお疲れ様。素貞が食事を準備してくれているからゆっくり休んで」
そんなレイアとアンドレの様子に満足しつつ、二人に休息を促すタオ。
今の二人ならあの子が相手でもいい勝負ができそうだし、カティに頼まれた二人の距離を近づけるって課題もクリアできたと思う。
よし、これで準備も整った。
あとはネメア平原に行って、ネメアの獅子の爪をもらってくるだけだね。
「えぇと、もうちょっとのんびりしない?」
「そうだな。今日はもう遅い。今日のところはタオ殿もゆっくり休まれて、修行は明日でも良いのではないかな?」
そんなことを言う二人に、
「何を言ってるかなぁ。外はまだ全然明るいよ。ここには修行するために来たんだから、二人ともさっさと外に出る!」
タオの一喝に、慌てて外に飛び出していく二人。
その背中を見て、タオは小さくため息を吐く。
「主様、これは仕方のないことです。ふつうの人間にとって、ここの気は抗い難い快楽となります。
人の世で穢れた肉体が、無意識のうちに清浄な気を求めるのはいわば本能です。
決して、主様が連れて来られた方々が特別に怠惰というわけではございませんよ」
そう言う素貞に、そういうものかと納得するタオ。
でも、そういうことなら、なおさら厳しい修行をさせてあげないといけないね。
こうして始まったタオの壺中天での修行は、レイアとアンドレの二人にとっては想像を絶するもので……。
「もっと体内に流れる気を意識して! 大周天は無理でも小周天くらいは会得できないと、勝負にならないよ!」
「レイアお姉さんの気の量だと、いくら頑張っても普通の獅子を締め殺す程度がせいぜいだからね。そんなんじゃ話にならないよ。だから、お姉さんはもっと気の流れを繊細にコントロールして……」
「アンドレさんは頭で考え過ぎなの。もっと周囲の状況を素直に感じるようにしなくちゃ! そんなんじゃ、避けられないよ」
タオが取り出した札の束に呪をかけると、それは全て拳ほどもある巨大な蜂にその姿を変える。
「大丈夫、毒はないから。刺されると、めちゃくちゃ痛いけどね」
タオの指示に従い、レイアとアンドレを取り囲む蜂たち。
「レイアお姉さんは、とにかく自分の中を流れる気が外に漏れないように意識すること。
蜂はお姉さんの身体から漏れ出た気でお姉さんの位置を感知するから、気さえ漏らさなければ襲われることはないよ」
「アンドレさんは、自分の剣の間合いに己の気を満たすように。あとはひたすら無心だよ。そうすれば、自分の間合いに入ってくる存在にすぐ気づけるようになるからね」
攻撃を避けきれず、蜂に刺されるたびに悲鳴をあげるレイアとアンドレに、事もなげにそんなアドバイスをするタオ。
己の生者としての気配を完全に消し去り、悪鬼羅刹の蔓延る地獄の中を歩かされる修行を当たり前にしてきたタオにとって、この程度の修行は初歩の初歩。
簡単にできて当たり前だったりする。
かの南華老仙にその才能を見出され、一流どころの神仙がこぞってその才能を慈しみ育ててきた少女の基準は、月まで届くほどに高い。
なまじ周囲が周囲だっただけに、自分が普通だと思っているタオにとって、レイアやアンドレの悲鳴も「大袈裟だなぁ」くらいにしか感じられないもので……。
「主様、初めからあのように多くの蜂に攻められては、気の集中もままなりません。
まずは、一匹、ニ匹の蜂を差し向け、慣れてきたら徐々に増やしていくのがよろしいかと」
そんな拷問とも思える修行風景に、見かねた素貞が口を挟む。
「そう? 下界に詳しい素貞が言うならそうなのかなぁ……なんか、まどろっこしい感じがしちゃうけど」
そんなどこか納得がいかない様子のタオに、
「主様、一夏しか生きられぬ蝉と千年を生きる亀の尺度が違うように、主様とご友人の尺度も違うのですよ。
人の生きる速さは人それぞれですから、のんびり見守られるのが良いと思いますよ」
そう言う素貞は千年を生きる蛇だ。
師匠もそうだけど、仙と呼ばれる者たちは総じて気が長い。
そのくせ、物覚えがいいからと、本来数百年かかるボクの修行は、たったの十数年で終わらせちゃうんだから……。
ほんと、訳がわからないよ。
ともあれ、ボクが下界の事も人の事もよくわかっていないのもまた事実。
ここは、素直に素貞のアドバイスに従うことにしよう。
どうせ、壺中天の中なら、いくら時間がかかっても関係ないしね。
…………
一体、どれほどの時間が流れたのか。
初めこそただひたすらに悲鳴を上げるだけだった二人も、少しずつ自分の中の気の扱いに慣れていき、今では己を取り囲む無数の蜂の攻撃もなんのその。
いくら接近しても無反応の蜂に素早く一撃を加えるレイア。
背後から襲い来る蜂を、まるで背中に目があるかのような動きで次々に切り伏せていくアンドレ。
(これなら、いい勝負ができそうかな)
二人の成長に満足したタオは、修行の終了を宣言する。
「はい、ここまで」
その瞬間、レイアとアンドレを囲んでいた無数の蜂は全て札へと変わり、ひらひらとタオの手の中に収まっていく。
それを暫し呆然と眺めていた二人は、まるで夢から醒めたかのように感情を取り戻す。
「終わったぁ!」
「やり遂げた、のか……?」
忘れていた感情が、二人のうちから溢れ出す。
一体、どれほどの時間、修行させられたのか……?
途中からは時間の感覚も彼我の区別も曖昧になり、ただ無心に剣を振り続けた。
まさに、無念無想。
ただ、そこにあるものを切る。
それをひたすらに繰り返す時間。
気がつけば、辺りは薄闇に包まれている。
地面にへたり込んだ二人は、お互いの姿を見て苦笑い。
「お互い、ぼろぼろですね」
「こんなのは、父に連れられて初めて出た戦場以来ですよ」
「ちょっと、稽古をつけてもらうだけのつもりだったのですが……」
「まぁ、タオ殿の修行ですから……」
「そうですね、タオちゃんですしね……」
この場所の空気のせいか、心地良い疲労感はあるものの、嫌な感じの倦怠感はない。
厳しい修行を乗り切った二人の間には、まるで戦友のような連帯感が生まれていた。
「二人ともお疲れ様。素貞が食事を準備してくれているからゆっくり休んで」
そんなレイアとアンドレの様子に満足しつつ、二人に休息を促すタオ。
今の二人ならあの子が相手でもいい勝負ができそうだし、カティに頼まれた二人の距離を近づけるって課題もクリアできたと思う。
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