18 / 31
壺中天
しおりを挟む
「あの、タオちゃん。タオちゃんが稽古をつけてくれるのはとってもうれしいんだけど……。
できれば、野営準備を先にさせてもらってもいいかしら?
日が沈んでからだと、色々と大変になっちゃうのよ。
まずは野営用のテントを張って、薪集めもあるし、できれば食材も確保したいのよ。
暗くなると料理もし辛いから、早めに下準備は済ませたいしね」
今日はここで野営をすると言った途端、突然今から修行を始めると言い出したタオに、やはり野営は初めてかと野営の心得について話し出すレイアだが……。
「あぁ、それは大丈夫だよ。今日はボクの家に泊まればいいから」
そう言って、腰の巾着から両手で抱えられるくらいの大きさの青磁の壺を取り出すタオ。
見るからに高価な壺だが、それを気にする様子はない。
白地に青で描かれた東方世界の風光明媚な自然の景観は、今にも吸い込まれそうな美しさを放っている。
「さぁ、行くよ」
西方世界ではまず見かけない芸術品に、思わず見惚れていた二人の耳に、タオが両手を打ち鳴らす音が響くと……。
「えっ! ここはどこ!?」
「なっ! 先程までいた森ではない!?」
そこは、先程までいた街道沿いの森とは似ても似つかぬ別世界。
大気は清浄な気に満ち、空には瑞雲がたなびく。
森の木々は竹林へと変わり、小川のせせらぎが心地よく耳朶をくすぐる。
竹林を背にひっそりと佇むのは、西方では珍しい木で造られた建物。
大きくもなく、小さくもなく、まるでこの景色に溶け込むかのようにそこにある屋敷を指差し、
「今日はあそこに泊まるから」
そう笑って宣言するタオ。
突然様変わりした景色に、知らぬ間に現れた屋敷……。
「「…………」」
レイア、アンドレの二人は暫し、呆然としていた。
>
「……タオ殿、ここは……もしや、神界でしょうか?」
「そんなわけないでしょ。神界っていうのは神様が住む場所なんだから、そんな簡単には行けないよ」
「でも、ここ、ふつうの場所じゃないわよね。強いて言うならダンジョンに少しだけ似ている気もするけど……。
私の知ってるダンジョンはもっと空気が重くて……ここは、なんていうか、もっと空気がきれいっていうか……」
「うん、レイアお姉さんはやっぱり鋭いね。当たらずとも遠からず、かな。
ここはね、壺中天って言って、さっき見せた壺の中の世界なんだ。
現実世界から切り離された異界っていう意味では、レイアお姉さんの言うダンジョンと同じかもね。
でも、ここには悪意のある魔物もいないし、誰も勝手に入ってこれない。
だから、安心してもらって大丈夫だよ」
そう言いながら2人を屋敷へと案内するタオと、混乱しながらも黙ってついて行くレイアにアンドレ。
そうして3人が屋敷までやって来ると、門のところには東方風の衣を纏った美しい女性が一人。
「おかえりなさいませ、主様」
そう言って、タオに向かって恭しく頭を下げる。
「ただいま、素貞。しばらく、お世話になるよ」
「はい。それで、そちらのお二人は?」
「ちょっと出先で知り合った友達っていうか……しばらく、ここで修行させようと思ってるから、よろしく頼むよ。
それで、え~と……」
「(主様のご事情は存じております。こちらにおられることは仙界には伏せておきますので、どうかご安心を)」
「ありがとう! 素貞、よろしく頼むよ!」
そう言って嬉しそうに笑うタオと、それを微笑ましげに見つめる美女。
そんな二人を黙って見ていたレイアとアンドレはというと……。
(やっぱり、タオちゃんっていいとこのお嬢様なのね。それにしても、ここが本当にあの壺の中なら、タオちゃんってダンジョンを個人所有しているのと同じよね? 本当に、いったい何者なんだろう?)
