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9話 月曜の章「イヤハルオオトカゲを探しに」
セスル編 5&カグツチ編 4
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ーー
セスル「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
思わず目を閉じ、ただただ動けずにいた次の瞬間、
硬いものを意図も両断するような音が響いた。
セスル
「.....え?.....!エ、エース...!」
そんなセスルは音を確かめるために頭を塞いでいた手を退けて顔を上げると、なんと自分を殺すだろう怪物の爪を今まで自分が蔑んできた彼が剣で防いで守ってくれていたのだ。
しかし、まだ心を許せた訳じゃないのか、生まれつきあるプライドの高い性格故なのかセスルは反応に困ってしまう。
スレイ
「喰らえーー!突叉百連撃!あたぁっ!!」
エンリル
「助けてくれた恩を返すのがエンリルの故郷の流儀なのだ~!だから、好き勝手にやるのだ~!ええい!!」
クラウザー
「頼むから一人で無理しないでくれセスル、俺だって仲間が死んだら寂しいッ!」
三叉を使って右側の背中を何度も力の限り最速で突いたり、エンリルは怪物の顔を鉤爪で引っ掻いたり、クラウザーは左側の横腹を矛で突き刺し、ぐっと力一杯押し込む。
そんなソイル村出身の三人は容赦なく、全力で攻める。
しかし、そんな3人の攻撃でも一切効かない。にも関わらず懸命に粘りづよくその都度離れて別の角度から攻めるを繰り返しているのだ。
セスル「な、何で...?」
エース
「...もう大丈夫だ。くっ...、俺達がいるから...。」
自身の武器で破壊寸前まで防ぎきりながら苦しそうに顔を歪めるエースはそう言った。ーー
ーー
カグツチ「ん?え!?ヒロタ殿...!」
カグツチが振り返るとなんと、巨人の腹にヒロタのブレードが真ん中辺りまで刺さっていたのだ。
巨人は当然根を上げて倒れそうな位、体の中心がゆらゆらと大きく揺れる。だが倒れることはなかった。何故ならばとどめを刺せた訳ではなかったからだ。
その揺れに耐えながら自らの剣に力一杯押し込み続けるヒロタの眉はとても余裕がないようにも見えた。
そんなヒロタは巨人の腹をずっと見ながらカグツチに対して大きく聞こえる声でこう言った。
ヒロタ
「カグツチ!ここは、...お前の故郷...だろ?大切な家族達が長年培ってきた土地だろ?なら、ちゃんと守らないと駄目だ...。こいつなんかに食われちゃ...ぐっ、絶対駄目だ!」
そして、ヒロタは途中で暴れだす木の巨人を躊躇せずにさらに力一杯ブレードを押し込む。さらに言葉を続ける。ーー
ーーふと、突然緑と白の光のコントラストが視界に入り込んで、それと同時に痛み、苦しさが和らいだ気がした。
それはジェニファーがセスルの左後ろでしゃがんで詠唱していた白魔法の一種だった。
セスルは思わずえっ?と少し驚く。
すると、ジェニファーは彼女に対して、申し訳無さそうな表情で謝罪をする。
ジェニファー
「ごめんなさいセスルさん、私たちが頼りないばかりに今まで辛い思いをさせてしまい。もう、足手まといだと思われないように今まで以上に頑張ります!だから、お願いです。一緒に戦わせてください!」
そう、真剣に懇願するように言うと、セスルも足手まといと言うことを否定するかのように切羽詰まったような声色で言葉を返す。
セスル
「違うの!やめて!!エース、私は今まであなたに酷い態度で接してきた。本当に最低な!そんな私を救う義理なんてないわ!もうそいつから離れて!」
するとエースは、...はは、と微笑して、
エース
「矛盾してるんじゃないか?それは...。」
と言った。
セスル「え?」
そんな怪物の手に今現在目を向けているエースの表情は勇んでやや微笑んでいるものの、その瞳の本質は真剣そのものだった。そしてエースはその後に言葉を続ける。ーー
ーー
ヒロタ
「お前が一族を亡くして悲しいと感じたことは、話を聞いて俺だって悲しいって思った。だから、せめて、仲間の生まれ育った土地だけは絶対に守ってやりたい!お前も一緒であって欲しい。だから頼む...、戦ってくれ。」
カグツチ
「...ヒロタ殿...。」(また同じような過ちを...、信念を貫くと決めたはずなのに....。されど。)
ーー
