勇者×魔王×宇宙人×未来人×転生者 ~何の因果か宇宙人に支配されたファンタジー世界でSFするはめに~

taka1gou

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使命

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水曜日の午前中。それは、日本のビデオ屋が最も空いている時間帯(俺調べ)。
すなわち、例のブツを最も安全に確保できる時間帯である。


大学に進学して1ヶ月。正真正銘18才となった俺は今日、ついに大人の階段を上る!






――――ウィィィィィン


ビデオ屋の自動ドアを堂々とくぐる。店内を見回してみると、平日の昼間だというのに数人の客がいた。
仕事してんのか? まあ、俺も似たようなもんだけど。


そんなことを考えつつ、俺は前進する。


入り口付近に設置された、昨年ヒットした映画のDVDなどには目もくれない。もちろん、奥に設置されたB級映画のコーナーもスルーだ。


俺はひたすらに、奥へ奥へと前進した。そしてついに、ピンク色の『18』と大きく書かれた垂れ幕の前で立ち止まった。





性というものに目覚めてから早6年。これまで入ることが許されなかった最後の18禁コーナーフロンティアを前に、足が震える。



これまで、この中を何度夢想したことか。エロのガンジス川。変態達の殿堂。

その中に俺は! 今日ついに足を踏み入れる!





「フゥゥゥゥ・・・・・・」

呼吸と心臓の鼓動を整える。入った瞬間、興奮のあまりに心臓発作を起こして死にたくはないからな。体調を万全にしておくに越したことはない。



――――ピラ

これまで俺をこの中から遠ざけていた、たった一枚の布きれを指で掴む。

こんな薄っぺらな布きれが、これまで決して壊せない壁として俺を最高のエロから遠ざけてきた。しかし、それも昨日までだ。




「・・・よし!」

俺は覚悟を決め、ダンジョンへと飛び込んだ。

さあ! 冒険の時間だ!







<<<<   >>>>


な、なんということだ! これが、これがエロのガンジス! 純粋なるエロの金剛石! パッケージを見ているだけで心臓発作を起こしそうだ!

これまで見ていたエロ本達が、いかに希釈きしゃくされたエロであったかを思い知らされる! 



整然と並べられた聖書バイブル達を、俺は一つ一つ手に取り、そして凝視する。



なになに・・・な、なんだと!? 金髪碧眼アメリカンだと!? そんなの興奮しないわけがない! 本場のエロがどれだけの物か確認せねば! 購入だ!


・・・ん? えーっと、こっちは『妖艶な黒髪の未亡人と・・・』む、むわああ! や、やばい! パッケージの時点ですでにヤバい! 購入!


な、なんだと!? 24才なのに身長140cmの女子大生で、おまけに一人称は『ボク』のロリっ子!? あげくにドS!? さらには姉御肌!? どれだけ属性を詰め込めば気が済むんだ!? モチのロンで購入だ!


ぬ、ぬわあああにいいいい! タコの足に絡め取られる、その名も『北斎プレイ』だと!? 購入!



な、なんと言うことだ! もはやここはダンジョンでも、ガンジスでもない!

正倉院エロ物庫だあああああああああ!






<<<<   >>>>

大量のAVを買って、ほくほく顔で俺はビデオ屋をあとにした。いやー、大漁大漁! もう満足だ。




しかし、問題はここからだ。


――――キョロキョロ

俺は注意深く、辺りを観察する。よし、誰もいないな。



――――カササッ

忍者顔負けの忍び足で、俺は移動した。というか、忍者と言うよりむしろゴキブリみたいだった。しかし、そんなことに構ってはいられない。




AVを買ったときに一番気をつけなければならないこと。それは『知り合いに見つからない』ことだ。


なにせ、もし見つかろうものなら明日から俺のあだ名は『タコ足さん』になること請け合いだからな。それか、『性癖のサラダボウル』。さすがの俺も、それだけは勘弁願いたい。



「・・・よし」

俺は再び辺りを確認すると、すぐさま移動する。長居は無用。長い時間1カ所に留まれば留まるほど、誰かに見つかる可能性は高くなる。

素早く、しかし慎重に進むのだ。



俺はこの調子で、ビデオ屋を出て数百メートルを進んだ。そして交差点に出ると、そこで立ち止まる。予定では、あと一分だが・・・


――――プップー

「!」

クラクションを耳にし、俺はすぐにそちらを見る。そこには、事前に呼んでおいたタクシーが時間より一分早く来ていた。

うむ、一分前に来ているとは、なんたるサービス精神。褒めて使わす。




俺はすぐさまタクシーに駆け寄る。


「どうも、予約していた神田です」

「お待ちしていました。どうぞ」


運転手はそう言って、レバー的な物を引いてドアを開けた。俺はすぐさま乗り込む。


「目的地はどこでしょうか?」

「○○町△△番地でお願いします」

「わかりました。では、ドアを閉めるので離れてください」

――――バンッ!

ドアが勢いよく閉じられた。そして、俺を乗せたタクシーは進み始めた。

やれやれ、これでどうにか第一関門はクリアだ。(つづく)
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