(父上やカティから聞いてはいたが……流石にこれは、信じざるを得ないか。ただ強いだけ、霊薬を持っていただけでは説明がつかない。この異界を統べる主……正真正銘の女神様で間違いあるまい)
タオの評価を何十段も引き上げていた。
>
「小青はいないの?」
「はい、あの子には壺の外での見張りを申し付けておきました。大丈夫だとは思いますが、街道のそばですし、不届き者が出ぬとも限りませんので」
「あぁ、そうか、悪いね。壺には隠蔽の仙術がかけてあるから大丈夫だとは思うけど、たまたま通った人や魔物が偶然触っちゃうかもしれないしね。小青が見ていてくれるなら安心だ」
「そう言っていただけたら、妹も喜びます」
そんな話をしながら、レイアとアンドレに屋敷の中を一通り案内するタオと素貞。
屋敷の中は、外観に反して意外に広く、アンドレ、レイア各々に個室もあてがわれた。
野営であれば、レイア殿の寝顔を拝見する機会もあったのだが……というアンドレの心の声は、しっかりとタオの耳には届いていたが、敢えてそれを指摘するようなことはしない。
そんなもの、街の通りで聞こえてくる声に比べれば、どうと言うこともないかわいいものだから……。
>
「ここ、本当にすごいわね。部屋も素敵だけど、なんたってあの露天風呂は最高よ! なんだか、身体が軽くなった気がするもの。
それに、このお料理! 東方の料理なんて初めて食べたけど、ほんとうに美味しいわ」
部屋の案内が終わるとお風呂に案内され、風呂から上がると美味しい料理が用意されている。
まさに、至れり尽くせりのおもてなし。
ギルド長の名代で出席した冒険者ギルド本部の会議で泊まった宿だって、ここと比べれば月とスッポンだ。
もう、ずっとここに住みたい!
思わず、タオちゃんにお願いしたくなる快適さだ。
そして、それは、領主の息子であるアンドレにも言えることで……。
ここは本当に落ち着くな。
我が家の料理人もそれなりの腕だと自負していたが、ここの料理はレベルが違う。
屋敷に華美なところは見られないが、なんとも言えない品格のようなものを感じる。
こういった場所を見せられると、領主だなんだと言われても、所詮は人の範疇でのことと実感させられる。
これでは、ラモスの屋敷がひどくみすぼらしく感じてしまうな。
そんな2人を見ながら、タオは考える。
お風呂と食事で体内の気もだいぶ活発に動き出したし、そろそろ頃合いかな。
これ以上のんびりさせちゃうと、ここから出られなくなっちゃいそうだし……。
「では、食事も済んだことだし、早速修行を始めようか!」
おもむろに、タオはそう宣言した。
できれば、野営準備を先にさせてもらってもいいかしら?
日が沈んでからだと、色々と大変になっちゃうのよ。
まずは野営用のテントを張って、薪集めもあるし、できれば食材も確保したいのよ。
暗くなると料理もし辛いから、早めに下準備は済ませたいしね」
今日はここで野営をすると言った途端、突然今から修行を始めると言い出したタオに、やはり野営は初めてかと野営の心得について話し出すレイアだが……。
「あぁ、それは大丈夫だよ。今日はボクの家に泊まればいいから」
そう言って、腰の巾着から両手で抱えられるくらいの大きさの青磁の壺を取り出すタオ。
見るからに高価な壺だが、それを気にする様子はない。
白地に青で描かれた東方世界の風光明媚な自然の景観は、今にも吸い込まれそうな美しさを放っている。
「さぁ、行くよ」
西方世界ではまず見かけない芸術品に、思わず見惚れていた二人の耳に、タオが両手を打ち鳴らす音が響くと……。
「えっ! ここはどこ!?」
「なっ! 先程までいた森ではない!?」
そこは、先程までいた街道沿いの森とは似ても似つかぬ別世界。
大気は清浄な気に満ち、空には瑞雲がたなびく。
森の木々は竹林へと変わり、小川のせせらぎが心地よく耳朶をくすぐる。
竹林を背にひっそりと佇むのは、西方では珍しい木で造られた建物。
大きくもなく、小さくもなく、まるでこの景色に溶け込むかのようにそこにある屋敷を指差し、
「今日はあそこに泊まるから」
そう笑って宣言するタオ。
突然様変わりした景色に、知らぬ間に現れた屋敷……。
「「…………」」
レイア、アンドレの二人は暫し、呆然としていた。
>
「……タオ殿、ここは……もしや、神界でしょうか?」
「そんなわけないでしょ。神界っていうのは神様が住む場所なんだから、そんな簡単には行けないよ」
「でも、ここ、ふつうの場所じゃないわよね。強いて言うならダンジョンに少しだけ似ている気もするけど……。
私の知ってるダンジョンはもっと空気が重くて……ここは、なんていうか、もっと空気がきれいっていうか……」
「うん、レイアお姉さんはやっぱり鋭いね。当たらずとも遠からず、かな。
ここはね、壺中天って言って、さっき見せた壺の中の世界なんだ。
現実世界から切り離された異界っていう意味では、レイアお姉さんの言うダンジョンと同じかもね。
でも、ここには悪意のある魔物もいないし、誰も勝手に入ってこれない。
だから、安心してもらって大丈夫だよ」
そう言いながら2人を屋敷へと案内するタオと、混乱しながらも黙ってついて行くレイアにアンドレ。
そうして3人が屋敷までやって来ると、門のところには東方風の衣を纏った美しい女性が一人。
「おかえりなさいませ、主様」
そう言って、タオに向かって恭しく頭を下げる。
「ただいま、素貞。しばらく、お世話になるよ」
「はい。それで、そちらのお二人は?」
「ちょっと出先で知り合った友達っていうか……しばらく、ここで修行させようと思ってるから、よろしく頼むよ。
それで、え~と……」
「(主様のご事情は存じております。こちらにおられることは仙界には伏せておきますので、どうかご安心を)」
「ありがとう! 素貞、よろしく頼むよ!」
そう言って嬉しそうに笑うタオと、それを微笑ましげに見つめる美女。
そんな二人を黙って見ていたレイアとアンドレはというと……。
(やっぱり、タオちゃんっていいとこのお嬢様なのね。それにしても、ここが本当にあの壺の中なら、タオちゃんってダンジョンを個人所有しているのと同じよね? 本当に、いったい何者なんだろう?)
