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国王陛下の嫁探し
聖下のためならば。例え火の中、水の中
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ルーカスに好きな人がいるという衝撃的な事実が判明してから、早1ヶ月。若干、意識がなくなりかけながらも、私はいそいそと準備を進めていた。なにって?そりゃ、我がリューゲリーナ教が主催の花嫁修行だよ。
いくら、ルーカスに好きな人がいようとも、誰も選ばなくとも、こればかりは仕方ない。一先ず、奴の体制的にも開かねばならぬ事。一応、ルーカスの為、心を痛めながらも、「その好きな人は誰ですか?花嫁修行に呼びましょうか?」と聞いてみたのに、彼奴と来たら何故かヒントの一つもくれぬという事態。教えてくれれば、例え異国の姫君であろうが、しがない庶民であろうが、鳥かごの娼婦であろうが、なんなら男であろうとも私の鶴の一声で、なんとかしてやろうという心意気だったが、一切口を割らなかった。曰く「そういうのは自分の力で成し遂げたい。というか、今は結婚する気ないから、難しいから」だそうだ。……いやはや、成る程、成る程ね。ルーカスの思い人は、どうやらとても愛されているようで、そして一筋縄ではいかない相手らしい。あぁ、羨ましきや、羨ましきや。と嫉妬した事早1ヶ月。まぁ、自分の中でも整理がやっとつき、何とか、何とかルーカスに対して吹っ切れることができました。やったね!いや、まぁ、まだ多少なりとも未練はあるが、それでも、奴に幸せになってほしい身としては、その糸口を見つけることができたということだけでもいい収穫なのだ、あぁ、うん。そうね、そうなのね。
「ご拝謁いたしますわ。聖下、この度はありがとうございます。」
「………いえ、貴方の幸運をお祈りしましょう」
さて、ところ変わって、ここは神殿内部、謁見の間。先ほどから、ぞろぞろと何人もの人間がここにやってきては、上記のような挨拶をしていく。というのも、本日からリューゲリーナ教主催の花嫁修行が始まるからだ。
上手くいけば、この国の王妃に、そうでなくてもいい嫁ぎ先に行くことができるであろう今回の花嫁修行。心なしか、挨拶に来る令嬢達は、皆虎視眈々とした表情をしているような気もしなくもない。別にわざわざ、後宮から挨拶にこなくても良いという言伝を出したというのにも関わらず、殆どの令嬢達がこうして私に挨拶に来るっていう時点で自分こそが!という意気込みがすごく感じられるんだよな。大方、聖下たる私を後ろ盾にとまではいかないが、味方にできれば……って考えているんだろう。
元々、庶民である私にとって、こういう貴族達の駆け引きとか、策略っていうのがあまり得意ではない。今でこそ、慣れてきたが、この世界に入った当初、そういうのに溢れてばかりで大変だった。まぁ、無視し続けた結果、何故か「流石、聖下。」「あのような卑劣極まりない行為に応じないとは、何と素晴らしい。」的な感じになっていたけれど、勘違いされてたけれど。
あぁ、それにしてても疲れたな。ルーカスの嫁探し以外にも少し思うこともあって、本来呼ぶ予定だったよりも多くの人数を招待したから、さっきから結構な人数の令嬢たちが来ている。果たして、いつになったら終わることやら……
「……か、せい……聖下!!」
「っ!!」
側近の神官の1人に呼ばれて、はっ!とする。いけない、いけない。今はまだ、仕事中。例え、令嬢達の挨拶に飽き飽きしかけてても、しっかりしなくてはいけない。
「お疲れですか?聖下」
なんとなく、雰囲気を読み取ったのだろうか、いや、まぁ、確かに疲れているといえば、疲れているが………きっと君ほどではないよ。まだ、私は用意された椅子に座り、謁見してくる令嬢達の相手をしているが、側近の神官達はさっきから立ちっぱなし。かれこれ、令嬢達が、次々とやってきて2時間近く。……2時間も立ちっぱなして、疲れない?私座ってるけど、疲れたよ。尻が痛いよ。
「いや、大丈夫です。メルダー、貴方の方こそ大丈夫ですか?」
「あぁ!聖下、そのような言葉を私めにかけてくださるなんて。なんて、なんて光栄でしょうか。」
声をかければ、めっちゃ嬉しそうに、キラキラっとしたエフェクトを出し、喜びに満ちるメルダー神官。大げさな反応だが、リューゲリーナ教の信者、神官達は、こう言った反応が普通になりつつある。特に、この目の前の彼は、その中でもひどく盲目的というべきか……
「このメルダー、聖下のためならば。例え火の中、水の中、何だって!」
………うん、悪い奴では無いんだけれど。いい奴なんだけれど、この私に対する、リューゲリーナ教への信仰心が熱すぎる奴なんだよな。嘘だとバレた時を考えると、恐ろしいやら、お腹が痛いやら。あぁ、あとやっぱり尻が痛い。
「それにしても、何を考えているのでしょうか、彼女達は。聖下は、忙しい身であるというのに、ぞろぞろと押し寄せて。聖下の手を煩わせるなど」
いや、それは仕方ないことでは無いだろうか。彼女達だって、大変なんだよ、多分。こっちにしてみれば、いい迷惑だけど。疲れるんだよな、謁見って。面倒だし……
まぁ、それでも私が開くと決めたことだ。弱音ばかり履いてられないよな。
「まぁ、いいじゃないですか。彼女達は、この国の未来を紡ぐものなのですから」
