メイスオブクリスティア

桜bysen

文字の大きさ
上 下
63 / 106
7話 月曜の章 「激情の叫びと甘いベーゼは突然に」

カスミ編 4

しおりを挟む
ーーーその翌日の月曜日、その日の朝は雨で寮から校舎まではすぐにあるのにも関わらず傘は勿論、制服までもがややずぶ濡れになるほどに。

サイファー「......。」

マリー「うぅぅぅぅぅ...。」

ある時、白い石膏の壁と天井、茶色い石膏の柱と赤いカーペットが敷かれた廊下で、サイファーはただ何となく困惑しているようにみえる彼女の反応を特に深く考えずに眺めている。あまりにあからさまに表情に出さずに見つめてくる彼に、マリーにとっては全然わからない、とても恐ろしく感じる言わんばかりにブルブルと震える。
その場にいるマイラやツル、ローゼとジェニファー、おまけにランスも怯えるマリーを励ますが、涙目になり”ごめんなさい”や”あの、その...”と言葉が詰まる。そして、サイファーは”どうした?”と少し無神経な感じでそういったのだった。ーー

ーー同じ時間で1年のclass3の教室では、カスミの机を囲って自分の席に座っているカスミと反対側にいるフライヤ、そして、その廊下側の方から口説くように話しをする、茶色い肩までかかった髪に紳士的なハットを被ったアルフレド。

アルフレド
「...本当に美しいよ、二人の何もかもが...。そう、まるで...。」

フライヤ
「...あの、それで何回目であろうか..。」

アルフレド「...え?」

フライヤ
「いや、その話は何回目だと聞いたのだが...。」

カスミ
「ふふっ、いいんじゃないかな?アルくんの話はとっても面白いし♪」

フライヤ
「いや、私は何度も聞くたびしつこいと感じたのだが...まあうれしいような、やめてほしいような..。」

そんなフライヤの言葉を独り言として無視するように、

アルフレド
「...?...おぉ、そうだ!次のレディ達を口説きにいかないと♪それでは失礼するよ?」

といいながら去っていく。すると突然空の天気が雨から快晴へと変わっていった。

その様子にカスミは
「もう雨が止んでお日様が元気になったね。」
と満点の明るく純粋な笑顔でそういった。

フライヤ
「それもアルフレドが居なくなってから変わったな。不思議だな、アルフレドは不幸を誘う雨男なのか?」

??
「違うよ。フライヤが気分で動かしてるんだよ多分。」

ふとフライヤの後ろで声が聞こえてフライヤは後ろを、カスミはそんな彼女の奥を覗いた。

カスミ
「あ!セラちゃんおはよう♪」

カスミの目の前にセラという銀髪のウルフカットに後ろのうなじで1本結びで縛った腰まで長い髪型の小柄な少女が。そして、しゅっと右手で何かを机に置いて、セラもまたカスミとフライヤに挨拶を交わした。

フライヤ
「おはよう、..ん?机のそれは一体..?」

セラ
「ああ、これ?今度合宿でさイヤハル渓谷に行くよね?その合宿の栞、これユキムラ教官に頼まれて今皆の分渡してるけどカスミ達の分で最後だから。」

そう言いながら残っている2冊を二人に手渡した。

そして、ページをめくるとより過酷な日程内容のようで二人は少し驚いた。

カスミ
「3日間の1日目は午後から鍛練と、飯盒炊爨とっても楽しみ♪」

フライヤ
「...ん?2日目は渓谷の中枢に潜んでいる怪物を退治することになっているな。3日目は帰り支度のみだが。」

カスミ
「まさかそこにも怪物がいるなんて...。(...!ううん!克服したもの、覚悟はとっくにできてる。)」

セラ
「イヤハル渓谷はモンスターがとっても多くてさ。殆どは人畜無害の安全なのばっかりだけど、奥の方に行くと強くて危険なモンスターが少なくとも出没してるんだってさ。噂程度だけど僕そこいくの初めてだからどれぐらい強いのか分からないな。実際ユキムラ教官に聞いただけだし..。」

そしてセラは あ、という思い出したような声を発して再び二人に目線を集める。

セラ
「あとね、合宿の部屋割りも決まったっていってたよ。全員同じclassのメンバーと一緒の”コテージ”になるから宜しくね。」

フライヤ
「ああ、私たちは女子5人が一緒だからな。」

カスミ
「宜しくね♪そうだ、今日お昼一緒に食べない?」

セラ「...うんいいよ!それじゃまたね?」

セラは何故か少し間をあけて明るく微笑みながら返事を交わすとすぐに自分の席に戻った。

瞬間、チャイムがなりその後のホームルームでナオマサが説教じみた話を聞きながら時を過ぎるのを待ったのだった。ーー

しおりを挟む

処理中です...