30歳の誕生日、親友にプロポーズされました。

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近くて遠い存在

13 (R)


 ネクタイはガンちゃんの手によってベッド脇に落ちた。
 ワイシャツのボタンを性急に外され、ガンちゃんの大きくてざらついた手が肌に触れる。



 「待って、ガンちゃん」




 「待たない」




 はだけた肌にガンちゃんの手が滑っていく。脇腹を通過した時はくすぐったさに胸をそらした。
 ガンちゃんの手が胸の突起に伸びた。そこはまだ触れていないのに赤く充血しており、少し手がかすめるだけで俺は体を震わせた。




 「んっ、やだ、そこ」




 ガンちゃんは俺の制止に構わず執拗に胸の突起に触る。その度に俺は嬌声を上げた。




 「あっ!だめ、んっ」




 気持ちよくて自分の体が思うように動かない。自然と快楽は下半身の方にも落ちていき、自分の中心は熱を持っていた。




 「気持ちいいか、樹」




 声を出すことができなくて俺はただ頷いた。




 自身の昂りを見られたくなくて俺は体をずらす。


  
 「あ!」



 ガンちゃんの手は俺の腰を掴んでいてしっかりと俺の昂りを視界に入れていた。あまりの恥ずかしさに俺は赤面する。




 「隠すな、ちゃんと見たい」





 「み、見ないで、恥ずかしいから」





 「俺は見たい」




 ガンちゃんに見られている。それだけでより熱を持ってしまう。
 ガンちゃんが俺の中心部に触れる。少し触れただけなのに俺の身体は敏感に反応してしまう。




 「いや、触ったらダメ」




 ガンちゃんは俺の下着に手をかける。あっと思った時にはすでに下着は下げられていて、昂りは隠す術もなくガンちゃんの前にさらけ出していた。
 部屋は暗いが目が慣れてくればはっきりと見えてしまう。


 恥ずかしさに本当に死んでしまうかもしれない。



 ガンちゃんの顔が下がっていく。ガンちゃんが俺の昂りに顔を近づける。
 止める間もなく自分のものがガンちゃんの口内に吸い込まれてしまった。口内の熱さに俺は息を詰める。




 「あ!んっ、待ってガンちゃん。汚いからダメ」




 「汚くない」




 俺の抵抗は虚しく、口淫はますます深くなるばかりだ。静かな部屋に舐める音が響いて聞こえる。



 「んっ、あっ、ガンちゃん」




 快感に腰が動いてしまう。ガンちゃんにしっかり抑えられているので逃げることはできず、ただ快感を受け止めるしかない。




 「ほんと、もうダメだからガンちゃん。もうーーあっ!」




 腰を大きく震わせて俺はあっけなく絶頂に達してしまった。放つ熱をガンちゃんはしっかりと受け止める。喉仏の動きから俺が放ったものを飲んでしまったみたいだ。
 まともにガンちゃんの顔が見られない。こんな恥ずかしいところを見られてしまうなんて。
 ふと、ガンちゃん下半身に目を向けた。そこにはさっきまでの俺と同じ状態の昂りが目に入った。



 「ガンちゃん、俺も手伝うよ」





 中心に手を伸ばそうとするとその手をガンちゃんが捕まえた。




 「いい、お前は何もしなくて」



 
 「え?」




 
 何もしなくていい?でもつらそうだし、俺もガンちゃんに触れたい。





 「お前は酔ってるんだろ。今日のことは酒の失敗として忘れるからさっさと寝ろ」





 「……」





 酒の失敗?忘れる?




 ガンちゃんが俺の頭に手を置く。





 「俺たちはちゃんと親友だから。お前の心配することは何もない」





 親友。これまではそうだった。でも今は違う。ちゃんと自分の気持ちを自覚してガンちゃんを好きだと気づいたんだ。



 あれ?でもまだ俺、ガンちゃんに気持ちを伝えていない。
 酒の失敗なんかじゃない。俺はちゃんとガンちゃんに触れたくてそうしたんだ。だからちゃんと言わないと……


 襲いかかってくる睡魔に俺は途中で考えることができなくなる。重い瞼の向こうでガンちゃんが寂しそうに俺を見つめている。

 違う。そうじゃない。俺もちゃんとガンちゃんが好き。だからそんな顔しないで。それらは言葉にならず、闇の向こうに消えていった。



 


 
 
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