なんせ、令嬢たちは、どう転ぼうとこの先どこかへは嫁いでいくのだ。きっと、それはこの国に何かしらの利益を生み出すはず。それに、少し彼女たちを使って、やりたいこともあるしね。
さてと、それでは、さっさと残りの令嬢達の謁見も済ませてしまもうか。
いくら、ルーカスに好きな人がいようとも、誰も選ばなくとも、こればかりは仕方ない。一先ず、奴の体制的にも開かねばならぬ事。一応、ルーカスの為、心を痛めながらも、「その好きな人は誰ですか?花嫁修行に呼びましょうか?」と聞いてみたのに、彼奴と来たら何故かヒントの一つもくれぬという事態。教えてくれれば、例え異国の姫君であろうが、しがない庶民であろうが、鳥かごの娼婦であろうが、なんなら男であろうとも私の鶴の一声で、なんとかしてやろうという心意気だったが、一切口を割らなかった。曰く「そういうのは自分の力で成し遂げたい。というか、今は結婚する気ないから、難しいから」だそうだ。……いやはや、成る程、成る程ね。ルーカスの思い人は、どうやらとても愛されているようで、そして一筋縄ではいかない相手らしい。あぁ、羨ましきや、羨ましきや。と嫉妬した事早1ヶ月。まぁ、自分の中でも整理がやっとつき、何とか、何とかルーカスに対して吹っ切れることができました。やったね!いや、まぁ、まだ多少なりとも未練はあるが、それでも、奴に幸せになってほしい身としては、その糸口を見つけることができたということだけでもいい収穫なのだ、あぁ、うん。そうね、そうなのね。
「ご拝謁いたしますわ。聖下、この度はありがとうございます。」
「………いえ、貴方の幸運をお祈りしましょう」
さて、ところ変わって、ここは神殿内部、謁見の間。先ほどから、ぞろぞろと何人もの人間がここにやってきては、上記のような挨拶をしていく。というのも、本日からリューゲリーナ教主催の花嫁修行が始まるからだ。
上手くいけば、この国の王妃に、そうでなくてもいい嫁ぎ先に行くことができるであろう今回の花嫁修行。心なしか、挨拶に来る令嬢達は、皆虎視眈々とした表情をしているような気もしなくもない。別にわざわざ、後宮から挨拶にこなくても良いという言伝を出したというのにも関わらず、殆どの令嬢達がこうして私に挨拶に来るっていう時点で自分こそが!という意気込みがすごく感じられるんだよな。大方、聖下たる私を後ろ盾にとまではいかないが、味方にできれば……って考えているんだろう。
元々、庶民である私にとって、こういう貴族達の駆け引きとか、策略っていうのがあまり得意ではない。今でこそ、慣れてきたが、この世界に入った当初、そういうのに溢れてばかりで大変だった。まぁ、無視し続けた結果、何故か「流石、聖下。」「あのような卑劣極まりない行為に応じないとは、何と素晴らしい。」的な感じになっていたけれど、勘違いされてたけれど。
あぁ、それにしてても疲れたな。ルーカスの嫁探し以外にも少し思うこともあって、本来呼ぶ予定だったよりも多くの人数を招待したから、さっきから結構な人数の令嬢たちが来ている。果たして、いつになったら終わることやら……
「……か、せい……聖下!!」
「っ!!」
側近の神官の1人に呼ばれて、はっ!とする。いけない、いけない。今はまだ、仕事中。例え、令嬢達の挨拶に飽き飽きしかけてても、しっかりしなくてはいけない。
「お疲れですか?聖下」
なんとなく、雰囲気を読み取ったのだろうか、いや、まぁ、確かに疲れているといえば、疲れているが………きっと君ほどではないよ。まだ、私は用意された椅子に座り、謁見してくる令嬢達の相手をしているが、側近の神官達はさっきから立ちっぱなし。かれこれ、令嬢達が、次々とやってきて2時間近く。……2時間も立ちっぱなして、疲れない?私座ってるけど、疲れたよ。尻が痛いよ。
「いや、大丈夫です。メルダー、貴方の方こそ大丈夫ですか?」
「あぁ!聖下、そのような言葉を私めにかけてくださるなんて。なんて、なんて光栄でしょうか。」
声をかければ、めっちゃ嬉しそうに、キラキラっとしたエフェクトを出し、喜びに満ちるメルダー神官。大げさな反応だが、リューゲリーナ教の信者、神官達は、こう言った反応が普通になりつつある。特に、この目の前の彼は、その中でもひどく盲目的というべきか……
「このメルダー、聖下のためならば。例え火の中、水の中、何だって!」
………うん、悪い奴では無いんだけれど。いい奴なんだけれど、この私に対する、リューゲリーナ教への信仰心が熱すぎる奴なんだよな。嘘だとバレた時を考えると、恐ろしいやら、お腹が痛いやら。あぁ、あとやっぱり尻が痛い。
「それにしても、何を考えているのでしょうか、彼女達は。聖下は、忙しい身であるというのに、ぞろぞろと押し寄せて。聖下の手を煩わせるなど」
いや、それは仕方ないことでは無いだろうか。彼女達だって、大変なんだよ、多分。こっちにしてみれば、いい迷惑だけど。疲れるんだよな、謁見って。面倒だし……
まぁ、それでも私が開くと決めたことだ。弱音ばかり履いてられないよな。
「まぁ、いいじゃないですか。彼女達は、この国の未来を紡ぐものなのですから」
なんせ、令嬢たちは、どう転ぼうとこの先どこかへは嫁いでいくのだ。きっと、それはこの国に何かしらの利益を生み出すはず。それに、少し彼女たちを使って、やりたいこともあるしね。
さてと、それでは、さっさと残りの令嬢達の謁見も済ませてしまもうか。
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