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人間なんて
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「ねえねえ」
「おーい鈴木~向こう行こうぜ~」
話しかけたのにスルっと横を通り抜ける友人だった人…
「きゃ~菌が移る~」
ケタケタと笑いながら走り去っていく友人だった人たち…─
「あんた、そんなんだから友達できないんだよ!」
罵倒してくる母親…─
(もう…2度と生身の人間なんて信じない)
■
俺─長谷川信は今日もデバイスと睨み合いをする。
「うーん…詰まったな……ゲームするか…」
ピコン!とTwitt○rの通知音が鳴った。
「あ!”方舟”さんだ!」
スマホでいそいそと通知を開く。
「今回も納期短めだ…」という俺の呟きに
『をあ大変だ…お疲れ!』
というリプライが来ていた。
思わず笑みが溢れる。
「”ありがとう、方舟さんもお疲れ様”…っと」
とんっと送信ボタンを押した。
方舟さんとは俺が現在唯1仲良くしている「人間」だ。…と言ってもインターネット上だけというぬるい関係性。
これぐらいが人間不信気味な俺には丁度よかった。
知り合ったきっかけは方舟さんが俺の上げたイラストをべた褒めしてきてくれたことにある。
何回か話しているうちに好きなゲームが同じなことが判明したりして段々と仲良くなった。
今では方舟さんと俺はほぼ毎日やり取りしている。
俺の小さな癒やしだ。
「…人間不信が人間に癒やされるって皮肉だなw」
ぽぺんとまた通知が来る。
『HAZEさん、今日ゲームします?』
「”今、ログインしよーかなーって思ってたトコw”」
俺らが言ってる「ゲーム」は少し前に流行った「SAIMONO」という名のゲームでチャットや通話しながら敵を倒すというまあ…言ってしまえばありきたりな感じのゲームだ。ただ、俺らはキャラデザやレベルが上がる事に解放されるストーリーのシナリオが気に入っていた。
『30分ぐらいしたら俺もログインするんで混ぜてもらってもいいですか?』
「もちろん。”待ってるな”、っと…」
送信。
「…………素材でも集めておくか。」
■
1人でそこら辺のスラ○ム的な雑魚キャラたちをひたすら滅してたらチャットボックスにメッセージが送られてきた。
『おまたせしました!』
「”おー。素材いくつか集めといたぞ”」
『ありがとうございます!じゃあクエスト行きますか~』
「”どの難易度にする?”」
『HAZEさんいるし最高でいきません?』
「”俺そんな強くないがwまあ行こうw”」
■
「あ゛ああ疲れた!」
ぎっと椅子を鳴らし目元を揉みながら天を仰ぐ。
『なんとかなりましたね~』
とメッセージが来る。
「”ほんっとギリギリだった…w足引っ張っちまったか?”」
『No way !あのアイテムとHAZEさんいなかったら俺死んでましたよ!』
「”wイケメンかよwwwwありがと”」
なんていつもの調子でやり取りしてたら驚きのメッセージが送られてきた。
『HAZEさん…オフ会…しませんか?』
「…………は?」
「はぁああああああああああっ!?」
「おーい鈴木~向こう行こうぜ~」
話しかけたのにスルっと横を通り抜ける友人だった人…
「きゃ~菌が移る~」
ケタケタと笑いながら走り去っていく友人だった人たち…─
「あんた、そんなんだから友達できないんだよ!」
罵倒してくる母親…─
(もう…2度と生身の人間なんて信じない)
■
俺─長谷川信は今日もデバイスと睨み合いをする。
「うーん…詰まったな……ゲームするか…」
ピコン!とTwitt○rの通知音が鳴った。
「あ!”方舟”さんだ!」
スマホでいそいそと通知を開く。
「今回も納期短めだ…」という俺の呟きに
『をあ大変だ…お疲れ!』
というリプライが来ていた。
思わず笑みが溢れる。
「”ありがとう、方舟さんもお疲れ様”…っと」
とんっと送信ボタンを押した。
方舟さんとは俺が現在唯1仲良くしている「人間」だ。…と言ってもインターネット上だけというぬるい関係性。
これぐらいが人間不信気味な俺には丁度よかった。
知り合ったきっかけは方舟さんが俺の上げたイラストをべた褒めしてきてくれたことにある。
何回か話しているうちに好きなゲームが同じなことが判明したりして段々と仲良くなった。
今では方舟さんと俺はほぼ毎日やり取りしている。
俺の小さな癒やしだ。
「…人間不信が人間に癒やされるって皮肉だなw」
ぽぺんとまた通知が来る。
『HAZEさん、今日ゲームします?』
「”今、ログインしよーかなーって思ってたトコw”」
俺らが言ってる「ゲーム」は少し前に流行った「SAIMONO」という名のゲームでチャットや通話しながら敵を倒すというまあ…言ってしまえばありきたりな感じのゲームだ。ただ、俺らはキャラデザやレベルが上がる事に解放されるストーリーのシナリオが気に入っていた。
『30分ぐらいしたら俺もログインするんで混ぜてもらってもいいですか?』
「もちろん。”待ってるな”、っと…」
送信。
「…………素材でも集めておくか。」
■
1人でそこら辺のスラ○ム的な雑魚キャラたちをひたすら滅してたらチャットボックスにメッセージが送られてきた。
『おまたせしました!』
「”おー。素材いくつか集めといたぞ”」
『ありがとうございます!じゃあクエスト行きますか~』
「”どの難易度にする?”」
『HAZEさんいるし最高でいきません?』
「”俺そんな強くないがwまあ行こうw”」
■
「あ゛ああ疲れた!」
ぎっと椅子を鳴らし目元を揉みながら天を仰ぐ。
『なんとかなりましたね~』
とメッセージが来る。
「”ほんっとギリギリだった…w足引っ張っちまったか?”」
『No way !あのアイテムとHAZEさんいなかったら俺死んでましたよ!』
「”wイケメンかよwwwwありがと”」
なんていつもの調子でやり取りしてたら驚きのメッセージが送られてきた。
『HAZEさん…オフ会…しませんか?』
「…………は?」
「はぁああああああああああっ!?」
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