異世界のような世界で死人に恋をした、バカな俺。

kururinnpa

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1#え!?死んだ?

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   ~え!?死んだ?~
 
 俺の名前は、柳坂 勇助。普通の男子高校生の17歳だ。サッカー部に所属中。親父と二人暮らしの日々だ。母親は、俺が小5の頃に病気で亡くなった。そんな俺は今ちょっと理解不能な世界にいるみたいだ。ここに来るまでの流れを説明しよう。遡ること多分、5分前。


「あれ?柳坂、今日部活来ないのか?」 
と、友達の氷坂が言う。
「あー、今日はバイトでな。悪いが先輩にも伝えてくんねぇかな?ちょっと時間ピンチなんだ」
「分かった。じゃあな、バイト頑張れよ!」
「おー!氷坂も部活俺の分まで頑張ってな」
と言って、廊下を先生が見てないか確認しながら猛ダッシュで走った。

「やっべ、あと十分しかねぇな。急がないと店長にまた怒られる!って、信号赤になっちまったし。ついてねぇな」
勇助は、信号で足踏みしながら待っていた。
 すると、一人の男性がこっちを指差しなにか叫んでいた。

「そこの子!危ないぞ‼轢かれるぞ‼」
と、言われたので振り向こうとしたその瞬間、大型トラックが俺の真ん前にいた、勇助はそいつに体を宙に浮かされた。
(あれ?今何が起きてんだ?みんながこっち見てる。なんでた?……って)
気づいた時には、硬いコンクリートに落ちていた。

(あれ、体が動かねぇ。どんどん視界が見えなくなっていくし。)
いろんな人が勇助に近寄って、勇助に話しかけたり、体を揺さぶったりしていた。
(なんだ?俺、死んだのかな。体が言うこと聞かねぇし、終わったな。俺の人生。)
と思い、まぶたが重くなり目を閉じた。

そんで、気がついて目を開けると今のこの状態になってたわけだ。この状態ってのは、一面お花畑、それからその回りにはいろんな家が建っていた。
「なんなんだぁーまじで。死んだんだよな?お花畑ってことは。まじかよ。」
と、肩を落としていると一人の少女が声をかけてきた。
「あの、あなた新人さんですか?それとも、前からいますか?前からいるのでしたら、私が未練を叶えてあげます。」
と笑顔で言ってきた。
「み、未練。やっぱり、ここは天国なんだな。」 
と、また一人で肩を落としていると少女が、
「あの、あなたはその様子だと新人さんのようですね。それと、羽がないのも気になります。」 
「羽?何言ってんだ?って、うわ‼」
さっきまで、ちゃんと見てなかったから知らなかったが、その少女の華奢な背中には白くてふわふわした、いわゆる天使の羽的存在が生えていた。
「君、その白い物が羽かね?」
と、勇助が指差して尋ねると、少女はふしぎそうな顔で答えた。
「そうですよ?ここに来る人はみんな羽がついてるんですけど、あなたはついてないってことは何かのミスですかね?閻魔様に言った方がいいと思われます。」
と、少女に言われて勇助は理解不能な状態となった。
「へ?ここは地獄なの?天国なの?」
と、少女に聞いた。
「えっと、ここはどちらでもありません。現世で未練を残した人たちが集められる国なんです。普通なら、死んだら直ぐに閻魔様に転生させられるか、地獄行きなのですが、閻魔様が未練がある人を無理矢理転生するのは可哀想とのことでこの国ができたそうです。でも、五年いたら無理矢理転生させられるそうですが」
と、少女に説明された。
「ここは、死んだやつらの国なのか?」
「はい!なので、あなたも死んでるはずなんですけど、羽がついてないのでおかしいなって思いまして。よければ、私が閻魔様のところにお連れしましょうか?」
と、笑顔で言われたので勇助は
「ぜひ‼お願いします。」
とガッツを入れて言った。


~つづく~
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