セスル「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
思わず目を閉じ、ただただ動けずにいた次の瞬間、
硬いものを意図も両断するような音が響いた。
セスル
「.....え?.....!エ、エース...!」
そんなセスルは音を確かめるために頭を塞いでいた手を退けて顔を上げると、なんと自分を殺すだろう怪物の爪を今まで自分が蔑んできた彼が剣で防いで守ってくれていたのだ。
しかし、まだ心を許せた訳じゃないのか、生まれつきあるプライドの高い性格故なのかセスルは反応に困ってしまう。
スレイ
「喰らえーー!突叉百連撃!あたぁっ!!」
エンリル
「助けてくれた恩を返すのがエンリルの故郷の流儀なのだ~!だから、好き勝手にやるのだ~!ええい!!」
クラウザー
「頼むから一人で無理しないでくれセスル、俺だって仲間が死んだら寂しいッ!」
三叉を使って右側の背中を何度も力の限り最速で突いたり、エンリルは怪物の顔を鉤爪で引っ掻いたり、クラウザーは左側の横腹を矛で突き刺し、ぐっと力一杯押し込む。
そんなソイル村出身の三人は容赦なく、全力で攻める。
しかし、そんな3人の攻撃でも一切効かない。にも関わらず懸命に粘りづよくその都度離れて別の角度から攻めるを繰り返しているのだ。
セスル「な、何で...?」
エース
「...もう大丈夫だ。くっ...、俺達がいるから...。」
自身の武器で破壊寸前まで防ぎきりながら苦しそうに顔を歪めるエースはそう言った。ーー
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カグツチ「ん?え!?ヒロタ殿...!」
カグツチが振り返るとなんと、巨人の腹にヒロタのブレードが真ん中辺りまで刺さっていたのだ。
巨人は当然根を上げて倒れそうな位、体の中心がゆらゆらと大きく揺れる。だが倒れることはなかった。何故ならばとどめを刺せた訳ではなかったからだ。
その揺れに耐えながら自らの剣に力一杯押し込み続けるヒロタの眉はとても余裕がないようにも見えた。
そんなヒロタは巨人の腹をずっと見ながらカグツチに対して大きく聞こえる声でこう言った。
ヒロタ
「カグツチ!ここは、...お前の故郷...だろ?大切な家族達が長年培ってきた土地だろ?なら、ちゃんと守らないと駄目だ...。こいつなんかに食われちゃ...ぐっ、絶対駄目だ!」
そして、ヒロタは途中で暴れだす木の巨人を躊躇せずにさらに力一杯ブレードを押し込む。さらに言葉を続ける。ーー
ーーふと、突然緑と白の光のコントラストが視界に入り込んで、それと同時に痛み、苦しさが和らいだ気がした。
それはジェニファーがセスルの左後ろでしゃがんで詠唱していた白魔法の一種だった。
セスルは思わずえっ?と少し驚く。
すると、ジェニファーは彼女に対して、申し訳無さそうな表情で謝罪をする。
ジェニファー
「ごめんなさいセスルさん、私たちが頼りないばかりに今まで辛い思いをさせてしまい。もう、足手まといだと思われないように今まで以上に頑張ります!だから、お願いです。一緒に戦わせてください!」
そう、真剣に懇願するように言うと、セスルも足手まといと言うことを否定するかのように切羽詰まったような声色で言葉を返す。
セスル
「違うの!やめて!!エース、私は今まであなたに酷い態度で接してきた。本当に最低な!そんな私を救う義理なんてないわ!もうそいつから離れて!」
するとエースは、...はは、と微笑して、
エース
「矛盾してるんじゃないか?それは...。」
と言った。
セスル「え?」
そんな怪物の手に今現在目を向けているエースの表情は勇んでやや微笑んでいるものの、その瞳の本質は真剣そのものだった。そしてエースはその後に言葉を続ける。ーー
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ヒロタ
「お前が一族を亡くして悲しいと感じたことは、話を聞いて俺だって悲しいって思った。だから、せめて、仲間の生まれ育った土地だけは絶対に守ってやりたい!お前も一緒であって欲しい。だから頼む...、戦ってくれ。」
カグツチ
「...ヒロタ殿...。」(また同じような過ちを...、信念を貫くと決めたはずなのに....。されど。)
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