異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり

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第九章 ちの成果 暗幕あがる きっかけを

第156話 スキルアップ

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 ということで、名前を考えることにした。
 
「……一応考えてはみるけど、気に入る名前が出てくるかはわからないよ?」

「それはもちろんだよ。こちらからお願いしているんだからね」

「それと、名前を考えるための取っ掛かりが欲しいかな」

「ふうむ、取っ掛かりか。そうだねぇ、例えば、本に関わる名前、とかだろうか? 本のタイトルだったり、著者名だったり」

「……それなら、私も。……彼女は、水属性の、魔族。……レイがいなかったら、魔皇だった、かも」

「いやいや。仮に望まれたとしても、絶対に断っていたよ。できるだけ本を書いたり読んだり、そのための取材をしたいからね」

「……私も、自分の部屋にできるだけこもって、読み書きしたかった。……けど、闇属性の魔族、少ない。……他の五属性は、既に候補がいた。……全属性がいた方がいい、となって、私も候補になってた」

 そうだったのか。
 それなら、今もあまり乗り気じゃないのかもな。

「……けど、今はなってよかった、かも。……他の魔皇は優しいし、一緒にいて楽しい。……それに、ハクトやソフィア、モニカ。……他にも、色々な人に出会えた。……部屋にずっといたら、出会えなかった」

 ……そっか。

「俺もそうだな。それに、ソフィアも」

「そうですね」

「私もです! メイさんとは教会でよく会いますし、最近は一緒に料理を作ることもあって、とっても嬉しいです」

「私も、メイさんから読書をおすすめしていただいたお陰で、素晴らしい本に出合う事ができました。ありがとうございます」

 それを聞いたメイは、少し恥ずかしそうにはにかんで、

「……私も、ありがと」

 と、小さな声で答えた。

「ふむふむ。私も、今日はメイさんのお陰で君たちに取材することができたし、感謝だね」

「……会うたびに、話題にしてくるから」

「けれど、無視することなく、今日は会わせてくれたね」

「……取材をした後で書いた本が、読みたかっただけ」

「ふふふっ、そういうことにしておこうかね。……さてさて、それじゃあ改めて、私の名前をよろしく頼むとしよう」

「ああ、そうだったな。……うーん、本に関係する名前かぁ」

 著者、ライター、先生。
 そういえば結局、彼女の事は先生と呼んでないし、それを名前にしたら面白いかな?
 ……いやいや、流石にそれはないな。

 後は、有名な著者の名前、とか、本の題名、とかもあるけど、うーん。
 そういえば彼女は、落ち着いていないときはかなり饒舌かつマシンガンみたいにしゃぺっていたな。
 ……いや、完全に本からは慣れてしまったな。

 あー、けど、よく話す、か。
 安直だけど、響きは悪くない気がするし、まずはこれを提案してみるか。

「例えば、”ノベル”、っていうのはどうだ? 俺のいた世界では、小説、って意味があるんだ」

 それと、よく述べる、なんてな。

「ほほう! 直球な名前だね。けれど、それも悪くはないね。それに、”ノベル”、か。いい言葉の響きな気がするよ。……よし! これから私は、ノベル、と名乗っていこうじゃないか! それにしても、ノベルという名前が小説という意味なのは、異世界の言葉を知らない人からは分からないということか。なるほどなるほど、そう考えるとなんだか物語に出てきそうだね。ただの名前かと思っていたら、話の終盤でその名前の意味が発覚するというのはとても面白そうだ! それに……」

 ……あ、あれ?
 なんだか、最初の状態に戻っているような……。

「……あ。……コーヒー、無くなってる」

 ……それはまずい。
 ということで、メイにコーヒーを取りに行ってもらった。

「今度からは、コーヒーセットも常備しておくことにします」

 いや、流石にそこまでしなくても……。
 ……と思ったけど、たまに食後のコーヒーが飲みたくなることがあるし、俺からもお願いしておこうかな。



 色々な意味で彼女、ノベルのコーヒーブレイクが終わり、次は特典について考えてみることになった。

 俺からは、作中に出てくる登場人物のイラスト、その人物が持っている装飾品などの小さいアイテムをつけるのはどうか、というアイディアを出した。
 意見としては、そもそも絵がついていない本が多い事、そういった本のイラストを描いてもらった場合、読者が想像する人物像からそれてしまうかも、といった可能性が懸念された。

 ああ、そうだった。
 イラストに関しては、その問題があったな。
 ……最近は、イラストがついていない本を読んでいなかったから、完全に忘れていた。

 それと、アイテムに関しても、最初に手を取るのはその作品を知らない人なので、手に取ってもらう取っ掛かりとしては少し弱そう、なんて意見も出た。
 ……うん、そっちもその通りだな。

 ただ、ソフィアからは、その本のファンになった人であれば、自分用、保存用、布教用の三冊が必要になるので、そういった特典があった方が嬉しい、といった慰め(?)があった。

 ……というか、教会の巫女って立場のソフィアが布教っていうのは、色々と不味い気がする。
 いや、ノベル以外はいつも通りって感じで流しているし、ソフィアの正体を知らないノベルも、あまり気にしていなさそうだった。

 ……いずれノベルも、ソフィアの洗礼を受けるだろうな。
 もちろん、神的な意味ではないやつで。

 それと、ノベルからは、よかった、やっぱり君も専門ではない分野では弱いのだね、なんて言われたけど、そもそも俺の専門分野って何なのだろうか?
 ……元の世界に戻った時には、資格の勉強でもしようかな。

 そして、次に意見を出したのは、意外にもリューナだった。
 リューナはこれまた珍しく、目をキラキラさせながら、収納の魔法で何かを取り出した。

 もしや、と思いつつ見てみると、案の定、龍と剣のキーホルダーだった。
 ……いや、多分それを見て買っていくのは、一部の人だけだと思うんだ。

 と思ったけど、そこそこ高評価だった。
 意外性があって興味を引く、とか、それを付ける意図や、そのキーホルダーの用途がわからず、話題になるかも、という感じで、リューナの意図したものではなかったようだけど。



 特典に関するアイディアが出た後、そういえばそもそも、サインは何語で書くべきか、という話になった。

「その前に、魔族の文字とか、人間族の文字ってどんな感じなんだろ? ……俺の場合、勝手に翻訳で訳されちゃうから、ちゃんと見れないんだよな」

「ふむふむ。君の持っている、特別な翻訳は便利なようで不便なんだね。その能力自体も気になるけれど」

「ああ、それなら簡単にだけど、前に検証したことがあるな」

 と、アオイとのデートの時に試したことを説明した。
 説明中、リンフォンがリーンと鳴ったので、説明が終わった後で確認してみると、

『君の翻訳に関して、意識することで解除することができるようにしておいたよ。能力の強化、というやつだね。その感謝を伝えるために、近々会いに来てくれると嬉しいね』

 と、連絡があった。
 ……そろそろ、会いに行った方がいいのだろうか。

 返信については後できちんと考えることにして、今は翻訳について確かめてみよう。
 解除する、と意識して近くに書いてあった文字を見てみると、、ヒエログリフとか、甲骨文字とかそれに近い感じの文字が見えた。

 文字のような絵のようなって感じで、サインとして考えると結構いい感じかもしれないな。
 それに、アレンジとかもできそうだ。
 ……逆に、自分の文字を魔界語風にしてもらう、っていうのも面白そうかも。

 さてと、その意見を言ってみよう、と思ったけれど、そもそも翻訳が解除できるようになった理由については何と言おうか。

 神様がやってくれた、なんていうわけにもいかないしなぁ。
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