(父上やカティから聞いてはいたが……流石にこれは、信じざるを得ないか。ただ強いだけ、霊薬を持っていただけでは説明がつかない。この異界を統べる主……正真正銘の女神様で間違いあるまい)
タオの評価を何十段も引き上げていた。
>
「小青はいないの?」
「はい、あの子には壺の外での見張りを申し付けておきました。大丈夫だとは思いますが、街道のそばですし、不届き者が出ぬとも限りませんので」
「あぁ、そうか、悪いね。壺には隠蔽の仙術がかけてあるから大丈夫だとは思うけど、たまたま通った人や魔物が偶然触っちゃうかもしれないしね。小青が見ていてくれるなら安心だ」
「そう言っていただけたら、妹も喜びます」
そんな話をしながら、レイアとアンドレに屋敷の中を一通り案内するタオと素貞。
屋敷の中は、外観に反して意外に広く、アンドレ、レイア各々に個室もあてがわれた。
野営であれば、レイア殿の寝顔を拝見する機会もあったのだが……というアンドレの心の声は、しっかりとタオの耳には届いていたが、敢えてそれを指摘するようなことはしない。
そんなもの、街の通りで聞こえてくる声に比べれば、どうと言うこともないかわいいものだから……。
>
「ここ、本当にすごいわね。部屋も素敵だけど、なんたってあの露天風呂は最高よ! なんだか、身体が軽くなった気がするもの。
それに、このお料理! 東方の料理なんて初めて食べたけど、ほんとうに美味しいわ」
部屋の案内が終わるとお風呂に案内され、風呂から上がると美味しい料理が用意されている。
まさに、至れり尽くせりのおもてなし。
ギルド長の名代で出席した冒険者ギルド本部の会議で泊まった宿だって、ここと比べれば月とスッポンだ。
もう、ずっとここに住みたい!
思わず、タオちゃんにお願いしたくなる快適さだ。
そして、それは、領主の息子であるアンドレにも言えることで……。
ここは本当に落ち着くな。
我が家の料理人もそれなりの腕だと自負していたが、ここの料理はレベルが違う。
屋敷に華美なところは見られないが、なんとも言えない品格のようなものを感じる。
こういった場所を見せられると、領主だなんだと言われても、所詮は人の範疇でのことと実感させられる。
これでは、ラモスの屋敷がひどくみすぼらしく感じてしまうな。
そんな2人を見ながら、タオは考える。
お風呂と食事で体内の気もだいぶ活発に動き出したし、そろそろ頃合いかな。
これ以上のんびりさせちゃうと、ここから出られなくなっちゃいそうだし……。
「では、食事も済んだことだし、早速修行を始めようか!」
おもむろに、タオはそう宣言した。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切り者達に復讐を…S級ハンターによる最恐育成計画
みっちゃん
ファンタジー
100年前、異世界の扉が開き、ハンターと呼ばれる者達が魔物達と戦う近未来日本
そんな世界で暮らすS級ハンターの
真田優斗(さなだゆうと)は異世界の地にて、仲間に裏切られ、見捨てられた
少女の名はE級ハンターの"ハルナ•ネネ"を拾う。
昔の自分と重なった真田優斗はハルナ•ネネを拾って彼女に問いかける。
「俺達のギルドに入りませんか?」
この物語は最弱のE級が最強のS級になり、裏切った者達に復讐物語である。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる