メイスオブクリスティア

桜bysen

文字の大きさ
上 下
4 / 106
1話 日曜の章「軌跡の始まり」

エース編 3

しおりを挟む
ーーエース「え?」

誰かに肩を叩かれて、後ろを振り返る。

その主は短い青い髪にヘッドバンドを着けた男子だった。

??「よ!」

エース「...えーと、どこかであったっけ?」

とエースはわからないといわんばかりに首をかしげた。

??「え?覚えてないのか?入試のときに会ったじゃねーか...。」

エース「...?...!!もしかして...。」

??「おっわかったか?」

エース「タロヒ!」

ヒロタ「ヒロタだ!なぜ逆にした!!?」

エース
「えーと、何となくかな?ごめん...会えて嬉しいよヒロタ。」

ヒロタ「おお、エース!」

こいつはヒロタ、前にこの学園の入試で初めて知り合った。

一緒に受かるといいなと別れを告げて半年が過ぎたが、

無事にまたあえて良かったと思った。

と、ここでジェニファーがヒロタに話しかけた。

ジェニファー
「あのときは、兄がお世話になりました。私はジェニファー、ジェニファー・トラブデンといいます。」

ヒロタ
「兄と言うことは、エースの妹か?こっちこそよろしくな!!...確かにおまえら目とか髪の色おんなじだなぁ。」

エース「ははっ、まあな。」

他愛もない話をしていると、一人の先輩から大講堂へと案内を呼び掛けられる。ーー


ーー南棟と北棟に挟まれた大講堂。その作りは何か教会のように荘厳で洗練された白い建物であった。その建物はそんな教会よりも二倍の広さであろうか...そして、何かを寄せ付ける、そして、何者をも寄せ付けないようななにか特別なオーラをエースはそれを見て感じる。そんな中で大講堂へとついたエースたちは、次は番号順に並ぶようにいわれた。

ジェニファー
「お兄さま、私は四番目ですわ。」

エース「俺は、一番か。」

ヒロタ
「俺は結構離れてんな...。十番目みてぇだから、またな!!」

そういうとヒロタは、俺とジェニファーから離れていった。

全員で整列して待っていると、ふと、隣を気にした。

するとエースは、向かいにいるclass3の先頭の男子が気になる様子だった。

その黒い髪に整った綺麗な顔、そして沈んだ紫色の瞳がどこか冷たく残酷だった。過去になにかあったのか今のエースには知るよしもなかった。

すると、彼がエースの方へ目を向けたので、慌てて目を反らした。

もうすぐだ、そう思い気持ちを切り換えることにした。

入学式が始まり新入生たちは大講堂に入り、全員席に着いた。

内装は所々に飾られている花で、より華やかさに包まれている。

そして、洗練された雰囲気もしっかりと残っており、その名残が今の建物の高貴さを伺わせる。

この日に用意された椅子は全て、木の部分が金色、布の部分が赤の椅子である。それは新入生ももちろん、二三年、教官、一部の来賓の分も用意されている。


そして全員、座って待機しているのを進行係が確認をすると、その場にあるマイクのスイッチをオンにして、話を始める。
開会宣言始め、進行者が次々とスケジュールを進めていく。

真面目な態度で臨む者、少し眠そうにしている者等がいるそんななか、最初は話を聞いていたエースは、自分の左の遠くにいる黒髪の男子を何故か見ていた。

あいつに対して初対面なのに何故か苦手意識?のような感じがあった。

??「んっん...!」

エース「ん?」

見つめてばかりいると、隣の近くから咳払いが聞こえたので目だけを向けると、2つ隣に座っている豪族を思わせる風格の金髪の青年が咳払いをしていた。

なっなんだあいつ?と思っていると、今度は目だけをエースの方へと見向くと、前みて話を聞けと言うように顎をしゃくった。

エース「あっああ...。」

鋭い瞳と傲慢な態度に、正面を向いて、話を聞くことを余儀なくされる。

そして、式がほとんど終わりあとは学園長式辞を残すのみとなった。

「学園長式辞、学園長、お願いします。」

すると、学園長らしき老人が前へとでる。

学園長が皆を見渡したあと、話が始まった。

学園長
「えー、新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。我々一同も深く歓迎致します。」

ーー

しおりを挟む

処理中です...